自宅の便器にトイレットペーパー。

黒い便が出たら要注意…!?危険な「便の色」と毎日のセルフチェックが重要な理由とは

2024/09/14

自分の便の色をチェックしていますか。便の色は自分の健康状態を知るためのヒントであり、重大な病気を発見するきっかけになることもあります。

便の色と健康状態の関係について、消化器病専門医・消化器内視鏡専門医などの資格を持つ、まきこ胃と大腸の消化器内視鏡クリニックの院長、船越真木子氏に聞きました。

Q.便の色で健康状態を知ることはできますか

便の色で健康状態を知ることはできます。消化管(口に食べ物が入ってから、便として排出されるまでに通過する臓器)に問題がなければ、健康な色の便が出てきます。

ただし、消化管に異常があっても、病気が初期である場合は便の色に変化を及ぼさないこともあります。

Q.健康な便の色とはどのようなものですか

一般的には黄褐色(黄味がかった段ボールのような色)が正常とされていますが、その人によって茶色~黄土色~黄色まで色調は異なります。

Q.注意が必要な便の色にはどのようなものがありますか

腸疾患のコンセプト。腸、腸を研究する虫眼鏡。胃腸病学
valiantsin suprunovich/gettyimages

注意が必要な便の色には、次のようなものがあります。

・黒い便:
黒い便は、上部消化管(食道や胃・十二指腸)からの出血が疑われます。血液中の鉄分が胃酸と反応して、コールタールのようなべたっとした黒い便が出ます。

便は、食べ物や鉄剤の影響で黒くなる場合もあります。その場合には黒灰色になることが多いです。ご自身では分かりにくいかもしれませんが、慣れた医療者であれば目視で判別がつくことがあります。黒い便が出たら、写真を撮っておくのをお勧めします。

・赤い便:
赤い便は、明らかに腸のどこかで出血をしていることを表します。

赤い便が出た場合、便の表面だけに血液が付着しているのか、便全体が赤いのか、血液そのものが固まったゼリー状なのかを医療者に知らせてください。その際、前後の便は硬い便だったのか、下痢だったのか、腹痛は伴ったのかなども伝えましょう。

・白い便:
白い便は、黄色い成分である胆汁の分泌がうまくいっていないことを示します。胆汁は肝臓で生成され、胆管を通って十二指腸に分泌されます。この通り道のどこかに不具合があると、便が白っぽくなります。

Q.便の色以外からも、健康状態をチェックすることはできますか

便の色以外、形状やにおいなどからも、自分の健康状態のチェックは可能です。便秘か下痢か、においがいつもと違わないか、腹痛や発熱は伴うのかなども判断の材料となります。

例えば、お肉を食べすぎて消化不良を起こすと、便のにおいがきつくなることがあります。毎日の食事内容や体調と、便の色・形・匂い・頻度などをリンクさせて、ご自身の健康データとして蓄積していただければと思います。

Q.便の色や形などに異常を感じたら、何科にかかればいいのでしょうか

まずは消化器内科や胃腸内科を受診できるとベストです。消化管の専門医師たちが過不足なく病気を診断してくれるでしょう。

消化器内科が近くになければ、内科・総合内科でも対応が可能です。消化器外科や外科でも診てもらえる場合もありますので、一度受診前にお電話などで問い合わせされるとよいでしょう。

教えてくれたのは・・・

船越真木子 院長

まきこ胃と大腸の消化器内視鏡クリニック(京都)院長。2005年神戸大学医学部卒。京都大学医学部附属病院等の勤務を経て、2021年に「まきこ胃と大腸の消化器・内視鏡クリニック」(京都市伏見区)を開院。がん罹患数の第一位である大腸がん、第三位である胃がんを早期発見するため、苦痛の少ない高精度な内視鏡検査を提供している。ミッションは『人生を最高に楽しめる体と心を支える』。総合内科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医。

取材/文:山名美穂(Instagram「@mihoyamana」)
編集:サンキュ!編集部

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