【夫婦の付き合い方】料理家上田淳子さんの相棒プロジェクトーー『面倒な妻』『厄介な夫』にならないために

2023/07/29

『サンキュ!』でもおなじみの料理研究家上田淳子さんは双子の男子の母。26歳になった息子君たちが最近、ほぼ同時に巣立ちました。再びの夫婦2人暮らし。寄りかかり過ぎず、でも2人で楽しく生きていきたい。その理想形は、夫と妻でも、パパとママでもない、「相棒」という新たな関係でした。

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<PROFILE.>
うえだ じゅんこ:神戸市生まれ。スイスやフランスで修業後、料理研究家に。自宅で料理教室を主宰するほか、雑誌やテレビ、広告などで活躍。近著に『今さら、再びの夫婦二人暮らし』(オレンジページ)。現在は4歳年上の夫と2人暮らし。結婚28年目。

気付けば夫と2人きり。子どもという軸がなくなった私たち、これからどう生きていく?

社会人の息子2人はそれぞれ一人暮らしをスタート。会社員の夫は定年後も働いているものの、以前より在宅時間が増え、夫婦2人の暮らしが26年ぶりに始まりました。「夫婦2人といっても、結婚直後の夫婦とは明らかに違うでしょ(笑)。当初は戸惑い、この新ユニット?に慣れるのに1年近くかかりました」。とはいえ、お互い子育ては卒業。仕事をしつつも好きなことができる貴重な時期です。「これからはお互いの気配を感じつつも、自由で対等な関係になりたいね……となんとなく夫婦で擦り合わせてたどり着いた理想の関係性が『相棒』という形でした」。

食卓の会話。「今さら話すことなんかない」と思っていたけれど

「取り立てて話すことなんかありませんよ。高尚な議論なんかもしないしね」と笑う上田さん。食卓での話題は、トマトが安かったことや天気のことなど、たわいもない話です。今さら向かい合うのは気まずいし、かといって横並びは味気ない、とL字型に座るのも今のスタイル。そして食卓にはメニュー名もない「名もなきごはん」が。

上田家のある日の「名もなき夕ごはん」

■ 炒め豚肉の葉っぱ巻き
豚肉を少量の油で炒め、ありあわせの葉っぱ(この日は貝割れ菜、青じそ、レタス)で巻いて食べる。味つけはキムチ。セルフでそれぞれ好きにいただく。

■ トマトと卵を炒めたやつ
冷やしトマトをあまり食べない夫。そこで切ったトマトを卵と炒めて一品に。どう調理すれば夫はどれくらい食べるか、長年の功でだいたい把握している。

■ きゅうりとかにかまとわかめの酢の物
残ったかに風味かまぼこで、ちゃちゃっと酢の物に。いつも夕食は加熱と非加熱の料理、合計3品ほど。これだけあると料理をネタに会話が少し広がる。

あえて見ないし、干渉もしない。それぞれが勝手に過ごす時間をつくる

ランニング好きの夫に対し、散歩がてら買い物するのが楽しい上田さん。趣味もペースも違うから、一緒の行動は少ないといいます。「出かける夫に、どこに行くのか、誰と一緒かなどは尋ねません。だって私が干渉したら同じように干渉されて窮屈になるでしょ?」。

夫のひとり時間
妻のひとり時間

晩酌を楽しくするコツは、つまみを小さな皿に盛りつけること

以前は「家庭の食卓で豆皿なんて使う?」と思っていた上田さん。でも最近、晩酌シーンで小皿と豆皿が大活躍。「小皿に豆腐を移して搾菜をのっけるとか、豆皿にナッツを入れるだけで居酒屋風になってワクワクする。居酒屋ごっこ、実は夫も結構うれしそう」。

たとえ30年弱連れ添っても、口に出さなきゃ伝わらない

しみじみ実感するのは、四半世紀以上連れ添っても、「あうんの呼吸」などないという現実(笑)。「察してくれないことにイライラするのはやめました。夫は玄関にゴミがあってもまたいで出かけちゃうような人なので、やってほしいことは具体的に何度でも言います」。

歳を重ねた私には、同じく歳を重ねたこの人がちょうどいい

「歳をとってくると、人の気配を感じる暮らしをありがたく感じます」と上田さん。別に夫ではなく友人でも姉妹でもいいけれど、いつもいる誰かの存在が安心、とも。「老いてきた私には、同じく老いてきた夫との慣れた暮らしが結局一番心地いい、って気づきました」。

参照:『サンキュ!』2023年8月号「子どもが巣立ったあとの夫婦の暮らしどう変わる?」より。掲載している情報は2023年6月現在のものです。撮影/木村文平 取材・文/宇野津暢子 編集/サンキュ!編集部

 
 

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