腸の超働き者「短鎖脂肪酸」がポイント!すぐに始められる腸にいい食べ方

2023/10/16

最近の研究で、腸が人間の体と心の健康と深く結びついていることがわかってきました。腸内環境を整える食べ方にすれば、さまざまなメリットが生まれるんです!今日から腸にいい食べ方を意識しましょう♪

自律神経研究の第一人者。順天堂大学医学部教授。自律神経に関する著書は累計300万部突破。最新作は『なんとなく...

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腸にいい食べ方=腸の超働き者を増やす!

健康のためには、腸内の善玉菌を悪玉菌より優位にすることが大切。なぜなら、悪玉菌は体に有害な毒素を作り、善玉菌は体にいい働きをするから。善玉菌が生む物質の中で注目なのが、腸の超働き者である「短鎖脂肪酸」。善玉菌と善玉菌のエサとなる物質が結びつくことで生まれます。

大事なのはこの組み合わせ

善玉菌×エサ(食物繊維やオリゴ糖)

ハートの形を作る若い女性は彼女の胃に手します。
metamorworks/gettyimages

STEP 1 食物繊維やオリゴ糖をとる

STEP 2 腸に届いて善玉菌のエサになる

STEP 3 腸の超働き者が生まれる!

腸にいい食べ方でいいことがいっぱい起こる!

1 代謝が上がる

腸にいい食べ方によって生まれる「短鎖脂肪酸」は、血流にのって全身に届き、交感神経に働きかけます。「交感神経が活性化されると、心拍数や体温といった基礎代謝が上昇。消費カロリーが増えることで太りにくくなります」(小林先生)。

2 体脂肪が減る

「短鎖脂肪酸」は、体の脂肪組織のセンサーに「これ以上、脂肪を取り込まないで」という指令を出します。「そうすると、脂肪組織は体内への脂肪の取り込みをセーブし、脂肪の蓄積が抑えられるので体脂肪が減っていきます」(小林先生)。

3 悪玉菌をやっつける

「短鎖脂肪酸」が増えると、腸内環境が弱酸性に保たれるようになります。すると、悪玉菌の増殖が抑えられます。さらに、「直接悪玉菌を退治する殺菌作用を持つ働き者もいて、腸内が善玉菌優位に保たれるようになるのです」(小林先生)。

4 免疫力がアップする

腸は体内への病原体などの侵入を防ぐ最終防衛ライン。そのため、たくさんの免疫細胞が集まっています。「『短鎖脂肪酸』は腸の粘膜のエネルギー源となり、粘膜を丈夫に保ってくれる働きを持っているので、免疫力がアップします」(小林先生)。

“善玉菌”と“善玉菌のエサ”となる食材はセット食べが基本!

下記の食材をなるべくバリエーション多く取るように心がけましょう。

腸に超いい食材リスト

〈善玉菌を含む主な食材〉
ヨーグルト
チーズ
納豆
みそ
キムチ

〈善玉菌のエサとなる主な食材〉
~食物繊維が豊富~
もち麦
ごぼう
ブロッコリー
オクラ
アボカド
きなこ
しめじ
ナッツ類
わかめ
納豆
バナナ
キウイ
~オリゴ糖が豊富~
甘酒
玉ねぎ
はちみつ
アスパラガス
にんにく

すぐ始められる!腸に超いい食べ方メモ

腸の超働き者である「短鎖脂肪酸」を効果的に増やすために、取り入れやすい食べ方を小林先生が伝授。どれも難しいことではないので、1つでも多く取り入れて!

朝食やおやつには青いバナナがベスト

バナナには胃腸で消化されにくく、大腸まで届いて善玉菌のエサとなるでんぷん質(レジスタント・スターチ)が含まれています。とくに全体が黄色い物より青めのバナナのほうが豊富。1日2本を目指して食べましょう。

1日1回はねばねば食材を食べる

食べ物のねばねば成分は、一般的に水溶性食物繊維とたんぱく質が結合した物。善玉菌のエサとしてうってつけなのです。とくに便秘がちな人は積極的に食べてみて。

白米にもち麦を足したもち麦ごはんが最強の主食

もち麦には、善玉菌のエサになる水溶性食物繊維が豊富。効率的に腸の超働き者を増やすことができます。最初は白米に対して1~2割程度の量から始め、食べ慣れてきたら少しずつ増やしてみましょう。

ビフィズス菌入りのヨーグルト+果物は美腸デザート

大腸で働く善玉菌とエサをセットで食べるのに、ぴったりなのがフルーツ入りヨーグルト。とくにビフィズス菌入りのヨーグルトとキウイやバナナの組み合わせがおすすめ。

砂糖はオリゴ糖にスイッチする

コーヒーや紅茶に入れたり、料理にオリゴ糖そのものを使うことで、善玉菌のエサが効率的に増やせます。オリゴ糖は大腸までそのまま届きやすいので、腸の超働き者がたくさん生まれます。

食事は寝る3時間前までに済ませる

寝ている間は腸が活発に動くゴールデンタイム。その時間に消化物が腸に届いていないと善玉菌のエサになってくれないので、寝る3時間前までには食事を済ませるように意識を。

体にいい食材を意識している人はヨーグルトを積極的に食べている!

『サンキュ!』が20~50代の女性500人を対象に調査したところ、約7割の人が自主的に健康対策を行っていました。具体的な方法の上位は「感染症対策」と「体にいい食材を食べる」が2大対策。そして、「体にいい食材を食べる」と答えた人が積極的に取り入れている食材ナンバーワンがヨーグルトだったんです!

体にいい食材を食べている人が取り入れている食品

1位 ヨーグルトやヨーグルトドリンク…… 74.4%

2位 納豆……71.6%

3位 大豆製品…… 67.8%

※「サンキュ!女性の健康ストレス意識調査」(N=211 複数回答)23年8月実施。

<教えてくれた人>
医師 小林弘幸先生
順天堂大学医学部教授。順天堂大学に日本で初めての便秘外来を開設した“腸のスペシャリスト”。

参照:『サンキュ!』2023年11月号「腸にいい食べ方にすればいいことがいっぱい!」より。掲載している情報は2023年9月現在のものです。監修/小林弘幸 撮影/奥村亮介(スタジオバンバン) イラスト/mappy 編集/岡部さつき(風讃社) 構成・文/杉澤美幸 編集/サンキュ!編集部

 
 

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