2人暮らしのお金はどう備える?30代・40代・50代年代別にプロが解説
2020/01/02
『サンキュ!』読者の約25%が夫婦2人暮らし(※1)。これからも、もっと増えるかもしれません。2人の場合はどんなやりくりをしてるの?今後2人暮らしになったらどうすればいいの?など、わからないことも多いですよね。そこで今回は、2人暮らしのおうちにアンケート!(※2)さらに、お金のプロに「2人暮らしのお金の備え方」についても聞いてみました。
※1:『サンキュ!』読者全207名へのアンケート結果より(19年11月現在)。
※2:このアンケートは『サンキュ!』モニターの方々を対象に、19年11月時点で2人暮らしのご夫婦18組にご協力いただきました。
Q:どんな家に住んでいますか?
「親の介護を見据えて、住まいを固定しない賃貸を選択。今は社宅に住んでいます(30代 F・Nさん)」「23年前に買った新築マンションのローンは完済。子どもたちが独立したので2人暮らし仕様にリノベーションしました(50代 A・Jさん)」
Q:収入はいくらくらいですか?
「月収は夫約25万円、妻約17万円。夫婦別財布で夫は固定費、私は生活費と貯蓄と分担しています(30代 I・Mさん)」「夫の月収は約40万円。私はパートで月約6万円の収入あり。夫はお金はあるだけ使う人なので、家計管理は私が担当(40代 O・Kさん)」
Q:月の貯蓄額はいくらくらいですか?
⇒平均 7万4688円
「月5万円の先取りと個人年金、つみたてNISAで貯めています。月末は夫婦で家計簿を見て話
し合うのが習慣(30代 F・Nさん)」「2人家族なので何があっても安心なように月15万円を
貯蓄(40代 O・Kさん)」「お金を遺す相手がいないので月の貯蓄は1万円(40代 D・Kさん)」
Q:老後のための目標貯蓄額は?
⇒平均 2400万円
「65歳までに最低2000万円貯めたい。子どもを持つ予定がないので老後がとにかく不安です(30代 I・Mさん)」「2500万円貯めてるので、大丈夫かな? 老後は世界のあちこちを旅したい!(50代 A・Jさん)」
お金のプロに聞いた!2人暮らしのおうち、これからどう備えるべき?
家族が増える前の30代
子どもが生まれると生活費が増えるので、奨学金や車ローンがある人はどんどん返済し、身軽になっておくと安心です。貯蓄は手取り収入の15~20%が目安。余ったお金で今のうちにやりたいことを思い切り楽しんで。教育費の準備は出産後でもOK。児童手当だけでも約200万円貯まります。マイホームが欲しいなら頭金が貯まりしだい早めに買うと、住宅ローンを早く完済でき老後資金も貯めやすくなります。リフォームしやすい構造の家を選べば家族が増えても対応可能。住まいも含めて将来の計画を夫と話し合って。
子どもの手は離れ始めた40代
子どもが就職や進学で巣立ち、夫婦2人暮らしが再スタートする40代。子育ての次は老後の準備が待っていますが、住宅ローンを早めに返すと将来のプランがグッと立てやすくなります。教育費が減った分、ローン返済額を少し上乗せし、同時進行で老後資金も貯めましょう。また、家計のムダを省いて暮らしと出費を徐々に小さくしていくと◎。生活費が減れば老後資金の貯蓄を殖やせますし、今より収入が減る年金生活に対応する自信もつきます。夫とも今から老後生活のイメージを話し合い、足並みをそろえておきましょう。
老後が少し見えてきた50代
そろそろ老後に備えて行動しましょう。体や脳がずっと健康とは限らないので、まずは銀行口座や保険を一覧表にして資産情報を夫婦で共有。パソコン管理だとパスワードが不明なときに困るのでノートに書き出すのが正解です。また、老後は住まいの選択肢もいろいろです。今の家に住み続けるか住み替えるかなど今後の方針を夫婦で話し合って。介護施設の見学もフットワークの軽い50代がチャンス。元気なうちに旅行や趣味を楽しむのも大賛成ですが、50代以降に使うお金は老後資金なので、使いすぎに注意して。
子どもがいない「2人暮らし」の人
子どもがいない夫婦は高齢になると、住まいの保証人や資産管理の後見人をだれにするかなどの課題が。先手必勝で40代半ばには上記の50代の備えを始めると◎。夫に先立たれた妻がもらえる公的な遺族年金が少ないなら、夫の死亡保険1000万~ 2000万円に加入して補うと安心です。保険会社は夫婦で1社にしぼり、ネットで安く加入できて希望すればライフプランナーなども対応してくれる会社を選ぶと、保険料を抑えられるうえ、高齢になったとき複雑な手続きの苦労が減ります。
<教えてくれた人>
畠中雅子さん
ファイナンシャル・プランナー。生活者に寄り添う家計アドバイスが人気!老後のお金と暮らし事情にも詳しい。『これで安心!入院・介護のお金― 知らないと損する48のこと』(共著/技術評論社)など著書多数。
Have a try!
□30代は子どもが生まれる前に、ライフプランを夫と共有する
□40代は教育費が落ち着いたら住宅ローンの返済額を少しアップさせる
□50代は健康なうちに、資産管理や老後の住まいについて下準備をしておく
参照:『サンキュ!』1月号「2人暮らしの暮らしとお金大調査」より。掲載している情報は19年11月現在のものです。撮影/大森忠明 構成/竹下美穂子 取材・文/神坐陽子 編集/サンキュ!編集部
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