スマホのゲームで月5万円も課金する夫。一家の貯金は現在0円。将来が不安です

自営業のため収入や仕事の経費が不安定で、計画的な貯蓄がむずかしいという『サンキュ！』読者ゆかりさん。ついに先日蓄えが0円に。それでも、夫に節約の話をするのは嫌がられるとのこと。打開策はあるのでしょうか？専門家に相談してみました。

相談者
岐阜県
ゆかりさん（仮名）
43歳

夫（43歳）、長女（12歳）、長男（8歳）の4人家族。結婚14年目。夫は建設関係の自営業。ゆかりさんはコンビニでパートをしています。1年前にこだわって建てた新築一戸建てに住んでいます。

回答者　
子ども6人を育てるファイナンシャル・プランナー
橋本絵美さん

はしもとFPコンサルティングオフィス代表。中学生1人、小学生3人、保育園児2人を育てるママ。FPに加えてお片づけプランナーとしても活躍中。www.hashimoto-fpoffice.com/

収入が低いわけではないけれどこれから教育費がかかる。子ども2人車のローン2台分…

夫年収　540万円
妻年収　72万円
夫ボーナス　なし
妻ボーナス　なし

夫月収　45万円
（ここから税金や年金保険料など5万円を支払う）
妻月収　6万円

世帯総貯蓄額　0万円
世帯月貯蓄額　0～1万円

住宅ローン　8万円
水道・光熱費　4万円
通信費　6万2,000円
（うち5万円はゲーム課金）
生命保険料　1万円
学資保険料　1万円
車関連費　12万円
（2台分の車ローン8万円、ガソリン代2万円、ほか保険料など）
食費　3万円
外食費　1万円
日用品費　5,000円
教育・子ども費　3万円
レジャー費　1万円
予備費　6,000円
夫小遣い　4万円
妻小遣い　5,000円
＊すべて平均値。月により変動あり

自営業で収入が不安定なのについに先月、事故で貯蓄が底をつきました

ゆかりさん（以下ゆかり）：夫の月収は70万円の月もあればゼロの月もあるんです。平均すると月45万円くらい。ここから仕事の経費も払い、税金などは収入が多い月にまとめて払います。だからなかなか貯金ができない。先月、車の事故で、なけなしの30万円はすっからかんに（涙）。2年後には上の子が高校受験なのに、将来の教育費も心配です。

橋本先生（以下橋本）：事故は大変でしたね。ゆかりさんは貯蓄ができない理由をどう考えていますか？

ゆかり：夫のムダ遣いが最大の原因だと思います。夫はスマホゲームで毎月5万円は課金するんです。「稼いだお金は自分が使うもの」という考えが根本にあって、ゲームくらい好きにお金を使いたいと言います。

橋本：これまでご主人のムダ遣いには放っておいた？

ゆかり：最初は私の貯蓄で赤字をうめていましたが、どうにもならず、スマホの課金をやめてほしいと頼みました。だけどいつもケンカになってしまって。「うちは金がないって言いたいんだろう」「そうじゃなくて使い方を見直したいだけ」「ストレスになるから趣味は我慢できない」と堂々めぐり。私はケンカはイヤなので、夫に相談せずに貯まる家計にしたいんです。

橋本：事情はよくわかりました。では、いっしょに考えていきましょう。

この先いくら必要か計算したことありますか？

橋本：貯蓄するには、まず明確な目標を立てることが鉄則。これはどんな家計にも共通しますよ。

ゆかり：子どもの学費とか、何かあったときに使えるお金を貯めたいです。

橋本：漠然と「お金を貯めたい」だけだと、ほとんどの人は実現できない。明確な目標とはいえないんです。貯める「目的・金額・期限」、この3つを決める必要があります。ゆかりさんはお子さんたちの学費について、いつまでにいくら必要か計算したことはありますか？

目標というより、そもそも目の前の赤字を何とかしたい場合は？

ゆかり：高校や大学の学費を調べようとしたけどよくわからなくて…。それに月々の支払いに追われてお金がなくなるので、目標どころではない気がします。そういう目の前の赤字を解決したい場合はどうしたらいいですか？

橋本：その場合もやはり明確な目標が大事なの。なぜなら使えるお金には限りがあって、何に使って何を削るかを決めなくてはならない。そのときに、貯蓄目標がないと優先順位を判断できないからです。日々の暮らしをとるのか、先々の貯蓄をとるのか？その貯蓄はどのくらい必須でいくら必要なのか？わからなかったら比較ができない。

ゆかり：それは、そうですね。

橋本：仮に「長女の高校進学費用を＠万円、2年後までに貯める」という目標を決めて、優先順位を考えながら予算を立てましょう。現在の家計を見ると、食費がとても安いですね。

ゆかり：はい、それしか削れるものがないので。

橋本：そんなはずないですよ～（笑）。

ゆかり：夫のムダ遣いをどうにもできず、ほかを削った結果が今の家計なんです。

夫のムダ遣い、月11万円がどうにもならないんです

橋本：月5万円のゲーム課金のほかにどんな夫の出費がありますか？

ゆかり：タバコ代が月2万円、小遣いが月4万円です。

橋本：合計で月11万円。この出費はどうしても変えられない？

ゆかり：はい。

橋本：そうか。じゃあ、ご主人が「ムダ遣い」するお金は最初からなかったものとしてあきらめちゃいましょう！

ゆかり：えっ…。11万円はないものとして目をつぶるということ…？

橋本：そう。あると思うと腹が立つから、もう考えない！

ゆかり：なるほど～。11万円を引いた金額がその月の収入と思えばいいんですね。フフフ（苦笑）。

11万円の出費を元からなかったものとする…。それは、年収650万円ではなくて、400万円だと思って暮らす覚悟と同じ。大胆な提案だけれど、その方が気持ちが楽になって前に進めるなら、ありなのかもしれません。腹を決めたゆかりさんは、この先どう進んでいくでしょうか？