「ご苦労様です」は目上の人に使ってもいい?よく使う日本語の正しい使い方と間違った使い方を解説

2022/06/15

日常生活やビジネスで使う日本語、正しく使えているか不安なことってありませんか?よく調べないまま使っていると、間違った使い方をしているかもしれません。

多くの人が意味をよく理解せずに使っている言葉がけっこうあるので、注意が必要です。

意味を間違えやすい日本語の言葉や言い回しについて、国語科教員免許を持つ ライターのdanngoさんが解説します。

国語科教員免許と漢検準一級を持つ、アラフォーの主婦でライター。二児の母で、子育て関連の記事を書くのが得意です...

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「ご苦労様です」の意味とは?

「ご苦労様です」という言葉は、相手の労をねぎらう気持ちを伝える言葉です。

辞書には、「相手の苦労を敬っていう言葉」「相手の骨折りをねぎらう言葉」などと説明されています。

「苦労」に「ご」がついているので丁寧な印象を与えますが、相手に「苦労をさせた」ということが前提となっている表現となります。

「ご苦労様です」の正しい使い方、例文は?

オフィスミーティングで拍手を送るビジネスマンのクローズアップ
fizkes/gettyimages

「ご苦労様です」という言葉は、目上の人が目下の人の苦労をねぎらうときに使います。

具体的には、以下のように使うといいでしょう。

・山田君、資料室の整理ご苦労様でした。肉体労働をさせて申し訳なかったね。
・新卒の皆さん、慣れない仕事ご苦労様です。もうすぐボーナスだから頑張ってくださいね。

目上の人に使ってもいい?だめ?

「ご苦労様です」は目上の人に使ってはいけない表現です。

目上の人が目下の人を使って苦労をさせたという前提で使われる言葉なので、目上の人に誤って使ってしまうと非常に失礼な印象を与えてしまいます。

同じ会社内で働く上司に対しては、慣習的に「お疲れ様です」という表現が許されています。こちらには苦労をさせたというニュアンスがないので、目上にも目下にも幅広く使えるのです。

ただし外部の人や社長などの重役、年配の人に使うと気分を害されることも。

「ありがとうございます」「お世話になりました」「ご協力感謝します」などの表現も覚えておきましょう。

間違いやすい「ご苦労様です」の誤った使い方

「ご苦労様です」の表現は目下の相手にしか使えません。したがって、以下のような使い方は誤りです。

・部長、大阪への出張ご苦労様でした。うまく話が進んだそうで何よりです。
・先輩、お仕事ご苦労様です。今夜は19時から暑気払いに行くのでしたよね。

目上の人には「お疲れ様です」や「お疲れ様でございました」などの表現を使うといいでしょう。先に紹介したように、ねぎらいの言葉ではなく感謝の言葉を伝えるのも1つの方法ですよ。


みなさんは「ご苦労様です」という言葉を正しく使えていましたか?

世代間で理解度に差があることも多いので、年の離れた人に対して使うときは特に気をつけましょう。

ただ、間違って使われているうちに言葉の意味が少しずつ変わっていく可能性もあります。

正しい意味を理解したうえで、相手が間違って使っているときは柔軟に受け入れるのが大人の対応かもしれませんね。

◆記事を書いたのは・・・ danngo
国語科教員免許と漢検準一級を持つ、アラフォーの 主婦。二児の母で、子育て関連の記事を書くのが得意です。本を読むのが大好きですが、一度読み始めると家事がおろそかになってしまうのが悩み。子どもの遊び相手をすると本気になりすぎて怒られ、家事は手抜きになる一方です。甘いもの、日本の古いものをこよなく愛しています。

 
 

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