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ひんやり甘い「アイスクリーム」vs.「シャーベット」太りやすいのはどっち?

2024/06/01

ひんやり甘い「アイスクリーム」と「シャーベット」。香りや味、食感など、さまざまな種類がありますが、じつは太りやすさもけっこう違うのだとか。

そこで、管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つライターのゆかりさんに、「アイスクリーム」と「シャーベット」、どちらが太りやすいのかについて解説してもらいました。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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アイスクリーム類の分類

一口にアイスクリームといっても、じつは細かく分類されていることをご存じでしょうか?

わたしたちがアイスクリームと思っているものは、アイスクリーム類と呼ぶのが正しい呼び方なのです。これらは、以下のように3種類に分類されています。

・重量あたり乳固形分15%以上、そのうち乳脂肪分8%以上…… 種類別アイスクリーム
・重量あたり乳固形分10%以上、そのうち乳脂肪分3%以上…… 種類別アイスミルク
・重量あたり乳固形分3%以上…… 種類別ラクトアイス

なお、乳成分が使用されていても乳固形分が3%未満の場合は、種類別氷菓に分類されます。アイスキャンディー、かき氷、シャーベットなどがこれに当たります。

商品パッケージには、必ずいずれかが記載されることになっています。

もっとも高カロリーなアイスクリーム類は?

アイススプーンでアイスクリームスクープ
kuppa_rock/gettyimages

それでは、アイスクリーム類は、乳脂肪分が少ない種類ほど低カロリーなのでしょうか?

答えは、Noです。

その理由は、乳脂肪分が少なくても植物油脂などが多く含まれているものは高カロリーになってしまうからです。乳脂肪分に代わってなめらかな食感にするため、特にラクトアイスでは多くの植物油脂が添加されることがあります。

そのため、日本食品標準成分表2020年版(八訂)では、ラクトアイス(普通脂肪)100gあたり217kcalに対し、同重量のアイスクリーム(普通脂肪)では178kcal、アイスミルクは167kcalとなっています。

アイスクリーム類の中で数値上もっとも太りやすいのは、意外にも乳脂肪分がもっとも少ないラクトアイスということになります。では、シャーベットはどうでしょうか?

シャーベットのカロリーは高い?低い?

ウォーターメロンシャーベット
Nadezhda_Nesterova/gettyimages

シャーベットの場合、100gあたり128kcalといずれのアイスクリーム類よりも低カロリーになっています。

シャーベットは果汁や糖液などをベースにして作られ、なめらかさよりもシャリシャリとした食感とさっぱりとした口当たりからわかるように、植物油脂が加えられることはほとんどないからです。

カロリーだけでみると、「シャーベット」の方が太りにくいということができます。

糖質が高いのは「シャーベット」

では、カロリー以外の栄養素の含有量をみてみましょう。

以下は、それぞれ左から100gあたりに含まれるタンパク質、脂質、炭水化物の数値を示しています。

アイスクリーム:3.9g/8.0g/23.2g
(普通脂肪)

アイスミルク:3.4g/6.4g/23.9g

ラクトアイス:3.1g/13.6g/22.2g
(普通脂肪)

シャーベット:0.9g/1.0g/28.7g

果物などの繊維分を含まないシンプルな種類であれば食物繊維はほぼ0gと考えられるため、炭水化物は糖質の量と同じと考えて構いません。

アイスクリーム類(※)の糖質はいずれもほぼ同じくらい、シャーベットはそれらよりもやや多く糖質を含んでいることが分かります。

このことから、糖質を気にしている場合、「アイスクリーム」の方がやや太りにくいといえます。

※…… 混同のおそれがないため、以下「アイスクリーム」と記載。

決め手は「血糖値の上がりやすさ」

アイスクリームにもシャーベットにも一長一短があることがわかりましたが、果たしてどちらの方がより太りやすいといえるのでしょうか?

それは、「シャーベット」です。

シャーベットには糖質が多いだけでなく、同時にタンパク質や脂質がとても少なくなっています。そのことが、太りやすさと大きく関係しているのです。

わたしたちが食べ物を口にすると、その中に含まれている糖質は消化を経て血液中に取り込まれ、血糖値を上昇させます。すると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されることで、血糖値が下がります。このように、血糖値は一定に保たれる仕組みがあるのですが、血糖値を下げる過程で糖を脂肪に変えて体に溜め込んでしまうのです。

ちなみに、タンパク質や脂質が同時に含まれていると、血糖値の上昇をゆるやかにすることがわかっています。

このことから、ほぼ糖質の「シャーベット」よりも、ある程度のタンパク質や脂質も含む「アイスクリーム」の方が血糖値の上昇を抑えて太りにくくすることが期待できるのです。

食べた後の空腹感も抑える効果が◎

カップルの手でアイスクリーム
Mvltcelik/gettyimages

糖質を多く含んだ食物は、血糖値を急激に上昇させ、インスリンの作用によって急激に下降させることにも問題があります。これは、素早く満足感を得ることはできるのですが、空腹感も早く感じてしまうことになるのです……。

アイスクリームであれば、消化に時間がかかるタンパク質や脂質が含まれているので、空腹感はゆっくりとやってくることになります。つまり、間食などの防止に役立つといえるのです。

とはいえ、アイスクリームであればいくらでも食べていいのかといったら、そんなことは決してありません。

シャーベットよりも約2倍もカロリーが高いものがあることを忘れずに、一般的な間食の適量とされる200kcalに収まるものを選ぶようにしましょう。

また、パッケージなどでカロリーを確認できない場合は……

・アイスクリーム類の中でも種類別アイスミルクを選ぶ
・チョコレートや果物などが使われていないシンプルなバニラ味を選ぶ
・コーンやワッフルなどの糖質を多く含む添え物なしで食べる
・できるだけ小さいサイズやふんわりと軽い食感のものを選ぶ

ことをおすすめします。

さらに、太りにくくするコツとしては、空腹時の間食よりも食後のデザートにしたり、エネルギー消費の少なくなる夕方よりも前に食べるようにするといいでしょう。

紹介した内容を参考に、賢く取り入れてみてはいかがでしょうか?

■執筆/監修・・・

管理栄養士・ゆかりさん

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとしても活動。

参考サイト

 
 

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