《ひでこの部屋 ゲスト:マシンガンズ滝沢秀一さん》「買うときはちゃんと選び抜こう」

2023/11/30

今月のお客様はなんと、現役バリバリのゴミ清掃員!「捨ての権化」のひでこ先生と、「日本一のゴミ清掃員」を目指すマシンガンズ滝沢さんは対談冒頭から意気投合。いまだかつてない断捨離&ゴミトーク、始まり始まり!

1976年生まれ。1998年に西堀亮とお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成して芸人に。結婚後「芸人だけでは食え...

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断捨離(R)提唱者。1954年、東京生まれ。子育てや介護を経験した後、ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」から...

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芸人として売れる夢を断捨離したら、まさかの唯一無二のゴミ清掃芸人に

ひでこ:滝沢さんは11年前、妻の妊娠を機に、お笑いだけでは生計を立てられないからとゴミ清掃員になられたそうですね。二足のわらじを履くことに抵抗はなかった?
滝沢:最初はお笑い一本で食っていくことへの未練があったので、ゴミ収集の作業がつらくて仕方がなかったですね。でも、このままじゃ自分が一生苦しいだけだと気づいて、どうせやるなら日本一のゴミ清掃員になろう、と決めたんです。
ひでこ:おお、カッコいい!(拍手)
滝沢:まずは、ゴミについて学ぼうと思いました。すると、それまではゴミが分別されていないと腹が立つだけだったのが、「なんで分別しないのだろう?」と疑問に思うようになって。「もしや、分別のルールを知らないのでは?」「だったら、知ってもらおう」と、ゴミの正しい出し方を発信するようになりました。今はゴミ清掃員が本業、芸人は副業と思っています。
ひでこ:「芸人として売れる」という夢への未練を捨てたことで、むしろ今では「ゴミ清掃芸人」という唯一無二の存在に。大切なものを守るために大きな断捨離を経験し、自分に真剣に向き合った人は、その後の人生で素晴らしい価値を手にすることができるのよ。美しい断捨離ね。お見事です。

ゴミからわかる、お金持ちと庶民の違い

滝沢:ゴミは生活の出口だから、ゴミを見るとその人の性格や暮らしぶりがわかる。例えば、お金持ちが住んでいるエリアと庶民が住んでいるエリアではゴミの量も内容も違う。どう違うかわかりますか?
ひでこ:お金持ちのほうがゴミの量は少ないわよね?
滝沢:正解!さすが、ひでこ先生。お金持ちのほうが物をたくさん買っていそうなのに、ゴミの量は少なくて、中身は運動グッズや健康器具など自己投資のための物が目立つ。つまり、明確な目的をもってお金を使っていることがわかります。でも、庶民のゴミは100円ショップの雑貨など、安いけど長持ちしない物が多いんです。
ひでこ:よくわかります。「安かったからなんとなく買う」タイプの人は出費もゴミも多く、お金持ちにはなりにくい。一方、その物がどう役に立つのかをちゃんと考えてから買うのがお金持ち。自分のために選び抜くから買う物は最小限だし、最後まで使い切る。だから、お金が貯まるんです。

物を選び抜く力がつけば人生がうまくいく

滝沢:僕もゴミの研究を続けて、そこに気づいたんです。それで、お金持ちの行動をマネしたら僕もお金持ちになれるはずだと思って(笑)、「なんとなく」買うのをやめました。試しに、なんとなく飲んでいた栄養ドリンクを買わなくなったら、それだけでもかなりの節約に。「買うときはちゃんと選び抜こう」と意識も変わっていきました。
ひでこ:「選び抜く」という意識が生まれると、物だけでなく仕事や人間関係、時間の使い方もきちんと選ぶようになる。すると、ムダが減って、人生がうまく回り始めます。滝沢さんも今年の「THE SECOND ~漫才トーナメント~」にマシンガンズとして出場して準優勝しましたよね。見事だわ。
滝沢:いやぁ~優勝は逃しましたが、それでもうれしかったですね。注目していただく機会が増えたので、本業も副業もますます頑張ります!

「捨てたら終わり」は間違い。捨てたあとのことも考える

ひでこ:私は「何を捨てるか」を、滝沢さんは「どう捨てるか」を発信している。「捨てるアドバイザー」という点では、同じ役割ね。
滝沢:ですよね! 僕も断捨離の考え方にはすごく共感しています。ゴミ清掃員を11年続けて特に感じるのは、断捨離の「断」、つまり、必要以上に入ってくる物を断つことが大切だということ。人間って「おまけ」に弱いから「タダでくれるならもらおう」と思いがちだけど、結局は持て余してしまうことが多いじゃないですか。「せっかくだから」「いつか使うかも」という執着心を捨てて、余計な物は断らないと。
ひでこ:その通り。人間は目の前の物ばかり見ていると、物に振り回されてしまう。そうではなくて、全体を俯瞰することが大事なんです。この物はどこからやってきたのか、捨てたあとはどうなるのか。その流れを考えれば、安易に買ったり捨てたりはできなくなるわ。
滝沢:まさに。世界レベルでは、裕福な国のゴミを貧しい国が処理するという状況が起きています。でも本来は生産者が処理まで請け負うべきで、ヨーロッパの一部では既にそういう動きが生まれています。
ひでこ:日本の社会も変わっていかないと。よく「買い物は投票」というけれど、買うときはゴミ問題にきちんと取り組んでいる企業の物を選ぶのも、消費者にできることのひとつですね。今日の滝沢さんのお話は私にとってもいい刺激になりました。今度一緒に何かをしたいわね。
滝沢:はい!ひでこ先生についていきます!

『お笑い一本で生きる道を捨てたから、芸人人生を捨てずに済んだ。大切なものを守るための断捨離は美しい。――ひでこ』

『渋々始めたゴミ収集の仕事が多くのことを教えてくれた。今の夢は、日本一のゴミ清掃員になること。――秀一』

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<教えてくれた人>
・やましたひでこさん
断捨離(R)提唱者。1954年、東京生まれ。子育てや介護を経験した後、ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」から着想を得た「断捨離」理論を構築。BS朝日『ウチ、“断捨離”しました!』(毎週火曜夜9時)にレギュラー出演中。

・ゴミ清掃員・芸人マシンガンズ 滝沢秀一さん
ゴミ清掃員、お笑い芸人。1976年、東京生まれ。1998年、お笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。2012年、生計を立てるためにゴミ収集作業員に。マシンガンズとしては2023年、「THE SECOND ~漫才トーナメント~」で準優勝。ホラーサスペンス小説『かごめかごめ』(双葉社)好評発売中。

参照:『サンキュ!』2023年12月号「断捨離(R)トーク ひでこの部屋」より。掲載している情報は2023年10月現在のものです。撮影/久富健太郎  ヘア・メイク/ Hachi  取材・文/志村香織 編集/サンキュ!編集部

 
 

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