4人に1人が変化あり!?コロナ禍で「夜の営み」が減った人・増えた人を夫婦仲専門家が解説
2021/02/27
我々の日常生活に大きな影響を与えている新型コロナウイルス。その影響は夜の営みにも変化を生じさせているのだとか……恋人・夫婦仲相談所の所長である三松真由美さんに解説してもらいました。
未婚既婚を問わず、コロナ禍で性欲は低下?
セルフプレジャーアイテムでおなじみの株式会社TENGAが2020年8月に公開した「新型コロナウイルスと性生活に関する調査」。20代~50代の男女960名を対象に行った調査結果によれば、24.1%の人が昨年春の緊急事態宣言中に「性生活に変化あり」と感じたそうです。
また同調査における、男女別での性欲の変化を見ると、とくに女性において未婚既婚を問わず、性欲が低下していることが見てとれます。つまり、夫婦の夜の営みにもよくない変化が生じている可能性が高い。筆者の元にも、そういった話がいくつも届いています。
「それどころじゃない!」緊急事態宣言下のNOが遺恨に(美波さん 34歳/仮名)
「夫は飲食業。昨年春の緊急事態宣言中はほとんど休業で、自宅待機でした。給付金などがあったものの、給与は減ってたのに……本人ははっきり言って危機感ゼロ」と当時を振り返る美波さん。そんな危機感ゼロ夫は、「休みでヒマ」と、家事を手伝うこともなく、終日ソファーの上でのんびりスマホをいじり家事さらに妻をイラつかせます。
「そんな態度を見て、ちょっと夫のこと嫌いになりました。休業だからやることがないのは仕方ないけど、あまりに他人ごとで……一方、私はパート勤務先のスーパーが連日大混雑でシフトもパンパンだったんです。幼稚園も休みで、子どもたちの食事を準備するのも私。それに家族の感染予防や健康管理に神経をすり減らして……毎日ヘトヘトでした」
そんな美波さんに対して、休日モードの夫は、気軽に「ね、今晩やらない?」とベッドで求めてくる。
「もう、マジで嫌悪感しかなかったですね。気持ちにも体力的にもゆとりがなくて、『それどころじゃない!』って感じで、断り続けました。危機感ないし、私の健康のこと心配してくれないし、ますますヤナ奴って気持ちになりました」
緊急事態宣言が解除された夏以降は夫も仕事にもどり、精力的に働いていますが、緊急事態宣言下のNOが遺恨になっているんだとか。
「女性と浮気されても困るので、夜の誘いにも応じることにしましたが、夫は今でも『あのころ、めっちゃ拒否された』って根に持って……ブツブツ言っています。回数はもちろん前より減りましたね」
徹底した感染対策で夫婦関係が悪化?(風花さん 29歳/仮名)
昨年春の緊急事態宣言時、妊娠中だった風花さん。秋に無事に出産を終えましたが、妊娠中の徹底した感染対策が、夫婦のみぞを生んでしまったと振り返ります。
「夫の会社は中小の電化製品メーカーで、時差出勤はしていましたが、基本は毎日出社。ずっと家にいる私は『家の中にウイルスを持ち込む可能性があるのはあなただけよ』って、玄関で夫に服を全部脱いでもらうくらい、神経質になっていました。帰宅したらお風呂に直行。入って全身を洗ってからでないと、家の中の物はさわらせていませんでした。そんな私の態度が気に入らなかったのか、このころから関係が少しギクシャクしてきました」
コロナ禍以前はふつうにキスしたり、ボディータッチや、軽めの夜の営みもしていた2人ですが、風花さんの提案で、コロナ以降はいっさいのスキンシップが禁止に。
「夫はもともと淡白な人だったので、『そうだね。感染予防しないとね』って納得してくれました。でも、出産を終えてもスキンシップする気になれず……微妙な距離感のままです。なんかこのまま、もう2人目とかはないのかなって感じもしてきています。コロナがなかったら妊娠中、あんな冷たく突き放すこともなかったのにな」
コロナ禍で脱セックスレス(裕実さん 50歳/仮名)
最後に紹介するのは、さきの2人とは反対のケース。コロナ禍が夜の営みに対して、プラスに働いた人の話です。
「コロナのおかげで、セックスレスを15年ぶりに脱出しました」と話す裕実さん。1人息子が昨年春に地方の大学に合格し、一人暮らしを始めた途端に緊急事態宣言になりました。
「『オンライン授業になったし、東京にもどってきたら?』って息子に言ったのですが、東京に一度行くと、その後地方にもどった際に周囲から嫌がられるからやめとくって……結局実家には帰ってこなかったんです。なので、昨年のわが家は久しぶりに夫婦だけの生活になりました」
転機になったのは、息子さんの部屋を片づけたとき。隠した本人も忘れていたのか、ベッドの下からアダルトDVDが出てきました。
「まあ、男の子だからこのぐらいはふつうよね……って元にもどそうとしたら、夫が『ちょっと、どんな内容か見てみよう』って言いだしたんです(笑)。それでその日の晩に、2人でリビングで見てみたんです。そうしたら見ているうちに夫が『なんか俺、久々に、ヤバイ』ってソファーの上で……こんなことあるんですね」
ちなみにそれ以降も、定期的に“鑑賞会”は開催されているそうです。
感染予防を理由に拒みやすいこの時期こそレス改善を意識!
おうち時間が増え、いっしょにいる時間が増えたことがプラスになったりマイナスになったり、夫婦の風景はさまざまです。
新型コロナウィルスは、感染して病気になる怖さだけでなく、感染への過度な不安から心がささくれてパートナーへの思いやりが失われてしまう点においても恐ろしいものです。
やむなく外出するパートナーを菌を運ぶ仲介者扱いしたり、衛生概念の温度差で口論になる夫婦が多いということもよく聞きます。
以前、サンキュ!の記事で「夫婦間に3つのレスができたら、夫婦ラブ度が下がる」と伝えました。
あらためてカンタンに説明すると……
1:笑顔レス
2:会話レス
3:スキンシップレス
4:キスレス
5:セックスレス
このなかで3つ以上のレスがある夫婦は要注意、という話でした。逆に言えば、ひとつかふたつしか当てはまらないけどセックスレス……という場合、筆者の考えでは「改善の余地あり」ということ。夫婦仲相談所には「キスやタッチはあるので仲良し夫婦に見えますが、セックスレスで不満です」という”隠れセックスレス”のカップルも少なからずいる。人知れず不満をかかえる男女は確実に存在するのです。
そして、感染予防を理由にキスやタッチを拒みやすいご時世、「私たちの5つのレスの本質」を一度膝突き合わせて話題にしてください。
コロナ禍の時代だからこそ、5つのレスについて話しやすいと思います。「アフターコロナにセックスレスが改善しました!」と、世間を驚かせる発表をしてくださる夫婦が続出することを望んでいます。
◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。