大学院卒のバリキャリ候補から、家族の転勤で仕事を辞めて地方へ。スタートした新たな仕事は1件27円?
2024/01/31
さまざまな働き方を模索しながら、自分らしくキャリアを積もうとしている女性を取材している本企画。今回は、動画クリエーターの竹原めぐみさん(38歳)です。
家族の都合で地方へ移り住み、子育てをしながら自分らしく働くため、デジタルを駆使してクリエーターに転身。主婦の副業としてもおすすめしたいというお仕事の中身を詳しく教えてもらいました。
学生時代に鍛えた資料作りのセンス。新卒で入った会社でも評価されて…
編集部:今のお仕事について、教えてください。
竹原さん(以下、竹原):フリーランスの動画クリエーターです。クラウドソーシングに登録して、企業や個人から動画製作を請け負って制作しています。通販サイトなどで商品の紹介動画とかを見たことがある人もいると思うのですが、そういったものです。
また、最近は、社会人向けの講座サイト「Udemy」に動画の作り方やそれで稼ぐ方法を講座動画にしてアップして、試聴数に応じて報酬をいただくようなことも始めています。
編集部:元々パソコンを使うのはお好きだったんですよね?
竹原:理系の大学で大学院まで行ったのですが、院が厳しくて、研究を2週間に1回ゼミで発表しなきゃいけなかったんです。だから4年生から研究室に入って修士の2年までずっとパワーポイントを使って発表の練習をしてました。
就職した会社でも、企画書を作ったり提案資料を作ったり、新商品のアイデアを出して資料を作るとか、そういった仕事をよくしていました。
上司にも恵まれて「竹原さんの好きなように作っていいよ」と言ってくれて。それで気合いも入りました。資料作ってみんなに「おーっ」っていわれるのは楽しかったです。
得意を活かして仕事するも、最初の収入は27円
編集部:ご家族の関係で北海道に戻られますが、それを生かして仕事したいと?
竹原:会社を辞めて北海道に戻り、大学で研究員の補助をパートでやっていました。でも、コロナ禍で息子の幼稚園が1カ月お休みとかになってしまったこともあり、続けられなくなってしまって。
どうしようとかと思っていたところ、そういえば私、動画編集したことあるなって。子どもを撮った動画とかを無料ソフトで適当に編集していたんです。アドビなどプロが使っているツールを使えば、それっぽくできるんじゃないかな、と思いました。
高性能のパソコンも10~20万円で手に入るし、アドビのソフトもサブスクで月6,000円とかで入手できるから、ダメでもやめればいいし。アフターエフェクトというソフトを使えばお金が稼げるというブログを読んだりして、自分もやってみようかなと。
それで一度勉強だけはして、クラウドソーシングに挑戦してみたのですが、なんと初回は27円しか稼げなかったんです!
諦めずにつながりを作っていったら、実績が積み上がった
編集部:27円ですか?!初期投資もしているし、ちょっと焦りますね。
竹原:そうなんです。それで1回、本当に諦めました。やめようと思ってたのですが、クラウドソーシングのコミュニティみたいなものがあるのを知り、とりあえず登録しました。
そこでいろいろちゃんと学べて、フリーランスで働いてる人からもアドバイスを聞くことができて、今があります。
編集部:コミュニティを利用することで受注が入った?
竹原:はい。それと、周囲の人たちに動画を作れることを話しました。
そうしたら、パート先のお友達から「私YouTube始めたいので、オープニング動画お願いできますか」とか、「お医者さんがホームページ作りたいから、そういう人を紹介して」とか依頼が来るようになったんです。全部オープンにして話していると、仕事が勝手に来てくれるというか、そういうのもあって、実績を積むことができました。
7件くらいからは、プロフィール欄に実績が書いてあることによって、直接企業からの依頼も来るようになり、仕事として安定するようになりました。
企業で働くだけでは仕事の選択肢は広がらない、主婦だからこそできる自由な働き方があると竹原さんはいいます。自分には無理と思わずに、飛び込んでみると世界が広がるのかもしれません。次回は、さらに今注目の働き方についても教えてもらいます。
【話を聞いた人】
●竹原めぐみさん(北海道 38歳)
夫と、長男5歳、長女0歳の4人家族。水産学部大学院を卒業後、食品メーカーにて企画職に。家庭の事情で転居や転職を経験し、現在フリーランスの動画クリエーターとして活動中。
○勤務形態 フリーランス
勤務時間 決まっていないが、一日中やってしまうことも
年収 秘密
お仕事内容 企業などからの依頼を受け、動画を作成。Udemyでは講座を動画化して販売している
イラスト/すぎやまえみこ 取材・文/尾崎真佐子 企画/サンキュ!コメつぶ編集部