家計簿をつけようと思っても続かない。なんとなく、お金の不安が消えない…。
そんな方にこそ試してほしいのが、年に1回の「お金の棚卸し」です。
毎日家計簿をつけなくても、今ある資産や負債をざっくり整理するだけで、家計の全体像がつかめ、不安がスッと軽くなります。
今回は、FP2級を持つ元銀行員で、“頑張らない家計管理”を実践中のライターしばが、誰でも簡単にできる「お金の棚卸しのやり方」をご紹介します。
家計をすっきり整えたい方や、お金へのモヤモヤを解消したい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
家計簿が続かない人こそ「お金の棚卸し」がおすすめな理由
「家計簿が続かない」「お金の不安が消えない…」
そんな方にこそ試してほしいのが、「お金の棚卸し」です。
お金の棚卸しとは、わが家のお金の現状を確認すること。
今あるお金と、借りているお金をざっくり整理し、家計の「全体図」を見える化する方法です。
というのも、お金に対する不安の多くは、「知らないこと」から生まれるもの。
年に1回でもお金の棚卸しをして数字を確認するだけで、「思っていたより大丈夫かも」と気持ちが軽くなる人も少なくありません。
そして何より、毎日コツコツ記録しなくていいからこそ、忙しい人でも続けやすいのが魅力。
がんばりすぎず、でも着実に家計を整えたい人にぴったりの方法です。
年1回でOK!「お金の棚卸し」7ステップ
家計簿のように毎日つける必要はありません。
年に1回、下記の7ステップでお金を整理すれば、家計も気持ちもスッキリ整います。
紙とペン、電卓があればすぐに始められるので、ぜひ実践してみてくださいね。
ステップ1|財布の中身をチェック
まずは手元のお金の確認から。
財布や、家の貯金箱にある現金を集めて、合計額を記録しましょう。
「頂いたお金が意外と多かった」「小銭貯金が思ったよりたくさんあった」など、ちょっとした発見がモチベーションになります。
ステップ2|保有している口座と残高を書き出す
銀行口座をすべて洗い出し、残高をメモ。
合わせて「使う口座」「貯める口座」「引き落とし用口座」など、使用用途をメモしておくのもおすすめ。
引き落とし設定をしている口座は「何に・いくら引き落とされているか」を合わせて確認、メモをしておくと、今後の管理がラクになりますよ。
書き出してみると、「こんなに口座があるの?」と驚く方も多いはず。
口座は定期的に整理し、使っていない口座は解約するなど、増えすぎないようにしておきましょう。
ステップ3|投資や保険を確認
つみたてNISAやiDeCo、学資保険や終身保険など、将来のための資産づくりも忘れずにチェックしましょう。
証券会社や保険会社のアプリを開いて、現在の運用額や解約返戻金をざっくりメモするだけでOKです。
このとき大切なのは、増えた・減ったに一喜一憂しないこと!
目的は「結果を評価すること」ではなく、「今使うお金」と「将来のためのお金」がバランスよく育っているかを確認することです。
「現状をチェックするだけ」の気軽な気持ちで取り組むと、心にも余裕が生まれますよ。
ステップ4|不動産の価格をチェック
マイホームを持っている方は、住宅の現在価値もチェックしておきましょう。
ポイントは、購入時の金額ではなく、いまの相場価格を参考にすること。
不動産サイトなどで同じエリア・築年数の物件を検索すれば、だいたいの目安がつかめます。
ローン残高との比較をしておくと、将来の家計計画にも役立ちますよ。
ステップ5|プラス資産の合計額を出す
ここまでに確認した現金・口座残高・投資・保険・不動産など、すべてのプラス資産を合計してみましょう。
「いま、わが家にはどれくらいの資産があるのか」を数字で把握するだけで、家計の全体像がぐっとクリアになります。
また、「どこに・いくらあるか」を整理しておくと、いざというときも安心です。
ステップ6 | 住宅ローンなどの残高を書き出す
プラス資産を書き出したら、続いてマイナス資産を整理します。
住宅ローンや自動車ローン、教育ローン、カードローンなど、残債を一覧にまとめておきましょう。
返済期間や金利もメモしておくと、見直しの参考になります。
ステップ7 | 「お金の全体図」をチェックする
プラス資産の合計から、マイナス資産の合計を引いて、わが家の「純資産」を算出します。
純資産がプラスであれば、家計は健全。マイナスでも落ち込まず、今後の改善ポイントを見つけるきっかけにしましょう。
「お金の棚卸し」を毎年続けていくと、家計の変化や成長が数字に表れます。
昨年より貯金が増えていたり、ローン残高が減っていたりすると、それだけで達成感アップ!
逆に、マイナスが大きくなっていれば、見直すチャンス。早めに気づけること自体がリスク回避になります。
定期的にお金の棚卸しを行い、家計の現状をチェックしていきましょう。
ざっくりでOK!「家計の全体図」を見える化しよう
家計管理でいちばん大切なのは、現状をきちんと知ること。
年に1回でも「お金の棚卸し」をして、わが家の今の状態を見える化するだけで、家計はぐっと整い、お金への不安も少しずつ減っていきます。
忙しい毎日だからこそ、1年に一度だけでもお金と向き合う時間をつくってみてください。
「なんとなく不安」だった気持ちが、「これからどうしたいか」を考える前向きな時間に変わりますよ。
■執筆/しば
FP2級・元銀行員のライター。がんばらない家計管理と“仕組みでまわる暮らし”をテーマに、家計・子育て・暮らしの記事を執筆中。二児の母。Instagramは@shi_ba_1106。
編集/サンキュ!編集部