「住宅ローン控除」の2年目以降の手続きはどうする?確定申告は不要?

2019/02/13

住宅を購入した人、リフォームした人の負担を軽減してくれるのが「住宅ローン控除」という制度。その手続きは、入居1年目と2年目以降では異なることを知っていますか?手続き方法の違いについて、税理士の角田圭子さんに教えていただきました。

「住宅ローン控除」とは?

マイホームを購入することになったとき、購入者のほとんどが銀行などで住宅ローンを利用しています。

「住宅ローン控除」とは、マイホームを10年以上のローンで購入した場合に、各年末のローン残高の1%が所得税から減額されるというもの。控除される期間は最長10年間で、その期間は所得税がほとんどかからないケースも。

とても大きな節税効果が得られるので、手続きは忘れずに行いましょう。

初年と2年目以降では手続きが異なる

初年度は確定申告をする

入居して最初の年分は、購入した人が自分で確定申告を行います。

税務署や国税庁のホームページで「確定申告書」を入手し、必要事項を記入したら、そのほかの必要書類とともに税務署に提出します。

申告手続きは、還付申告(所得税が戻される申告)なら入居の翌年1月から行うことができます。自営業の人は、通常の事業の確定申告のときに申告すれば、「住宅ローン控除」を受けることが可能です。

2年目以降は年末調整でOK

会社員など給与所得者なら、2年目以降は勤務先の年末調整で申告することができます。面倒な手続きがないので助かりますね。

自営業の人は、2年目以降も変わらず確定申告をする必要があります。

【年末調整に必要な「住宅ローン控除」の書類】 
①給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等 特別控除額申告書
② 住宅ローンの年末残高証明書

①の「住宅借入金等 特別控除額申告書」は、初年に「住宅ローン控除」の確定申告をすると、税務署から2年目から10年目までの計算明細書が9枚まとめて送られてきます。毎年の年末調整で提出する必要があるので、なくさないようにきちんと保管しておきましょう。

②の「住宅ローンの年末残高証明書」は、住宅ローンを利用している金融機関から毎年10月ごろに送られてきます。複数のローンを利用している場合は、すべての証明書が必要です。

還付金はいつごろもらえる?

初年度の確定申告は、税務署で手続きしたあと1カ月ほどすると、指定口座に還付金が振り込まれます。還付が完了すると、税務署から通知が送られてくるので、念のため振り込みの確認をするといいでしょう。

年末調整の場合は、12月や翌年1月の給与などで精算され、還付金が支払われます。

年末調整で申請を忘れたら?

勤務先の年末調整で期日までに必要書類を提出できなかった場合は、確定申告で手続きをすることができます。

確定申告の期間は、原則2月16日から3月15日まで。還付を受けたい年分の年末調整をしそびれてしまった人は、翌年2月16日から3月15日までの期間に確定申告をしましょう。

なお、還付申告だけなら1月1日から行うこともできます。

まとめ

住宅を購入した初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は勤務先の年末調整ですむので面倒な手続きはありません。「住宅ローン控除」は、あらゆる税金対策のなかで最も節税効果が大きい制度なので、毎年忘れずに申請しましょう。

教えてくれたのは・・・

角田圭子さん

税理士、ファイナンシャルプランナー(CFP(R))。東京都練馬区において、角田圭子税理士事務所開業21年目。数々の公的機関の相談員を経験、中小企業、個人のよき相談相手を目指し、税務申告サポートを行う。最近は、女性からの相続税申告相談が増え、心に寄り添う提案をこころがけている。その他、セミナー講師、税金に関するテキストの執筆、女性誌の税金記事の監修など多方面で活躍中。



取材・文/有馬未央(KIRA KIRA)

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