夫に「抱かれる妻」になるためにするべきコトとは?

2018/10/30

「夫がしてくれない」とセックスレスに悩む妻は少なくありません。その理由はさまざまですが、ひとつ確実にいえるのは、嘆いているだけでは事態は変わらないということ。夫婦関係のスペシャリストである「恋人・夫婦仲相談所」の所長・三松真由美さんに、「夫がしてくれない」ときに妻がとるべき対策について教えてもらいます。

会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、We...

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いまだ一般的ではない「妻からの誘い」

武将を好きな歴女主婦もいることと思います。歴史に興味がなくても家康、秀吉、信長の性格を端的に表すホトトギスについての3つの句はご存じでしょう。雑学レベルでお読みください。

家康「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」
秀吉「鳴かな鳴かせてみようホトトギス」
信長「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」

これをセックスレスに悩む妻の声に変換すると、以下のようになります。

妻1「しないならするまで待とうセックスレス」
妻2「しないならさせてみせようセックスレス」
妻3「しないなら離婚するわよセックスレス」

日本の妻たちは圧倒的に1番派が多いです。「セックスしたい」「抱いてほしい」という性欲求を言い出すのは恥ずかしい……古くからそんな女性が奥ゆかしくてよいとされてきました。子どもの欲しい妻世代が妊娠目的のためにセックス希望を言葉にすることはあっても、それはあくまで「子づくり」という目的達成のための声。妊娠希望を除いて、妻側からの「セックスしよう」発信は、いまだ一般的ではないのが実情です。

「え、女性もしたいものなの?」夫たちの残酷な言葉

もちろん、原因は妻側だけにあるわけではありません。仮に勇気を出して言ってみたとしましょう。「ねえ……久しぶりに……」と。しかし、夫はいつもの調子で「疲れてる」「眠いから」と背中をクルリと向けてしまう。このやり取りが3回続くと、妻の気持ちは折れます。

夫の反応が「疲れてるからまたな」ならまだましなほうです。私が運営する「恋人・夫婦仲相談所」に来られる、“拒まれている妻”たちに聞きますと、酷い言葉を投げつけられるケースも多々あるようです。

「女のほうからそれ言われると引いちゃうんだよ」
「え、女性もしたいものなの?」
「お前、淫乱か。みっともない」
「子どもがいるのにそんなことできない」
「そんなにしたいなら外でしてくれ」
etc……

皆さん、心ない言葉に傷つけられています。その場は明るく「だよね!」と笑ってごまかす方もいますが、内心はズタボロです。

結果、妻たちは上の句にある1番の心境となり、「いつか抱き合える日まで待とう」「私がきれいにしていれば、してくれる日が来るかも」と考えるようになってしまうのです。やがて半年、1年と経過するうちにしない状況に慣れてしまうと「しないのが普通」という思考になります。

「最近、夫が誘ってくれないな」と思ったらすぐ対策を!

「しないのが普通」になっても、残念ながら性的欲求が消えてなくなるわけではありません。表面に出ないだけでくすぶり続け、何かをきっかけにムクムク湧き上がることもあるでしょう。あるいは性的衝動ではなく、女性として求められたい承認欲求が溢れてくることもあるかもしれません。美しくいうなら「抱き合って夫婦の絆を強めたい」気持ちで頭がいっぱいになります。

しかし、セックスレスのまま長年経過している夫婦が、異性として触れ合う関係にカムバックするのは困難。なので私は、「最近、夫が誘ってくれないな」と気づいた時点で早めに手を打つことをおすすめしています。

理由別に解説!「夫がしてくれない」妻がいまするべきコト

筆者の取材経験を通じてわかった、夫が「してくれない」理由で特に多いのは以下の5つです。

理由1:エロチックな気分にコンバージョンできない
理由2:妻が「お母さん」に見えて性の対象ではない
理由3:元々夫の性欲が少ない
理由4:マンネリ化でセックスがつまらない
理由5:ED気味でSEXに自信がない

どれか1つが原因のこともありますし、複数の原因が重なり合ってセックスレスに陥っているケースもあります。妻は、まず「夫がしてくれない」原因を見極めましょう。そのうえで、一つ一つセックスレスの芽を摘んでいくのです。

なお、それぞれの理由に関する詳しい解説は以下の記事『「疲れてるから」はウソ!あなたの夫が「してくれない」本当の理由』でご紹介していますので、合わせてお読みください。

では、ここから「してくれない」夫に対して妻が取るべき対策を具体的に解説していきましょう。

対策1:あえて大人しか楽しめない空間をつくる(or移動する)

上で挙げた「理由1:エロチックな気分にコンバージョンできない」への対策がコレです。

子どもがいる家庭では、当然子ども中心の生活になりがちで、夫婦の話題もほとんどが子どものことになります。しかし、ファミリーとしての場と、夫婦の場を意識して切り離さないとエロチックな感情は引っ込んだままになります。

