あなたの夫が、なかなか家に帰ってこない本当の理由
2024/08/13
不倫をしているわけでもなく、妻に言えない趣味があるわけでもないのに、なかなか家に帰ってこない夫。なぜ彼らは帰らないのか?その理由を「恋人・夫婦仲相談所」の所長である三松真由美さんに解説してもらいます。
再び増えてきた「おひとリーマン」たち
かつて私は「おひとリーマン」についてご紹介したことがありますが、なぜ夫たちは自宅に戻りたくないと思うのか。改めて既婚男性に聞き込みをしたところ、その主な原因が妻にあることが見えてきました。
今、夫たちが家に帰りたくなくなる妻はどんな妻なのか?その姿の一端をご紹介しましょう。
ケース1.コロナ後も戻らない家事分担
最近の会社員が口々に言うのは「久々の通勤が辛い」という嘆き。長い人では2020年4月の最初の緊急事態宣言から数年間の在宅勤務の日々でしたから、以前は当たり前だった「満員電車で通勤」という生活に、なかなか身体が慣れないようです。
「在宅勤務だったら始業10分前まで寝ていられたのに……」
「久々に駅の階段のダッシュと通勤ラッシュで、酸欠でぶっ倒れそうになった」
など、通勤による体力消耗がつらいようです。
それに加えて、彼らが嘆くのが「家事分担」。コロナ中の在宅勤務時は通勤時間がなかったため、コロナ前よりも家族と過ごす時間が増えた方が多かったのですが、それに伴い「家事分担」も増えた方が多くいました。
「コロナ中は、接客業でコロナ禍でも出勤だった妻の代わりに週5日在宅勤務の僕が子供のお迎えや夕方の買い物を担当していました。5類に変更以降、僕の在宅勤務はなくなったのに、相変わらず4歳娘の保育園のお迎えやその後の買い物は僕の担当のままなんです。毎日定時に会社を出て駅までダッシュしてお迎えに行くのは正直しんどいですよ。買い物も、娘があれ買えこれ買えでぐずるので、イライラします。
最近はそれが嫌で、いろんな言い訳をして帰宅時間を遅らせ、『お迎えに行けない自分』をアピールしています。妻はもちろんそれが不満で、最近夫婦仲がマジ険悪です」
この方の場合、働き方がコロナ前に戻ったのに、家事分担が元に戻らないことが、帰宅拒否の原因でした。
ケース2.年収ハラスメントと節約圧力
値上げラッシュが庶民の家計を直撃しています。家計を守る主婦としては値上げラッシュの中での苦労が続く中、どうしても夫に厳しく当たるシーンが増えているようです。子育て中で育休妻を持つ夫のお話。
「“大手企業の夏のボーナスアップ”などのニュースを見ると、露骨に嫁の顔が険しくなります。私の働く中小企業ではコロナ禍による業績不振からまだ抜け出せず、今年もボーナスは無し。働き方改革で残業もできないので、手取りも減る一方です。
嫁からは『やっぱ、結婚する人を間違えたかな。友達の旦那さんは大手IT企業で、『夫のボーナス出たから例の個室フレンチに行かない?』とか誘われたけど、あなたの給料じゃ8,000円のランチなんて一生行けないわ。稼げるようになってほしいけど、転職も無理よね。技術ないもん』など、ボロクソに言われます。
最近は家にいると『電気代が高いからエアコンを弱くしろ』と怒られます。だから家にいるより、涼しいファーストフード店でドリンクでまったり過ごす方が数倍楽しいです。この前は、明るいのに洗面所で電気をつけたってチクチク言われました。髭剃りくらい明るいところでさせてくれ」
この方の場合は、夫の収入に対する妻のハラスメントや節約プレッシャーが帰宅拒否の原因でした。
ケース3.スマホ依存の承認欲求モンスター
各種動画配信サービスの利用やLINE、Twitter、Instagram、TikTokといった各種SNSの利用は、いまや私たちの日々の生活になくてはならないものになってきています。
しかし、なかには“SNS依存”、“スマホ依存”と言われるレベルになっているケースも少なくないようです。
「俺が家に帰りたくない理由は、ズバリ妻がスマホばかり見ていて会話がないから。コロナ禍で外出がままならなかった頃は、話題の海外ドラマを毎日一緒に見て楽しんでいました。その頃から、料理しながらスマホで動画、食事中もPCで動画という時があったので、『食事中は動画観るのをやめて、もっと話をしようよ』と言ったら、いきなり妻にキレられました。
『じゃあ、動画見る時間をほかで確保しないといけないから、家事の時間を削る。家の掃除はあなたがやってね』と堂々と言い放たれてあきれ返りましたね。
しょうがないからロボット掃除機を買いましたよ。なんで妻の動画鑑賞時間を確保するために俺が掃除しなきゃいけないのかわかんないし。
妻がそこまで動画にはまっているのは、単に面白いコンテンツが多いからというだけではなく、承認欲求もあるんです。
妻はSNSで海外ドラマ好きな仲間とつるんでいて、『第〇話まで見た』とか『主演の〇君がデビュー時に端役で出ていた〇〇というドラマを見た』とか、頻繁にやり取りをしています。その中で自分が『海外ドラママニア』としてみんなに驚かれたり、褒められたりすることが生きがいになっているようです。
その承認欲求を満たすために、妻はいろんな海外ドラマを風呂の中でもベッドでも、ひたすらスマホで見ています。『倍速で見ててホントに中身わかってる?』って突っ込みたいですが、とにかく『私、それ知ってる。もう見たわ』って仲間にマウントとりたいようです。
なんか、夫婦で会話しようとしていた自分がバカみたいで、掃除はロボット掃除機がやるし、俺は必要とされてないのでなるべく家には遅く帰るようにしています」
この方の場合は、妻が陥った動画コンテンツ依存とSNS依存が帰宅拒否の原因でした。
今回のヒアリングでは、「家事分担」「年収ハラスメント」「SNS依存」などの理由が明らかになりました。今回のケースに「自分も少し当てはまるかも……」と思ったならば、パートナーが帰宅拒否症になる前に、2人でとゆっくり話をする機会を家の中で作ってみることをお勧めします。