バナナやパイナップルは果物じゃない!?まぎらわしい果物と野菜の違いとは?
2022/12/08
果物コーナーに並べられているスイカやメロンが、本来は野菜であることを知っている人は多いと思います。
ところが、バナナやパイナップルも同じだということはご存じでしょうか?
そこで今回は、管理栄養士のゆかりさんに、野菜と果物の線引きについてわかりやすく教えてもらいました。
また、そのほかにも同じような仲間についても知ることができますよ。
これで違いについて、堂々と答えられるようになるはず!
何でややこしいことになったのか?
スイカやメロンは、甘味のある食材ですが、畑では地を這うようにして育っています。
農林水産省(※1)では、そのように草として生える植物(※2)から採れる食材を「野菜」に分類しています。
ところが、スイカもメロンも果物コーナーに並んでいますよね?
市場や販売店では、デザートとしてそのまま食べられることから、「果物」として扱っているのです。
これらは、野菜に分類されながらも果物と同じような食べ方をすることから、「果実的野菜」という呼び方をされます。
生産者側と消費者側の視点の違いによって、こういったことになってしまったのです。
※1…厳密には、「野菜とは、食用に供し得る草本性の植物で、加工の程度の低いまま副食物として利用されるもの」「スイカ、メロン及びいちごは、栽培方法が苗を植えて1年で収穫する点で一般的な野菜と同じなため、野菜としての取扱いとなっている」と記載されていますが、わかりやすいよう簡略的な文章表現にしています。
※2…このことを草本性(そうほんせい)と呼びます。
ほかにもある?「果実的野菜」のいろいろ
「果実的野菜」の中に、いちごが含まれていることを知っている人もいるかもしれませんね。
いちごも、畑では茎を伸ばし、その付け根にいくつも実を付ける草本性植物なのです。
また、一見すると草には見えないけれど、実は草の実を食べているものがあります。
それが、
・バナナ
・パイナップル
・パパイヤ
などです。
バナナについては、熱帯植物園などで見かける機会がありますが、高くて太い樹に果実がなっているように見えますよね。ところが、樹に見えるものは葉がいくつも重なった偽茎(ぎけい)と呼ばれるものであるため、本来は野菜となるのです。
それ以外のものについても、すべて草として生えているため、「果実的野菜」となっていますよ。
実際の栽培の様子を知ってみよう!
ここではすべての食材の栽培中の様子をお見せすることはできませんが、インターネットで検索すれば簡単に画像を見ることが可能です。
ぜひ、お店に並ぶ食材の姿だけでなく畑などでの様子を知り、興味を持って食べるきっかけをつくってみてはいかがでしょうか?
■執筆/ゆかり…保育園調理、セミナー講師、出張料理、料理教室、食育サイトの記事執筆など幅広く活躍中の管理栄養士で食生活アドバイザー。1児の母。
編集/サンキュ!編集部
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