「夫が元カノと連絡を……」これは浮気になる?考えられる危機と回避方法を解説
2024/01/23
パートナーが元恋人と連絡を取っている……これは浮気になる?あるいは、そこから浮気に発展する可能性があるのでしょうか?
「恋人・夫婦仲相談所」の所長である三松真由美さんに解説してもらいました。
- 「幅」のある関係性が好まれるSNS時代の浮気
- 浮気相手が匂わせ投稿をする理由は?
- 元カレからの“いいね”に応じると一気に関係性が動き出す?
- SNS時代の浮気にはSNSで対抗するのもひとつの手だけど……
「幅」のある関係性が好まれるSNS時代の浮気
先日、私の主宰する「恋人・夫婦仲相談所」に、浮気とSNSに関する2つのご相談がありました。
■相談1
最近、夫が浮気相手とインスタでつながっています。お互いをフォローしあっていて、コメントには頻繁にハートマークがついています。夫は「別にお互いの投稿にコメントするのは普通だよ」としらを切りますが、よく見ると夫がよく行く店に似た写真や、夫と同じブランドの時計、同じサプリなどが、相手のストーリーズにさらりと投稿されていたりします。こんな、堂々とした匂わせ投稿をしてくるような女は、浮気相手と判定していいですよね?
■相談2
私は結婚して2年目です。共働きの夫は飲食業なのですが、人手不足もあって超多忙。ここ3カ月ほどは、ほとんど会話もないすれ違い生活です。そんな寂しい私のインスタのストーリーズに、最近、元カレが必ず「いいね」をつけてきます。元カレとは、彼の浮気が発覚して私からサヨナラをしました。多分、私が既婚者であることは知らないと思います。私に「いいね」をしてくる元カレは、私とヨリを戻したいんでしょうか?今は寂しいのでそれでもいいかと思っています。
浮気におけるSNSの在り方は時代とともに変わっていきます。
少し前は「LINEのID教えて?」がナンパの定番でしたが、いまはLINEではなく、まずはインスタのフォローからつながるのが定番です。
LINEは基本的に1対1でのメッセージのやり取りですから、つながるだけでなくその関係をどういう方向に持っていけるかが重要です。
どんな話題をどんなタイミングで振るのがいいのか?既読をつけるのかつけないのか?つけるタイミングはいつがいいのか?返信はどう返すのか?どのようなスタンプが好印象なのか?などなど。
関係性を盛り上げていくには、ある程度計算された対応が必要です。そんな駆け引きが面倒で、せっかくつながったものの、気持ちが萎えてしまうケースもよく耳にしました。
一方でインスタはDMもありますが、ただ投稿を見たり、「いいね」をしたり、短いコメントをしたりするだけといった、より気軽で緩やかなツールです。
「見るだけ」から「DM」まで、関係性の作り方に「幅」ができるため、異性とのコミュニケーションが得意でない人も使いやすい、という声が聞かれます。
浮気相手が匂わせ投稿をする理由は?
冒頭にご紹介した1つ目のご相談の場合は、コメント欄で親密さがうかがえ、相手が投稿した写真でも時間や空間、ものや情報を相談者の夫さんと共有していることが見て取れるという状況。
相手の女性は、自分のフォロワーであるご相談者の夫さんを通じて、妻が自分の投稿を見られる状態であることをわかっているはず。それでも匂わせ写真を堂々と載せるのは、妻への遠慮を全く感じていないからです。
その心理としては
「ご相談者の夫さんに全く関心がないので、そちらの家庭が揉めても気にしない」波風立てたいだけ系女性。
あるいは
「ご相談者の夫さんの心をしっかり掴んでいることをその妻にアピールすることで、マウントを取ってきている」モテ合戦大好き系女性。
ただ、これだけでは実際に浮気をしているかどうかは断定不能です。
もしマウント系だとすると、浮気相手のこれみよがしの投稿を止めさせない夫さん自身も、相手にのめりこんでいると考えることができそうです。
この浮気を風邪に例えれば、つらくて会社を休んで寝込んでしまう転機となる「発熱」の一歩前レベルと言えるでしょうか。
元カレからの“いいね”に応じると一気に関係性が動き出す?
一方で、2つ目のご相談の場合。「いいね」だけで特にコメントを伴わない場合は、まだそこに相手への恋愛感情があるとは言えません。「いいね」は「見ました」という意味として儀礼的に使われる場合もあり、人によって使い方がバラバラです。少なくとも、元カレさんは相談者さんの投稿をわざわざ見に来ているわけなので、「関心がある」ことは間違いないでしょう。
もし相談者さんから、元カレのインスタのほうにコメントをつけるなどアプローチをしかけたりDMを投げたりすると、一気に関係性が変化する可能性があります。
男性は元カノからのアプローチに結構「弱い」のです。
2022年にWEBメディアOggi.jpが、20~39歳の日本全国の男性110名(未回答含む)を対象に行った「元カノからの連絡」に関するアンケート調査(https://oggi.jp/6879053)の中で「元カノから連絡がきたことがある?」と質問したところ、
はい … 24.8%
いいえ… 75.2%
という結果が出ました。元カノから元カレへの連絡があったのは約4人に1人。
続いて、「元カノからの連絡は嬉しい?」と質問したところ、
嬉しかった … 62.2%
嬉しくなかった… 24.3%
その他 … 13.5%
という結果を示し、6割超が元カノから連絡が来たことに、ウキウキしていることが判明しました。元カノから元カレに連絡が入ることはあまり多くありませんが、いったん入ると元カレのほうは「好反応」を示す割合が高いことがわかります。
一般的に、ひとつの恋が終わると男性は『名前をつけて保存』、女性は『上書き保存』すると言われます。
男性は元カノの思い出を、上書きせずに大事に取っておく生き物。そしてプライドが高く、傷つきやすいガラスのハートを持っています。何度振られても鉄メンタルで好きな子に突進していくようなタイプの男性は漫画の中だけ。現実には、傷つくことを恐れて、たとえ元カノに未練があっても自分からは連絡ができないでいるのが多くの男性の姿です。
2つめの相談に出てきた「元カレ」のように、元カノのインスタにこっそり「いいね」をしているのは、「あなたに関心がありますよ」というサイン。それに対してこちらからDMを送るなどアプローチをかければ、「関係性が一気に動き出す」というわけです。
SNS時代の浮気にはSNSで対抗するのもひとつの手だけど……
このように、かつての電話、メール、LINEといった直接的に相手に気持ちを伝えるメディアと、インスタのようにやや間接的に気持ちを伝えるメディアでは、浮気の進行の仕方が異なります。
浮気を見つけたり見張ったりする場合も「1対1でどんなやり取りをしているのか」だけではなく、投稿やコメント、リアクションの意味するところを深追いして目を配っていかねば見落とします。
そして、1つ目のご相談のように、浮気相手の行動が気になるなら、あえて自分から浮気相手(仮)をフォローしてみるのも対策のひとつです。さらに相手の投稿にあえて「いいね」をつけてリアクションをすることで「私もちゃんと見てますから……」という圧をかけることもできます。あるいは自分のインスタに、夫とのお出かけシーンなど「妻アピール」投稿をして、浮気相手にプレッシャーをかけることだって可能なはず。
対抗措置でもSNSの特性を、大いに活かせる時代です。
しかし、浮気を心配して見張ったり、対抗措置を編み出したり、そんなことをする前にもっと2人の信頼関係を分厚くする修行をするのが一番的確ですね。SNSひとつで壊れてしまう結婚生活がいかに多いことか。そんな危うい関係性を一度見直してみてください。
◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。