「料理が苦手なほうが食費が減る」ってホント?
2021/01/26
「料理が苦手だと食費を減らすのはむずかしい」と思っていませんか? 家にあるものでパパッとつくったり、残り物をリメイクして一品つくることができるのは料理が得意だからできる……と。
でも実は、あんがいそうでもないんです。
全国の主婦を取材して、お金に関する記事を数多く手がける村越克子さんが、「料理が苦手なほうが食費が減る」……そのワケを解説します。
家でご飯を食べる回数が増えた今、食費を削るのはむずかしい
外出自粛の影響で家族が家にいる時間が長くなり1日3食つくることになったり、外食を控えたりで、食事をつくる回数が増えています。そのせいで食材を多めに買うことになり、食費がかさみがちです。
料理が苦手な人にとっては、ご飯をつくる回数が増えるだけでも憂うつ。そのうえ食費を減らすなんて無理~!ですよね。でも、苦手なほうが、食費節約には意外と有利なこともあるんです。
1.つくれる料理が決まっているので食材と食費が安定する
料理が苦手だとメニューのレパートリーも限られるものです。つくるものが同じようなものなら、買う食材もほぼ同じに。1週間に消費する食材の種類と量がだいたい決まっていれば、1週間分の食費も安定します。週予算のメドが立てやすくなり、予算を守りやすくなるメリットがあるというわけです。
一方、料理が得意で「新しい料理にチャレンジしたい!」となると、いつもは買わない食材や調味料を買うことになり、週の食費がバラつきがち。献立がバラエティー豊かになるメリットはありますが、食費予算をキープするのがむずかしくなることも。
2.ややこしい食材や調味料を買わない
「1」と関連して、ワンパターン献立なら、いつも買っている定番食材と家にある定番調味料で献立が完成します。今まで買ったことのない初挑戦の食材や調味料を買うことがありません。
料理が苦手な人で注意する必要があるのが、料理本を見てレシピどおりにつくろうとすること。苦手意識があるので「レシピどおりにつくらないと失敗するのでは?」と思い込み、使ったことのない食材や調味料を買うのはNG。とくに調味料は使い切れないことが多く、むだになる可能性大。
というわけで、料理が苦手な場合はワンパターン献立に徹するのが賢明。実際、食費を抑えることに成功しているおうちの献立は、定番料理をグルグルまわしているワンパターンが多いものです。
3.食材にこだわりがない
もちろん例外もありますが、料理が苦手な人というのは、もともとつくるのが好きではなかったり、料理に関心がないことが多いものです。なので、食材に対するこだわりもあまりないものです。
みりんは創業200年の〇〇会社の本みりん、しょうゆは伝統製法の○○醤油店のもの、野菜は有機栽培、お肉はブランドもの……といったこだわりがあると食費もかさみがちです。
4.品数が少ない
料理が苦手なので、副菜をいろいろつくることもありません。メインおかずをつくり、あとはサラダやおひたしで野菜をプラスして、豆腐や納豆など買ってきたものをそのまま出せば一品になるものでよし。これで栄養バランスも十分です。
品数が少なければ、買う食材も少なくなるので食費を抑えることができます。
5.手づくりにこだわらず、安ければ冷凍食品や総菜を利用する
料理が苦手だから、手づくりにもこだわりません。手づくりするよりも、市販の冷凍食品や特売になっているスーパーの総菜を買ったほうが安い場合もあります。たとえば大人2人と幼児1人の3人家族で夕飯を餃子にするなら、材料を買いそろえて一から手づくりするよりも、市販の冷凍餃子を買ったほうが安いことも。
市販品を上手に取り入れれば、食費が節約できるだけではなく、つくる手間と時間も省略できて"一石三鳥"です。
6.献立を考えるのが面倒ときは在庫一掃メニューに
献立を考えたり、つくるのが面倒なときは、冷蔵庫の余りものを投入した鍋や炒め物で乗り切るのが、料理が苦手な人の得意ワザ!1食分にはたりない肉、魚の切り身、ちくわなどの練り物、ウインナー、使いかけの野菜も立派な具になります。食材ロスが減って食費節約に大貢献です。
まとめ
「食費節約は料理が得意じゃないとできない」と思っている人、いえいえ、そんなことはありません。料理が苦手なほうが食費を減らすうえで有利なこともあります。「なるほど」と思っていただけたら、ぜひ自信をもって食費節約にトライしてみてください。
■執筆/村越克子さん
『サンキュ!』を中心に雑誌・ムック・webなどで全国の主婦を取材し、家計のやりくりなどお金に関する記事を数多く手がける。『貯められない人の家計管理』(朝日新聞出版)の編集・執筆など。