【野菜のプロが解説】意外と知らない「菜の花」「菜花」のちがい

2023/03/20

野菜ソムリエプロで管理栄養士のサンキュ!STYLEライター小島香住です。

公園や土手・観光地などに咲いている「菜の花」と、スーパーで売られている「菜花(なばな)」。
この違いをご存知ですか?

意外と知られていない「菜の花」と「菜花」の違いを解説します。

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「菜の花」はアブラナ科の植物に咲く花すべて

あたたかくなってくると、道端や公園などに黄色い花を咲かせる菜の花を見かけることがありますよね。

鮮やかな緑の葉と茎に可憐でかわいい黄色の花が、春のきれいな青空にとても映えて、菜の花畑の観光スポットもあるほど人気の花です。

菜の花は、アブラナ(油菜)科の植物に咲く花のこと。
つまりアブラナ科であれば、どの植物からも菜の花が咲くのです。

スーパーで売っている「菜花(なばな)」はなに?

では、春になってスーパーに並ぶ「菜花」は一体何なのでしょう?
「菜花」は「なばな」と読み、食用菜花と言われることもあります。

まず油菜という植物についてですが、油菜は花が咲いたあとに結実したさやから取れた種を搾油して利用され、これが「菜種油」です。

一般的に菜花として流通しているものは、油菜を品種改良されてできたものとされていて、菜花用として栽培されたものがスーパーに売られているんですよ。

道端に咲いている菜の花は食用に適しているかどうか分かりませんので、むやみに食べることはやめましょう。

アブラナ科の野菜はこんなにあります!

野菜を科目で見ていくと、身近な野菜にもアブラナ科がかなり多いんですよ。

アブラナ科の野菜(一部)

・ブロッコリー
・大根
・白菜
・キャベツ
・かぶ
・クレソン
・小松菜
・チンゲン菜
・ケール    など

これらの野菜もアブラナ科なので、とう立ちさせれば菜の花が咲きます。

家庭菜園をしたことのある人は、採り遅れた野菜から菜の花が咲いた経験があるかもしれませんね。
もちろん野菜が花を咲かせたものですので、野菜の菜の花はおいしく食べることができますよ。

直売所では野菜の菜の花が売られていることもあり、時期になると菜の花を楽しみにしている人も少なくありません。

花が咲いても食べてOK

多くの菜花はつぼみの状態で売られていますが、収穫後も成長は進んでいるため、わりと短時間で花が開いてしまいます。

花が咲いてしまっても問題なく食べることができるので、一緒にお料理にしてみてくださいね。黄色がアクセントになって彩りもよくなりますよ。

もし気になる場合には、先の方を切り落として小さなグラスに入れておけば生花として楽しむこともできます。

ちがいを知って春の食卓を楽しもう

「菜の花」と「菜花(なばな)」のちがい、送り仮名のちがいだけのように思われていたかもしれませんが、じつはこのようなちがいがあったのです。

「菜の花」はアブラナ科の植物に咲く花すべてのこと。
「菜花(なばな)」は食用に品種改良された品種のこと。

そして、アブラナ科の野菜にも菜の花は咲き、おいしく食べることができること。


菜花料理を食卓に並べながら、ちがいについて話してみると会話が弾むかもしれませんね。

◆この記事を書いたのは・・・小島香住(こじまかすみ) 
野菜ソムリエプロ/管理栄養士
“野菜はもっと簡単にずっとおいしくなる”
食品メーカーでの営業・商品企画開発・メニュー開発などに従事したのち独立。現在は3歳の男の子を自宅保育しながら、法人向けのレシピ開発を行うほか、WEBサイトやSNSで野菜・果物の情報を発信。セミナー講師としても活動している。

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

 
 

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