そこで提案したいのが、ひと月あるいはふた月に1回くらいのペースで、夫婦だけの大人の時間を持つこと。大人しか行ってはいけない場所にあえて行くことなどを企画するのです。例えば2人で官能映画や動画を観る、あるいはそういったコミックに触れるなど、脳の刺激も必須です。

対策2:艶っぽい女性を探してお手本にし、視覚に訴える

理由2の「妻が「お母さん」に見えて性の対象ではない」は、ハッキリ言って男性のわがままに過ぎません。妊娠も出産も産後の育児も、やるべきことが多くて大変なので母親スタイルマックスになるのは仕方のないこと。「子どもがいちばんかわいい」という母性も押さえつけることはできません。それなのに「もう女性として見ることができない」なんて、失礼極まりない!

しかし、妻はそれを自覚したうえで、悔しいけれど自分が折れて、たまに”女性”を演出するしかないでしょう。演出する際はまず模倣から始めます。艶っぽい女性(タレントでもよし)を3人くらい見つけて、艶っぽい部分をまねしてみるのです。

うなじにかかる髪の毛かもしれないし、チラ見せの服かもしれないし、さりげない笑顔かもしれません。この対策は、理由3「元々夫の性欲が少ない」の解消にも通じるもので、とにかくビジュアルで夫のスイッチを入れるのです。

そして子どもに向ける笑顔とスキンシップを、夫に仕掛けてみる。「パパ&ママ」を忘れるシーンを自ら作り出すしかありません。もちろん「パパー」「とうちゃん」と呼んではいけないのです。子ども抜きのときは名前で呼び合う。とことん夫を異性として扱うことを心掛けましょう。

対策3:今までのセックスで“変えること”はないかを考える

男性のわがままと、面倒くさがり屋な性格を理解しましょう。理由4で挙げた「マンネリ化でセックスがつまらない」ですが、残念ながら夫のほうからマンネリ化の防止に取り組むことはまずありません。

だからといって、妻がいきなり変化球を投げると夫は引いてしまうので、少しずつ変えていきましょう。例えばカーテンを変える、照明を変える、衣服を変える、シーツを変える、場所を変える、順序を変える、体位を変える……細かく考えていけば“変えること”は100個以上あります。クイズだと思って自分で探し出してください。

夫がEDに悩んでいるなら生活スタイルを見直す

今や成人男性の4人に1人がEDといわれる時代。30代ならまだ大丈夫と甘く考えてはいけません。EDは心因性(ストレスやプレッシャーが原因)が多いのです。

陰茎硬度に自信がないと男性はセクシャルな行為を避けるようになります。軽い「チュ!」や「ムギュッ」レベルのハグはしますが、セクシースイッチがオンになりそうな情熱的なスキンシップは決してしません。それより先に進むのはまずい、とストッパーがかかってしまうのです。そしてセックスレスに突入……。

若い世代のEDなら、おうちを癒やしの場にするなど夫のストレスを軽減するような接し方を心掛けましょう。アラフォー世代になってくると、必要になるのは生活習慣の見直し。食事・運動は妻が主導権を握る領域です。おなかプヨプヨ、汗っかき……夫がこれらの傾向を帯びてきたらEDになる危険性が大。予防をこっそり開始しましょう。

ただし、「病院に行って」「薬を飲んで」は、夫を傷つけるのでNGワード。ED対策に関してはそれだけで1本の記事になりますので、あらためてお伝えできればと思います。ちなみに「妻だけED」というこれまたわがままなEDもありますので。

セックスレス改善はベッドの上だけではできない

冒頭のホトトギスの句のたとえに戻りますと、2番の「鳴かせてみよう」を受け入れられる夫なら妻は努力のしがいがあります。ただ「私の欲求を満たすため」「私を女性として見てほしいため」があからさまだと引いてしまいます。妻の気持ちを察して受け入れてくれる夫……そうなってもらうためには、日々どれだけ愛情を与えているかにかかっています。

平等やフィフティフィフティを振りかざさず、惜しみなく夫を大事にする。「それじゃあ妻側が損じゃん!」とふてくされることなかれ。必ず愛は戻ってきます。セックスレス改善は、ベッドの上だけではできません。成功させるための妻のミッションは小さなことの積み重ね。まず日常的な愛あるアプローチが大切なのです。

もし、それでもそっぽを向く夫であれば、3番の「離婚」を決行する準備を始めてもいいかもしれません。「夫がセックスしてくれない」は、夫婦生活におけるあらゆる「してくれない」不満の起動スイッチになります。解消しない限り、永遠に「夫は○○してくれない」とブツブツ言うことになりますので要注意。

◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。

参考資料

 
 

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