50代で終了!?夜の営みは何歳まで続ける?続けられる?
2019/11/09
夫婦の“夜の営み”。まったくないセックスレスの状態も問題ですが、一方で頻度が多すぎるのも(どちらかが望んでいない場合は)問題だったります。今回は、「夜の営みは何歳まで続けるべきか?」というテーマについて、「恋人・夫婦仲相談所」の所長である三松真由美さんに解説してもらいます。
夜の営みのゴールはどこにあるのか?
男性の皆さんに問います。駅の売店やコンビニの棚に並ぶ週刊誌に「死ぬまでセックス」といった文字が踊る昨今ですが、本音はどうでしょうか?
「あり得ない。妻とはマジ無理」
「というか今ですら何年もしてないのに意味がわからん」
「義務でなんとかしているけどそろそろ卒業させてくれ」
「妻じゃない人となら、ずっとしたいかも……」
夫婦間の営みを一生続けるなど無理!という動揺の声が筆者には想像できます。あるいは自分その気だが妻が断固として応えてくれない悩む人、逆に妻から求められるがお役目御免したい……と言う人もいるでしょう。
すでにセックスレスになっている夫婦には「何歳まで続けるか」など意味がない問いかけです。ただ、セックスレスに悩んでいる夫か妻、セックスレスではないがそろそろ終わりにしたい夫か妻にとっては、ゴール地点を知ることには意味があります。
だから、「夫婦間の夜の営みは何歳までするべきですか?」という問いに、筆者はいつもこう応えます。
「セックスが完了する時期という定められた年齢はありません。やらねばならぬという義務もありません……しかし、セックスの定義を変えれば何歳までもできます!!」
夜の営みはほとんどが50代で終わる
しかし、筆者の持論と裏腹に、日本の熟年セックス界には木枯らしが吹いています。「死ぬまでなんてとんでもない」と。
40~79歳の男女1162名を対象に行われた性事情の調査結果をまとめた『セックスレス時代の中高年「性」白書』によれば、男性はおよそ8割、女性は3割が70代になってもセックスへの関心があるそうです。
女性に限定して40代以降の性事情をもう少し掘り下げますと、セックス頻度が「この1年まったくない」という方が40代で30%。50代は53%、60代は66%、70代は76%となっています。ちなみに、セックスレスの割合は40代で54%、50代を超えると7割以上がセックスレスという状況。
そして、セックス停止の平均年齢はおよそですが男性53歳、女性51歳だそうです。この結果に、あなたはどう思いましたか?
あなたが「やった!」と喜んでも、相手が「寂しい」と感じるなら、その温度差はアラフィフ以降、死ぬまで残る夫婦間のスレ違いとなります。言うまでもなく、夜の営みは2人でいたすもの。どちらかの性欲が衰えてしまえば、欲求不満な夫婦関係のできあがりです。それを回避するために必要なのは「いまどうするか」ではなく、自分たち夫婦の20年後の姿を考えてみることです。
セックスの定義に縛られてはいけない!
筆者は仕事柄、さまざまな世代からセックスレスに関する悩み相談を受けます。セックスレスの原因は夫婦によってさまざまですが、一方でセックスの定義はひとつしかありません。この“セックスの定義の狭さ”が、セックスレスを生む大きな要因になっているのではないかと、相談を受けるなかで考えるようになりました。つまり、セックスの定義を変更すればセックスレスは解消される。夫と妻、2人で自分たちだけのセックスの概念を作りあげるのです!
別に特殊なプレイを勧めているわけではありません。「ただ抱きしめられるだけで嬉しい」「撫で合いながらウトウトするのが至福の時間」「パジャマを脱いで肌の温かみを感じるだけでいい」などなど、夫婦で慈しみ合う行為を自分たちなりのセックスとすればいいのです。
どちらかがイヤな思いを抱いたまま従来のセックスを続けるくらいなら、「自分たちのスタンダード」を決めるための会話ができる関係性を築くほうが、よほど建設的ではないでしょうか。
結論、夜の営みは死ぬまで続けられる!
筆者の経験上、お互いの性事情についてすり合わせができている夫婦は、熟年になってもハツラツとしています。
「死ぬまでセックス」は単純に快楽だけの話をしているのではありません。「いつまでも男と女の会話が楽しめる年の重ね方をしよう」という良好な夫婦関係を作る手段、そして身心の健康を保つ秘訣としての「死ぬまでセックス」なのです。
ぜひ皆さんもセックスの定義を見直して、50代以降も死ぬまで夫と(妻と)楽しい夜の営みを楽しんでください。
■参考資料
◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。