アク抜き必要なし!意外と気軽に食べられる山菜を野菜ソムリエが解説

2023/03/15

春になると一般的なスーパーでも山菜が売られることが多くなりますが、山菜って調味が難しそうだし、アク抜きが必要で面倒そう…そんなイメージがあるかもしれません。
しかし実際には、アク抜きが必要ない山菜も多く、意外と気軽に食べられる食材。
今回は、野菜ソムリエでサンキュ!STYLEライターの植松愛実が初心者さんにもおすすめな山菜をご紹介します!

整理・収納、家事・料理などさまざまな暮らしのアイデアが集うサンキュ!STYLEから、注目の記事をピックアップ...

>>>サンキュ!STYLE編集部の記事をもっと見る

「とりあえず天ぷら」でOK:タラの芽・ふきのとう

ほぼ全国的に流通している山菜であるタラの芽とふきのとう。
手に入りやすさと調理しやすさを兼ね備えたこの2つの山菜は、初心者さんにもっともおすすめです。

山菜の中でも特にファンが多いタラの芽。

とはいえ、タラの芽もふきのとうも「アク抜きが必要」と聞いた記憶のある方もいるかもしれません。
実は、ふき味噌を作る際などはアク抜きする場合もあるのですが、天ぷらのように高温の油で揚げる場合は、軽く流水で洗うだけでOKなのです!

「ふき」のつぼみ(花茎)である「ふきのとう」。開花のために溜め込んだエネルギーをいただく贅沢に感謝しながら食べたい。

洗ったあとはどちらも茶色くなっている部分は包丁で切り取り、ふきのとうは手でつぼみを開いて、タラの芽は包丁で切って一口大に。
あとはもう普通の野菜を天ぷらにするのと同じように衣をつけて揚げます。

ふきのとうを開くとこんな感じ。凹凸があるので衣がうまくつきにくいが、気にせず適当に揚げてもおいしくなるのが山菜の底力!

出来上がった天ぷらは、天ぷらつゆより塩の方が断然あいます。
もしご自宅に岩塩があれば最高!
またタラの芽・ふきのとうに比べると出回る量は少ないですが、コシアブラも同じくそのまま天ぷらにしておいしい山菜です。

タラの芽の天ぷら。高温で揚げることで苦味が抑えられ食べやすくなるので、私の地元では小学生にも大人気。

「茹でるだけ」で最強:こごみ

こごみは前述のタラの芽などと比べると知名度が低めですが、近年は都市部でも売っているのを見かけるようになりました。
こごみはとにかく茹でてマヨネーズをつけるだけで最強においしい山菜。
クセもなく子どもでも食べやすく、これだけ万人受けする山菜は他にないのでは、と思うくらいおいしいです。

味のイメージは、アスパラからスジっぽさと青臭さを引いた感じ。つまりすごくおいしい。ちなみに似たような形で茎の部分が茶色いのはこごみではなく「ぜんまい」でアク抜きが必要なので要注意。

くるんと丸まった部分に土が入っていることがあるので、ボウルに水を張ってこごみを入れ、しばらく放置して汚れを取り除いたら、沸騰した鍋たっぷりのお湯に小さじ1ほどの塩を入れて2分ほど茹でます。
あとは食べやすい大きさに切って、マヨネーズだけでも、鰹節&マヨネーズでも、味噌&マヨネーズでも。

そのままの長さで野菜スティック風に食べてもいいし、短く切っても和えても。

シンプルだけどおいしくて、農家の皆さんがよく食べている方法でもあります。
マヨネーズは苦手orカロリーが心配という人は、塩をひとつまみ振るか、からしや粒マスタードでもおいしいです。

もはや「生でも食べられる」:ウド

ウドの白い部分は、生でも食べられます。
地面に生えている状態のとき白い部分はすべて地中に埋まっていて、太陽の光を浴びていないのでアクも少なくとても柔らかいのです。

白色部分と緑色部分の比率は栽培方法によって変わってくる。この写真では白色部分が長め。ちなみに緑色部分は生ではアクが強いので、天ぷらかきんぴらがおすすめ。

皮を剥いて薄くスライスして、サラダに入れてもいいし、ゴマ和えでも酢の物でも。
アスパラなど他の春野菜と一緒にピクルスにしてもおいしいです。

ウドとアスパラの春野菜ピクルス。にんじんやパプリカのピクルスを作る時と同じレシピでOK。

もちろん加熱してもおいしいので、定番のきんぴらのほか、エビなどと一緒に中華炒めにしてもあいます。
余裕があれば皮を捨てずに細切りにしてきんぴらにすれば日持ちする常備菜になります。

ウドとインゲンとエビの中華炒め。ウドは味わいが淡白なので、ほぼすべての食材と相性がいい。

今しか味わえない「春の味」を楽しんで

今回はアク抜きの要らない山菜の中でも特に流通量が多いものを中心にご紹介しましたが、他にもウルイやミズなど、主に道の駅や地方のスーパーで売っているものでアク抜きの要らないものがまだまだあります。
さらに、アク抜きが必要な山菜にももちろんおいしいものがたくさん。ふき(ふきのとうが成長したもの)、わらび、ぜんまい、よもぎ……、どれも唯一無二の香りと旨味を持つ山菜たちです。
ぜひ今しか味わえない「春の味」にトライしてみてください!

雪解けとともに現れ、枯れ葉を押しのけるようにぐんぐん伸びる春の山菜。春一番の生命力をおいしくいただこう。

◆この記事を書いたのは・・・植松愛実
サンキュ!STYLEライター
身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND