かけるだけ、置くだけ、突っ込むだけ!みんなができる収納にすれば悩まない
2023/10/24
片づけられない自分を責めないで。教科書通りじゃなくてもいい、ゆるい片づけで◎!汚部屋から脱却した3人の子どものママが、家族と自分が心地よく暮らせる収納をご紹介。スッキリ片づかないと悩む人へのメッセージも。
- 今風じゃないし、白い収納で統一もできないから、ゆる~く隠しちゃおう
- 出しっぱなし=戻しやすいじゃなかった
- 上履きは自分で洗ってほしいからたわしを壁に
- 「きれいにしまう」は苦手でもかけるや突っ込むならみんなができた
<教えてくれた人>
新井田(にいだ)みな子さん(埼玉県 41歳)
木工作家の夫(53歳)、長男(11歳)、二男(7歳)、長女(4歳)の5人家族。自分の心と向き合う片づけを提案し、リモートでレッスンを開催。インスタ @yu_ru_maru
◎HOUSE DATA◎
築36年/持ち家一戸建て/56平米
今風じゃないし、白い収納で統一もできないから、ゆる~く隠しちゃおう
以前は全部物が出しっぱなしでカオス状態。ないと不安で置いていた物は手放し、よく使う物だけ扉の中にしまったら、スッキリ☆
出しっぱなし=戻しやすいじゃなかった
物がすぐ取れて便利かと、全部出しっぱなしでしたが、ゴチャつき放題で、見つけるのも一苦労。「扉や布の中に入れた方が戻すのも簡単でした」。
上履きは自分で洗ってほしいからたわしを壁に
上履きや運動靴を洗うのは子どもの担当。洗面台で洗うので、たわしはすぐ横に。「使う場所の近くに置くのがポイント。子どもが靴を汚しても、『また~!』とイライラしなくなりました」。
すぐ水をくめるから絵の具セットの定位置はここ!
絵の具で遊ぶときは必ず水を使うから、置き場は洗面所の横が便利。「4歳の長女の『ママ、絵の具を取って~』がなくなったし、長女もすぐ水が使えて遊びやすそうです」。
ドラッグストアを第2の収納と思えば使用分だけでOK
洗剤などのストックは持たずに、今使っている物がなくなりそうになったら買いに行きます。「安いからとまとめ買いして、普段の生活が窮屈になるより、ここがスッキリしている方が心はラク」。
「きれいにしまう」は苦手でもかけるや突っ込むならみんなができた
整然と収納しなくても、物の置き場所が決まっていればよし。片づけのハードルは1mmでも低くしたいし、ママと子どもが気分よく片づけられればいいんです。
かけて置くだけのウオークインクローゼット風に
カラーボックス、りんご箱など家にあった物を組み合わせた棚。畳むのが苦手だから衣類はハンガーにかけ、下着類は丸めてケースの中、ランドセルは床に直置きでOK。
反対側にはおけいこリュックなど
部屋に入ったときに目につく側はスッキリ。「子ども3人分の衣類と学校・幼稚園で使う物をこの棚に集中収納するだけで、片づけは合格だと思っています」。
木枠だけ壁に付け子どもの作品をストレスなく貼り替え
ホームセンターで売っている「見切り材」をカットし、壁に両面テープで付けて額縁風に。「枠はそのままで中の作品だけを交換すればいいので、作品のサイズに関係なく使えます」。
1人1棚だと管理しやすくなった
本は図書館から借りている物も含めて、全部ここに。「1人1棚にしたら他の子の本とゴチャつかず、自分で管理するようになりました」。
リビングの押し入れスペースに入っていればよし
押し入れの中板を外して、おもちゃの収納スペースに。「カゴやケースで人別にだいたい分けてますが、混ざっても気にしません。ここに収まっていればOKのゆるい片づけです」。
「私がダメだから片づかない」と毎日悩んでいる皆さんへ
今でこそ「お片づけレッスン」を主宰していますが、新井田さんも4年前までは片づけられない自分を責める日々でした。そんな新井田さんからメッセージです。
子どものころから片づけが苦手で、汚部屋状態だったことも。「片づけなければの義務感と、片づけられない劣等感で、片づけも家も、そして自分も嫌いでした。でも片づけが苦手だと思っている人は、実はまじめで頑張り屋さん。だからきちんと片づけようと一生懸命なんです。本当に大事なのはスッキリ片づいた家ではなく、家族と自分が心地よく暮らせる場所になること。そのためにどうしたいのか、自分の心に耳を傾けてあげて」。
新井田さんの「汚部屋&人生迷子からの脱却ヒストリー」
【幼少期】整理整頓は苦手。掃除好きだった母親に「ちゃんとしなさい」と怒られることも。
【大学時代】母親が急逝。家事全般を引き受ける。片づけは苦手なままだが、家のことや暮らしをラクにする仕事がしたいと思うように。
【24歳】住宅メーカーに就職。営業、現場監督、インテリアコーディネーターなどを担当。「オシャレなお部屋に住んでそうですね」とお客さんに言われ、苦笑いする日々。
【29歳】結婚 長男が生まれる。
【30歳】父親が倒れ、実家と自宅を往復し介護。
【31歳】実家に移り住むが片づけまでは手が回らず。
【32歳】父親が亡くなる。荒れ放題の部屋を見て「この家で家族にまた何かあったら後悔する」と片づけを決意。
【36歳】片づけ関連の資格を取り、部屋はきちんと片づくが、これでいいのか悩む。
【38歳】片づけの先生として片づけられない人の相談に乗り出すも「もっと心に寄り添わないと助けられない」と気づく。
【現在】心と片づけを結び付けた、自分なりの「片づけ」を提案中。
「今日も片づけられなかった、ダメ人間だ」と毎日自分を責めちゃう……
その言葉、友達に言えますか?キツすぎて言えないと感じる言葉なら、自分にも言わなくていい。
「片づけられない友達に『なんで片づけられないの!ダメな人ね』と言えますか?そんなことは、相手が傷つくから言えませんよね。自分にも同じ。もっと優しい言葉をかけてあげて」。
「○○すれば片づく!」と言われても、そうできないから苦しいです
「片づく!」の語尾に「人もいるし、片づかない人もいる」と心の中で付けてみて。
「片づけ本で紹介されているやり方が合う人もいれば、そうじゃない人もいます。間取りや家族構成、何を心地よいと感じるかも違います。わが家に合った片づけなら、それでいいんです」。
どこを見ても片づいていないわが家が本当に嫌いです……
小さな場所でいいから、自分の好きなコーナーを1カ所つくってみて。そこに目をやるだけで心が落ち着いてきますよ。
「私の場合はキッチンの棚。台所に立ったときに目の前にある棚を片づけて、好きな物を置いたら、見ているだけで幸せな気持ちに。片づけで心が癒やされることに気づきました」。
参照:『サンキュ!』2023年11月号「テキトーでもいい感じに片づく家」より。掲載している情報は2023年9月現在のものです。撮影/松村隆史 取材・文/村越克子 編集/サンキュ!編集部