夫がアイドルに夢中だと、老後は円満夫婦になりやすい!?夫婦関係の専門家が「夫のアイドル趣味は許せ」と話す理由
2021/08/17
夫のアイドル趣味と夫婦円満の意外な関係性について、恋人・夫婦仲相談所の所長である三松真由美さんに解説してもらいました。
夫に「推し」がいるメリットとは?
自身のパートナーに対して、まったく無趣味なよりは、なにか打ち込める趣味があったほうがいい……と考えるかたは多いと思います。しかし趣味の中身によっては「ちょっと勘弁してよ!」というケースも。
実際、私が主宰する「恋人・夫婦仲相談所」にも夫の趣味に関する相談がときどき寄せられているのですが、妻の反応に差が出がちなのが「アイドル趣味」です。
育児雑誌で読者相談を受けていたときも「夫が子育て中にもかかわらずアイドルのツアーに行っているのでどうすればいいか」「アイドルグッズに生活費を使う夫を信用できなくなった」というママの悩みを聞きました。また、自分の子どもとほとんど年齢が変わらないようなアイドルに夢中になっている夫に対して「ドン引きする」というケースも。
妻として、夫の「アイドル好き」にはどう対応するのがベストなのでしょう。
「いい歳をしてなにやってんだか」と速攻で切り捨てるべき?
いえいえ、筆者としては、まずは静かに見守ることをおすすめします。「好きなアイドルがいる」=「推しがいる」ことには、いくつかのメリットがあるからです。
メリット1:仕事以外の関心事ができることで、話題が広がる
無趣味な男性が扱える話題はざっくりわけて3つです。
・自分の健康(または不健康)自慢
・自分の仕事や会社自慢(または自虐)
・職場の噂話
近所に安いドラッグストアができたとか、子どもと何して遊ぶかなど単発テーマは置いておくとして、そんな男性が妻と楽しく会話ができるか想像力を働かせてみてください。おそらく30分の雑談も無理。不健康自慢などを30分も聞かされるたら、妻も不健康になってしまうでしょう。さらに、定年後のことを考えると絶望感が増します。「うんざり」とは定年後の夫婦間でよく使われる語句です。
たとえアイドル趣味であろうと、夫が仕事以外に「夢中になれるもの」を持つことで、夫婦の会話の幅が広がることが期待できます。
その2:趣味から人脈が広がり、妻への過度な依存を回避できる
職場仲間以外に友だちがいない夫は、定年後、どこへ行くにも妻にくっついて回る、いわゆる「濡れ落ち葉」になりがち。趣味を通じて、情報交換をしたりいっしょに出かけたりする仲間が増えれば、そこから趣味以外にも新たな人脈が広がることが期待できます。
妻が「夫から解放された自分だけの時間」を持つためには、夫にも「自分だけの時間」を持たせることが必要。「趣味」はそのきっかけになる大事な要素なのです。
その3:“推し”がいることで、ドーパミンの分泌が促され幸福感をもたらす
ドーパミンは、人が何か目標に向かって行動し、目標を達成したときなどに分泌される脳内ホルモン。例えば自分の「推し」を追いかけて、必死でチケットを取ってライブに行く。そうすると目標達成で分泌されたドーパミンによってまたやる気が出て、さらに新たな目標につながる……という「やる気」の好循環が生まれます。
ドーパミンによる「やる気」の好循環は、周囲の人との関係も好転させる可能性が高いです。つまり「推し」が居ることは夫だけでなく、妻も幸せにする効果が見込まれるのです。
結論:若々しい老後を迎えるために、アイドル趣味は許せ!
以上のとおり、夫のアイドル趣味は妻自身にとってもメリットになる可能性があるのです。
妻のひとり時間を確保するために、夫にはアイドルに夢中になってもらう……というとさめた夫婦と思われますが、将来、妻依存の夫にならないための布石と捉えてください。また、たまには「アイドルに嫉妬する」仕草を見せるのも、夫婦円満のエッセンスになるかもしれません。
アイドルに限らず、新しい世界を見るきっかけを「推し」はつくってくれます。そして、好奇心旺盛な人は実年齢より若く見える。夫婦ふたりで若々しい老後を迎えるために、アイドル趣味は許せ……というのが私のアドバイスです
ただし、ただ見守るだけでなく、きちんと目を光らせなければいけない点もあります。それはお金の使い方。
子育てが一段落する時期になると家計に余裕が出てきて、趣味と娯楽の出費が増える家庭もあるかもしれません。しかしいまは人生100年時代。中年期は長い老後に向けてお金を貯める&増やす必要もある時期です。
アイドルにいくらお金をかけているか、しっかりとチェックするのは必須。住んでいる地域で開催されるイベントだけでなく、地方公演に遠征したり、公式グッズを買いまくったりする様子が見られたら、クギを刺すことも大切です。今はオンラインライブが主流なので出費は把握しやすいですが、いずれ訪れるアフターコロナには注意が必要ですよ。
◆監修・執筆/三松 真由美さん
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。