作り置きは無駄だった!?食費7万円→3万円!疲れない3つのやりくりの極意
2020/02/25
つい頑張ってしまい疲れがちになる節約。でも家計簿の内容をできるだけシンプルにしたり、作り置きの方法を見直すなど、よけいな手間をとことん省いた疲れない節約で、貯蓄0円から1000万円を突破したYさん。やりくりのコツを聞きました。
<プロフィール>
Yさん(神奈川県 31歳)
夫(31歳)、長女(4歳)、二女(1歳)。住まいは2LDKの賃貸。
◎MONEYDATA◎
夫月収(手取り)23万円
妻月収(育休手当・手取り)17万円
夫ボーナス(年間・手取り)100万円
月貯蓄額(投資含む)14万1000円
年貯蓄額(投資含む)269万2000円
総貯蓄額(投資含む)1320万円
「本当にやるべきやりくりはちょっとだけ」と気づいたから貯まった
<がむしゃらに頑張るより「最小限」にしたら全部いい流れに>
かつては1円も貯蓄をせず、「2万円残ったら旅行、が当たり前でした」と話すYさん。ところが出産し、周囲はちゃんと貯めていると知ってがくぜん。「うち、やばくない?」と、今度は猛烈な節約生活に突入しました。「1円でも安くとキリキリ。でも、たまるのはストレスだけで続かなくて」。そこで、発想を変え、〝疲れないこと〞だけでやりくりを再構築。「食材は安く買うよりロスを減らす。家計簿は変動費だけ書くなど、極力手間を減らしたら疲れなくなり、続くように!」。みるみる貯まる流れができ、あっという間に1000万円突破。
◆月貯蓄額0円の元ダメ→総貯蓄額1320万円!
貯蓄0円からの逆転人生、元ダメYさんの「疲れない貯蓄」ヒストリー
【ダメダメ期】
●2015年 結婚→貯蓄額0円
・夫婦ともに車が趣味。愛車が故障し、修理代に30万円が一気に飛んだことも。
・毎週末のように温泉に行きまくる。イベントがあるたび服を新調し、床が服で埋まる。
●長女誕生→貯蓄額50万円
【節約でお疲れMAX期】
・トイレのタンクにペットボトルを入れて夫が失笑……。
・1円でもお得を求めてスーパーをハシゴするもヘトヘトに。
・電気のスイッチを小まめに消して節電するも効果なし。
●2016年 夫婦で転職→貯蓄額300万円
【疲れない節約確立期】
●2017年 Yさん→仕事復帰
●2018年 二女誕生→貯蓄額720万円
●2020年 今はここ!→1320万円
Yさんの1カ月の家計表
<収入>
夫月収(手取り)23万円
妻月収(育休手当・手取り)17万円
<投資>
iDeCo 1万2000円
つみたてNISA 6万6000円
米国株 5万円
<特別支出>
予備費 6万円
被服費、レジャー費、冠婚葬祭費、特別出費などをすべてここに計上し、使わなければ積み立て。
<支出>
住居費(駐車場代込み)9万円
水道・光熱費 2万円
通信費 8000円
保険料 2000円
妻奨学金返済 1万7000円
食費 3万円
日用品費 1万2000円
医療費 3000円
ガソリン代 1万7000円
夫小遣い 0円
妻小遣い 0円
<貯蓄>
残し貯め(現金)1万3000円
◎月貯蓄額14万1000円。ボーナス100万円も貯めて年に約270万円貯まる。
ゆるく長く続けられる「疲れない」3つのやりくり
1 家計簿はシンプルに
<店名と金額だけなら、秒で終わる!途中集計なしでも使いすぎゼロ>
家計簿はマンスリー手帳を愛用。お金を使った日付に店名と金額だけ記入。「費目分けに疲れず、レシートを渡せば夫にも頼める(笑)。使うペースさえ確認していれば、だいたい予算内に収まります」。
◆月末に締めて収支を確認。インスタにものせてモチベーションUP。
2 銀行はネットだけ
<記帳に行かなくても固定費が一目瞭然。楽天スーパーポイントもたまる>
地元の銀行のATMは遠く、記帳が大変!「夫婦で楽天銀行に切り替えたら引き落とし内容がスマホでわかり超ラク。現金もコンビニで月数回は無料で下ろせ、時間外手数料を取られる心配もなし」。
3 特別出費は月収内でやりくり
<突然家電が壊れても困らない。特別出費も月収内で積み立てているから>
特別出費対策として、月6万円を確保。「毎月の生活費以外の出費はここから出すことにしたら、細かく考えなくてよくなり、貯蓄も安定。残ったらそのまま積み立て、大きな出費の備えにしています」。
<年間の特別出費を書き出したら年30万円近く減らせた>
「毎月の生活費以外のお金を書き出してみたら、年間では相当かかっていることが判明。思いつきで行くレジャーや外食のムダに気づき、貯蓄を大幅に伸ばせました!」。
「苦手」や「ムダ」をやめて食費7万円→3万円に大幅ダウン
頑張りすぎる作り置きはムリ。でも、平日にイチから作るのは面倒。ちょうどいいルーティンを探したら、忙しくても外食に頼らなくなり、食費が半額以下に。
疲れる週の後半は「下味をつけた肉を焼くだけ」で外食いらずに
