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自分だけでなく娘まで被害に……実録!悪質「モラハラ夫」への一発逆転リベンジ

2023/08/26

外に対してはいい夫の仮面をかぶっていても、家に帰れば妻や子どもに暴言を吐き、王様のようにふるまうモラハラ夫。そんな夫に苦しめられていた妻の一発逆転リベンジ劇を、「恋人・夫婦仲相談所」の所長である三松真由美さんに紹介してもらいました。

会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、We...

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ふだんから妻を無能扱いする夫、娘も父の顔色をうかがう日々……

麻帆さん(33歳 仮名)は夫と3歳の娘のミチルちゃん(仮名)、1歳のマンチカンの子猫「ココア」と一緒に暮らしています。夫は東大を卒業し、大手コンサル会社に勤務するいわゆるハイスペック系で、夫の父もお爺さんも東大卒の家柄。

そんな夫は普通の女子大卒の麻帆さんのことを、

「君のレベルじゃ話してもわからないから、聞かなくていいよ」
「東大生なら、このぐらいは当たり前なんだけど、まあ、仕方ないか……」

と馬鹿にするのが口癖です。麻帆さんは、カチンと来るたびに「モラハラ鬼夫」と腹の底で悪態をついていました。

最高学歴が自慢の夫は、一人娘に対しても早期教育に大変熱心で、1歳から幼児教室に通わせています。

「知っているか?脳の神経細胞をつなぐシナプスは1歳前後に最も増えるんだ」
「人間の脳は5歳までに85%程度まで発達する。だから5歳までが勝負なんだよ」

と、夫自身が自宅でもフラッシュカードや知育パズル、折り紙などを使って、熱心に娘に教えています。

娘がうまく教材を解いていると

「ミチルもパパの遺伝子を持っているんだから、絶対東大に行ける」
「ママに似なくてよかったな」

と麻帆さんをディスりながらもご機嫌ですが、娘が間違えたり、失敗をしたりすると、急に顔色を変えます。

「こんな簡単なのができないなんて、頭が悪いのかな」
「これができないようじゃ、うちの子じゃないな」

と娘の人格を否定し、傷つけるような言いまわしで叱ります。怒られた娘は「ごめんなさい。次はパパを怒らせないようにがんばります」と泣いてしまいます。

外面がいい夫に周囲の人々も騙され、聞く耳を持たない

アジア人男性は、スキンケアや髭剃りの後に肌に触れることで悩んでいます。これは男性のスキンケアのイメージです
hikastock/gettyimages

夫の態度は、娘の発達にとってプラスどころかマイナスになっていると感じた麻帆さんが「あなたの叱り方はよくない」と声を上げようものなら

「麻帆の低レベルな遺伝子が入っているから、この子が苦労しているんだよ」
「君だって、この子にいい大学に入って豊かな人生を送ってもらいたいだろう。父として手助けしているのに君はその足を引っ張るのか。母親としてどうなの?」

と、暴言の矛先は麻帆さんに向きます。

そういわれてしまうと麻帆さんも反論できず黙り込むしかありません。泣きながら知育パズルに取り組む娘の背中をそっと撫でてあげることしかできず、はがゆい思いをしています。

「このままでは絶対に娘は壊れてしまう」と案じる麻帆さんは、幼児教室の先生に相談もしてみたそうです。しかしモラハラ夫の外面の良さに騙されている先生は「たまには少し厳しい言葉をかけることもあるのかもしれませんが、あんなにやさしいお父さんなら心配いりませんよ」

と、信じてくれません。

どうしたら、夫の本当の姿をみんなに知ってもらうことができるだろう……。夫を一番強く叱ってくれる夫の父になんとかこの状況を伝えたい。

麻帆さんがひらめいたアイデアは、猫好きの義父母にアピールする方法でした。

ついにバレた夫の悪質なモラハラに義父は激怒

麻帆さんがそのアイデアを決行したのはゴールデンウイーク。3歳の初孫を目に入れても痛くない程かわいがっている夫の実家に、親子3人で帰省した時でした。

「あら、今回はココアちゃんを連れてこなかったの?」

と、猫好きの義母が、早速麻帆さんに尋ねてきました。

「ココアは車酔いがひどいのと今回は1泊だけですし、家に置いてきました。餌も十分置いてきましたし、大丈夫です。一応、2カ月前に使い始めたペット用見守りカメラがあるので、留守宅のココアの様子もスマホで見ることができるから安心ですよ」
「あら、便利ねえ。今の様子を見られるの?」
「ほらこうやって、スマホで操作するとカメラが動いて、室内を自由に見ることができます」
「まあ、すごいわね。ほんとだわ、ココアちゃんお昼寝している。かわいい」
「このカメラ、録画もできるんです。動いている様子を録ったのがありますから見てみます?」
「ええ、ぜひ見たいわー。マンチカンはやっぱり動いているところがかわいいのよね。ほら、あなたもココアちゃんを見てみましょうよ」

義父母がそろったところで麻帆さんはスマホを操作して過去の録画を探し出し、スマホのボリュームを最大にしました。

「こんなのができないなんて、ミチルはダメな子だな」

いきなり動画から夫の大声が部屋に響き渡ります。画面にはパズルが制限時間内にできなくて泣いている娘と、後ろに立って鬼の形相で娘を叱る夫の姿が映っています。

「こんな子はパパの子じゃない。もうどこかに行っちゃえ」
「パパ、ごめんなさい。できなくてごめんなさい。怒らせてごめんなさい」

と泣きながら謝る娘。

録画されていたのはマンチカンのココアではなく、真帆さんがこっそり撮影した夫と娘の様子だったのです。

「こ、これは……」と顔面蒼白になる夫。そして、映し出された孫娘への暴言シーンに、こちらは顔面紅潮で立ち上がった義父。

「おい!これはどういうことだ。説明してみろ」

父親に怒鳴りつけられてうろたえ、思わず麻帆さんを見る夫に、麻帆さんはにっこりと勝者のほほえみを投げ返しながら、心の中で「ざまあみろ。モラハラ鬼夫」と叫んだのでした。

その後、義父母の命令で、麻帆さんの娘への早期教育は禁止。夫の娘や麻帆さんへの暴言もかなり減ってきたそうです。

麻帆さんによれば「義父からは『あいつが孫に暴言を吐くようなことがあったら、いつでも私に知らせなさい』と言われています。またひどい言動があったら即行で義実家に通報します」とのことで、ペットカメラのリベンジは効果絶大だったようです。

【専門家アドバイス】モラハラ夫は阻止すべきだが、自身のメンタルも大事に

妻だけでなく、家族にもモラハラ言動をする夫の場合、なんとしてでも阻止しなければなりません。家庭内の出来事は外部のひとに相談しても伝わらないことが多いものです。

一歩踏み込んで警告してくれる親族に頼ったのは功を奏したと思います。親族があてにできないときは、まず自分の心がこわれないようメンタル相談できる病院や専門機関を探してください。

自分の気持ちが落ちてしまうと、改善策を考える力もなくなりモラハラが慢性化してしまいます。「夫はモラハラ気質」と気づいたら、まず自分に耐えられるメンタルがあるかを確認し、このままだとまずいと気づいたらすぐに行動を起こしてください。


◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。

三松真由美さん最新刊「夫とだけ、感じません」発売中

出典:Amazon

 
 

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