料理研究家の食材ぎっしり冷蔵庫。それでも食品ロスを出さないヒミツとは?神メニューも紹介します!

2023/03/26

料理研究家の小林まさみさんと、その義父でアシスタントの小林まさるさん(89歳)のお宅にお邪魔して、冷蔵庫の中を見せてもらいました。職業柄、試作や撮影のために多めに用意した食材がぎっしり。上手に使い切る工夫まで聞いてきました。

PROFILE
料理研究家
小林まさみさん、小林まさるさん
Instagram @kobayashimasami.masaru
YouTube「小林まさる88(はちはち)チャンネル」
家族構成:まさるさん、まさみさん、夫、ラブラドールレトリバーのヴァトン
住まい:東京都在住。撮影スタジオを兼ねた戸建て

略歴:
結婚後に調理師学校に通い、テレビのフードコーディネーターなどを経て料理研究家に。身近な材料を使った作りやすい料理に定評があり、雑誌『サンキュ!』をはじめ、日本テレビ「キユーピー3分クッキング」の講師を務めるなど多方面で活躍。義父・まさるさんは70歳からアシスタントを務め、78歳でシニア料理家としてデビュー。コンビでテレビに出演することも多数。

棚の役割も果たしている出窓。“しまう収納”が基本の小林家で、唯一出しっぱなしにしていいスペース。

料理家のキッチン収納は、実は団地仕様?よく使うからこそ、ざっくりとシンプルに

小林まさみさんが、撮影スタジオや料理教室としても使用しているご自宅のキッチン。たくさんの調理器具を所有しているにもかかわらず、収納スペースは一般家庭とさほど変わりません。それなのにすっきり片付いている秘訣はあるのでしょうか?

「お義父さんだけではなく、他のアシスタントさんも入るので、細かい収納ルールがあるとかえって大変。取り出しやすい場所に、必要なものをざっくりしまっているだけですね。だれが見てもわかる収納になっています」

見えるところに調理器具を掛けたり調味料を並べるほうが作業はラクそうですが、
「掃除が面倒だってお義父さんがいうから、うちはすべてしまっています。だからすっきりはしていますね」

家を建てるときに、キッチンでこだわったポイントは、“今まで通りの動線”と出窓だったといいます。

「料理家になった当初は団地に住んでいました。どこに何があってどう動けばいいか、体が覚えてしまっているんです。同じ流れで作業できるよう、家を建てるときは収納場所が変わらないように設計してもらいました。それとお義父さんのこだわりで、キッチンの出窓は奥行きを広めに。ここにスペースがあることで、ざるやまな板などをちょっと置いておけるので、作業がスムーズなんです」

仕事柄、冷蔵庫は大きめサイズを使用。早く消費するべき物は下段に、使用頻度が低い物は上段に。
冷蔵室にはまさるさんが購入したラーメンと、それに合わせて作り置きしたもやしナムルとゆで卵が!

冷蔵室の保存容器は “見える化”。まさるさんの好物に合わせた作り置きも

料理家さんの冷蔵室らしく、試作や作り置きがいっぱい。保存期間が短い物は中身が見える透明の保存容器を使用し、ひとめで中身がわかるようになっていました。

「一般のご家庭より量が多いのですが、ここでもルールはないんです。早く食べた方がよい物を、手が届く位置に置くことくらいですね。その方がストレスもありません」。

保存容器のひとつを見せていただくと、たっぷりのもやしナムルが!

「職安通りの韓国スーパーに行ったとき購入した立派なアグもやしをゆでて、塩、しょうゆ、砂糖、ごま油であえただけ。お義父さんはラーメンが好きなので、よく買ってくるんですよ。おせちに飽きたら、ラーメンが食べたくなるでしょ(撮影にうかがったのは新年)。たっぷりのせて食べたら絶対においしいから、準備してあるんです(笑)」

肉は部位ごとに分けて、保存袋に入れて冷凍。小分けにしておけば、ちょっと使うときにも便利。

面倒な下ごしらえはなし。肉は部位別小分け冷凍。野菜は蒸してとっておく。

「これから撮影用の食材が届くから、今は空きがあるほう」という野菜室と冷凍室。ここでも収納はざっくりといいますが、食材をむだにすることはないそう。拝見すると、食材が重ならないように保存されていて、ひと目でどこに何があるか分かるようになっていました。

「肉は撮影でちょこちょこ余るので、部位ごとに保存袋に入れて冷凍しちゃいます。肉も野菜も、調理のついでにゆでたり蒸したりしておくと便利。かたまり肉があれば、ゆで鶏やゆで豚にすることが多いです。保存がきくので、麺類やサラダなどちょこちょこ使えます。野菜は、傷んでしまう前に蒸し器に。蒸すのが面倒なら、電子レンジ調理でもOKです。これを作っておけば、副菜を作らなくても野菜が手軽にとれますよ」

あえて味付けをしないほうが、いろいろアレンジもできて使い勝手がよさそう。ゆでるだけ、蒸すだけならハードルが低く、今すぐまねできそうです。

右にある白いBOXが、使いかけの野菜入れ。優先順位高めでまず使い切るのはここ。

使いかけの野菜は、BOXにひとまとめ。朝がパンの日に、特製スープで一気に使い切る

野菜室には、野菜の切れ端や皮などを入れておくためのBOXが!「料理を作るときは、まずはここから使う」をルールにすれば、腐らせることもありません。

「朝食がパンのときは、お義父さんがスープを作ってくれるんです。半端野菜がたっぷり入っていて、すごくおいしいんです。わが家の定番です」
とまさみさん。作り方をまさるさんにうかがいました。

「野菜室を見て、先に使ったほうがいい物を選んで作るの。野菜はなんでもいいんだけど、ベーコンとニンニクはほしいな。野菜はざくぎりでいいよ。最初につぶしたにんにくをオイルで炒めて、ベーコンを炒める。そこに水を入れて、野菜と鶏ガラスープを入れて煮るだけ。味付けは塩、こしょうのみだ。ロシア流に押し麦を入れたり、パスタやそうめんを入れるときもあるよ。酸味が欲しければ、トマトやレモン、酢を入れると、目覚めがよくなるよ!」


ロシアで過ごした経験のあるまさるさんの極上レシピ。詳しい作り方は、まさるさんのYouTubeでも紹介されています。

撮影/大森忠明 取材・文/草野舞友

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