モノが多い人はお金が貯まらない……!?ホントのところを解説
2024/04/22
「家の中にものが多い人は金が貯まらない」とよく聞きますが、それってホント?ものが多いことと、お金が貯まらないことは、何か関係しているのでしょうか?
全国の主婦を取材して、お金に関する記事を数多く手がける村越克子さんが解説します。
ものがある=お金を使った証拠
ただでもらうものもありますが、大半のものはお金を出して買ったものです。今さら言うまでもないことですが、ものとお金を交換しているということです。
家の中にたくさんものがあるということは、それだけお金と交換した証拠。家の中にものは入ってきましたが、その分、お金が出て行ったということ。お金に出て行かれては、お金が貯まるわけがありません。
ものが少ないとムダ買いがなくなる
手持ちのものが少なければ、自分が何を持っているのか、家に何があるのか把握するのが簡単になります。その結果、ダブリ買いや余計な買い物がなくなります。
たとえば、クローゼットに服がギューギューに詰まっていると、自分が持っている服を把握するのがむずかしくなります。買った服がクローゼットの奥に紛れ込んでしまい、同じような服をまた買ったり。クローゼットに服はたくさんあるのに整理できていないから、着たい服が見つからず、「着る服がない!」とまた買ったり。
一方、クローゼットを開くと、手持ちの服が全部見渡せるくらいの数しか持たない人は、今日着たい服がすぐに見つかり、コーディネートして着まわすことができるので、次から次へと新しい服を買うことがありません。
ものを買うときに慎重になる
貯めている人が最初からものが少なかったというわけではなく、もともとはものが多かったのが、処分して減らしたという人も少なくありません。
ものを処分する=捨てる作業というのは、時間や労力だけではなく、メンタル的にも疲れる作業です。特にものが捨てられない人にとっては、しんどい作業。ものの手離れがいい人でも、「お金を出して買ったものなのに……」ともったいない気持ちになるはずです。こうして心の痛みを経験することで、次にものを買うときには慎重になります。
1.本当に欲しいか?
2.今の自分にとって必要なものか?
3.同じようなものをもっていないか?
4.これを使っているシーンをイメージできるか?
5.長く使うことができるか?
などを自問するように。「欲しい」「安い」という理由でものを選択することが減るので、すぐに飽きたり、使えなくなったりするムダなものにお金を使うことがなくなります。
買い物でストレス発散しなくなる
「かわいい!」「欲しい!」で買っていたときは、「ものを買う」ことは簡単なことでした。が、1つのものを買うとき、いろいろ考えるとなると、買い物自体が面倒なことに。ストレス発散どころか、思考力を必要とする作業になるということです。
実際、貯めている人はスーパーに行く回数をできるだけ少なくする工夫をしています。また休日、家族でショッピングモールに出かけることをレジャーにはしません。
外出や外食の回数が減る
ものが少ないと片づけが簡単になります。10個のものを片づけるより3個を片づける方が時間も手間もかかりません。そもそも3個ぐらいなら出しっぱなしにしても、それほど気にならないものです。
家の中が片づくと、家の居心地がよくなります。家で過ごす時間が快適になれば、用もないのにフラリと外出することがなくなるはずです。
お金を使う機会の大半は外出先にあります。家から一歩出た瞬間から、お金を使う誘惑がいっぱいです。なので、ムダなお金を使わないようにするには、用もないのに家から出ないことが一番です。実際、貯めている人の大半は、おうちごはん派で、家飲み派の“おうち好き”です。
まとめ:貯めるならまずは片づけからトライ!
「お金のことは苦手」という人が貯蓄を増やすには、とりあえずお金のことは置いておき、片づけから始めましょう。家の中が片づくとムダな支出が減って、浮いたお金を貯蓄に回すことができます。その結果、気がついたら家の中がスッキリして、おまけに貯金残高も増えていた……なんてことに。まずは片づけからトライしてみてください。
■執筆/村越克子さん
『サンキュ!』を中心に雑誌・ムック・webなどで全国の主婦を取材し、家計のやりくりなどお金に関する記事を数多く手がける。『貯められない人の家計管理』(朝日新聞出版)の編集・執筆など。