木・金は疲れて外食に頼りがちだったので、土・日に下味冷凍肉を2つ作製。「解凍して焼くだけなら夫でもでき、忙しくても安心。病気で寝込んでも、べんとうや総菜を買わずにすみ、なにかと重宝!」。
◆家族に人気の味つけはみそ+マヨ、にんにく+しょうゆ、酢+しょうゆ+コチュジャン。
おうちごはんはレシピ通りでなくていい。何でも OKにしたら自炊が続いた
「〝いちょう切り〞など切り方にはこだわらず、食材もそのとき安い物で代用するなど、できるだけ手間を省いて簡単に。調理に対するプレッシャーが減り、自炊が自然に長続き」。
ビールやお菓子などの〝お楽しみ食〞はウエル活でゲット
嗜好品は、ポイ活でためたポイントを使い、ドラッグストアで無料で手に入れます。「ただし、使ったポイントも〝出費〞として家計簿に記入。ビールやお菓子の必要量を意識して買うようにしています」。
捨てた食品メモとまとめ買い食材写真で、食品ロスも大幅減
使い切れずに捨てた食材をメモしたら、買いすぎや苦手な食材が浮き彫りに!「もやしは2袋買っても使い切れないとわかり、特売でも1袋までに」。
まとめ買いした食材の集合写真を撮影。「1週間で使い切れる肉や魚、野菜の量を徐々につかめ、食費が安定するきっかけに」。
◆「捨てた食品メモ」で買いすぎに気づけた!適量もわかるように。
◆「まとめ買い食材写真」季節の葉野菜と根菜、肉4:魚3のバランスで買っています。
<食費DATA>
買い物の回数:週末1回+買いたし1回
よく行く店:近所の大型スーパー
「週末に6000円分ほどまとめ買い。牛乳やパンなど週の途中の買いたしは、1000円以内が目安です」。
レンチンするか漬け込むだけの作り置きを常備。「あと一品」にお金も労力も使わない
副菜に悩むと、総菜に走りたくなるから簡単な作り置きを。「面倒な物は続かないので、切って混ぜるだけ、レンチンだけでできる物に限定。一品あると満足度が上がり、つまみ代が浮く効果も」。
●えのきのなめたけ風
ラップをふわっと掛けて3分チン。甘めの和風味に。
●キャベツとベーコンのコンソメ蒸し
コンソメスープの素をふってチンして混ぜるだけ。
●長いも漬け
酢じょうゆ、またはわさびじょうゆで漬けるだけ。
まず「これは本当に必要な服か」を考え抜けばムダ買いは減らせる
以前は出かける予定があるたびに買い、数回着るだけで飽きていた洋服。思い切って処分したら、本当に好きで必要な服がわかり、大事に長く着られるサイクルに。
「捨てられる服がなければ新しい服は買わない」がルール
油断すると増えてしまう洋服は、クローゼットに入る量に限定。買うならどれか捨て、定量をキープします。「まだ着られる服や小物を処分するのはつらく、罪悪感が。よほどでないと新しい服は買わなくなりました!」。
◆これが夫婦1年分の服全部。
洋服も写真に撮っておけばうっかりセール買いを防げる
手持ちの服は1枚ずつ撮影してスマホに保存。「アルバムにすると一覧表示でき、お店で簡単にチェック可能。夫も私も、物欲に負けて似たような服や、合わせにくい服を買ってしまうミスがぐっと減りました」。
ストレスなく貯める秘訣は、夢を具体的に決めること
ただ節約を頑張っていた時代は、つらいだけで夫ともケンカばかり。目標を明確にし、ライフプランを書いたら、やる気がわいて気持ちにゆとりも。
「老後は移住」が夢。マイホームを焦らなくなり、貯蓄プランにゆとりが
老後は気候がよく、食べ物もおいしい長野で暮らすのが夫婦の夢。「夫と何度も話し合い、今マイホームにお金を使うより、老後に取っておこうと。夫婦の目線がそろったのが心強く、家計に迷いがなくなりました!」。
◆老後資金→目標3000万円
まずは「娘2人が理系大学を卒業できる教育費」を貯めるのが目標
夫婦で理系出身のため、子どもが同じ道を進んでも応援できるよう教育費は1人1000万円を目標に。「地方大学に行けば仕送りも必要。中学からは塾代などもかかるので、小学校時代に貯め終えたいです」。
◆長女1000万円→達成済み 二女1000万円→つみたてNISA+これから貯蓄
夫婦の小遣いはどうしてる?
<夫婦とも小遣いはなし!でもお互い好きな車は買おうと決めた>
夫婦で車好きで、それぞれ好みのスポーツタイプを所有。「家計を相談したとき、車だけはどうしても好きなものに乗りたいと意見が一致。その代わり、小遣いはなしと約束しました。維持費はかかりますが、日々の満足度はとても高く、ほかでぜいたくしたい気持ちが起きません」。美容院代や洋服代、飲み会代などは特別出費の予算の範囲でやりくり。本当に好きなものをガマンしないことで、夫婦の絆も深まり、家計に協力し合える関係に。
Have a try!
□家計簿の記入はシンプルにしてみる
□簡単にできる作り置きだけ作ってみる
□貯蓄するための目標や具体的な夢を考えてみる
参照:『サンキュ!』2020年3月号「疲れない節約、貯まる新常識」より。
撮影/大森忠明 編集/サンキュ!編集部
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