【管理栄養士監修】賞味期限切れの「缶詰」はいつまで食べられる?
2020/05/26
長期保存食の缶詰はおいしいうえに長く持つので、どの家庭でも1つは置いてあります。しかし長期保存の缶詰は、賞味期限切れの缶詰が出てきたというのも珍しくありません。そこで気になるのが缶詰は賞味期限切れでも食べられるのかです。賞味期限切れでも食べられる目安を紹介します。
缶詰の賞味期限ってどれくらいあるの?
保存食や非常食としても人気が高い缶詰ですが、近年は味にこだわったものも多く見られます。
缶詰の賞味期限は中に入っている食品によって違い、魚介類肉類は36カ月、果物や野菜は24~36カ月となっています。※1
この賞味期限が切れた場合はどのような対処をすればよいのでしょうか?
賞味期限と消費期限の違い
ここで消費期限と賞味期限の違いについてまとめます。
賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「おいしく食べられる」期限のことです。
賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。※1
消費期限とは、賞味期限と同じように保存してた食べ物などが、記載されている「年月日」まで「安全に食べることのできる」期限になります。※1
お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。※2
もちろん賞味・消費期限ともに、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期間に関わらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。
缶詰の賞味期限の確認方法と開ける際の注意点
まず、缶詰の表面に記載されている賞味期限の確認方法について解説します。
賞味期限の記載方法によっては日付を間違えてしまう可能性があり、誤って食べてしまう可能性もあるので注意しましょう。
缶詰の賞味期限の見方
缶詰の賞味期限は蓋部分に記載されている数字を見ればわかります。
缶詰のフタ部分に印字されている賞味期限は期限の切れる年、月、日(年、月のみの場合もあり)が印字されていて数字のみ、ピリオドで切られている場合、-で区切られている場合があります。
また、缶詰によっては賞味期限だけでなく原材料ごとにアルファベットを組み合わせた缶詰品名記号と、製造工場を示すアルファベットやアラビア数字がいっしょに記載されることがあります。賞味期限は、数字のみで記載されているので、簡単に見分けることができます。
日本の缶詰には年から始まった賞味期限が記載されていますが、海外の缶詰は逆に日にちからかかれてある場合もあるので、気づかないうちに賞味期限切れになっている場合があるので注意しましょう。
賞味期限切れの缶詰を開けるときの注意点
賞味期限切れの缶詰で注意することは缶詰の爆発です。本来缶詰は加熱処理を行うので、めったなことでは爆発するまでの状態にはなりませんが、何らかの理由でガスが発生して膨張して、小さな刺激で爆発する場合もあるので十分に注意してください。
缶詰が膨張しているときには中の食品が腐敗してガスが溜まっていることがあるので素手で触らず、タオルをかけてその上から触って、何かあっても飛び散る範囲を限定することで被害を最小限に抑えることができます。
賞味期限が過ぎて傷んだ缶詰の特徴と見分け方
賞味期限切れの缶詰を食べられるかどうかを判断するには目視で確認、触って確認、鼻で確認の3種類に分けられます。
見て缶詰に異常がないか、缶詰のフタ部分を触って凹まないか、開けたときに異臭がしないかをみてどれにも該当しなければひとまずは安心といえるでしょう。
・目視での確認
缶詰に錆があるかどうかを確認する、膨張していないかを確認する
・触っての確認
缶詰のフタが押したときに凹まないかどうか
・嗅覚で確認
缶詰を開けたときに異臭がしないかどうか
以上の点をチェックするようにしましょう。
【日数別】賞味期限切れの缶詰はいつまで食べられる?
それでは、日数別に賞味期限切れの缶詰が食べられるのかどうかについて解説していきます。
賞味期限が1カ月過ぎた缶詰
賞味期限が1カ月過ぎた缶詰は、基本的には食べられると考えてもよいでしょう。※1
缶詰の賞味期限が3年程度ということを踏まえると、ほとんど誤差といってもよいくらいの水準です。
ただしこの賞味期限は缶などに傷がついていたり、開封されていない前提のものなので、しっかりと上記のチェックポイントを確認してください。
賞味期限が半年過ぎた缶詰
賞味期限が半年過ぎたとしても、缶詰が錆びていたり何らかの事情で穴が開いていたりして細菌が入り中の食品が腐敗していない限りは、理論の上では問題ない可能性が高いです。※1
こちらも見た目や臭いなどに違和感がないかをしっかりと確認することをおすすめします。あくまで自己責任ということを念頭においてください。
賞味期限が1年過ぎた缶詰
缶詰の賞味期限切れで1年たつと保存状態が悪くなっていることがあり、錆がつきやすくなったり、錆が進行して穴があくまで悪化することもあります。
そのため、かなり念入りに違和感がないかどうかをチェックしましょう。缶詰本体にさえ問題がなければ、中身は理論的には問題ない可能性が高いです。
缶詰の賞味期限切れって何年まで食べられるの?
缶詰は製造の段階で加熱処理が行われて、雑菌を死滅させて真空状態で保存できるようになっていることでかなりの長期保存が可能になっています。
缶詰の賞味期限は大体2年から3年に設定されていますが、中に食品を腐らせる細菌がいないことから、缶詰が賞味期限切れであっても、缶詰自体に問題がなければ腐ることはありません。
しかし、当然ながら風味は落ちていくため、自分自身でしっかりと食べられるのかどうかについて確認することが大切です。
また、保存環境についても、直射日光の当たる場所、高温や湿気の多い環境を避けて、缶と中身の劣化を防ぐことも覚えておくようにしてください。
食品別の缶詰の賞味期限はいつまで?
前項では缶詰全般に対する賞味期限切れの対応についてまとめましたが、ここでは食品別の缶詰の賞味期限と対処法について解説していきます。
非常食の食パンの食べられる目安
食パンの缶詰は約3年の賞味期限が設けられているものが多いです。※1
食パンの缶詰も滅菌されていることもあり、カビの心配は少なく、賞味期限切れになっていても缶詰に傷がなければ食べられる可能性が高いです。しかしながら、食感が悪くなったり味が落ちたり、パンのおいしそうな匂いがしなくなったりするので、早めに食べることをおすすめします。
パンの缶詰に目視で確認できない小さな穴が開いていた場合、パンにカビが生えてしまうときがあり、目視でカビが確認できなくてもカビのにおいがしたら食べるのをやめましょう。
賞味期限切れの乾パンが食べられる目安
乾パンはパンと言うよりビスケットに近いものになります。賞味期限は5年と長い期間が設定されています。
乾パンの賞味期限が切れたあとに食べられるかどうかは以下の3点で確かめます。
・さわったときの感触
・開けたときのにおい
・中身の見た目
乾パンは腐敗よりもカビが生えているかどうかを確認することが重要です。乾パンが湿気ていないか、変な色になっていないかを確かめましょう。※1
乾パンに湿気やカビが確認された場合は、缶詰に目視で確認できない穴が開いているということですので、念入りに周囲を見てみましょう。
シーチキン(ツナ)の食べられる目安
シーチキンの缶詰は3種類あり、油漬け、水煮、油入り水煮の缶詰に分けられます。どの缶詰も賞味期限が3年ほどのものが多いようです。※1
缶詰は真空になっているので油の酸化が起こりにくくなっていますが、缶詰に錆があったり、穴が空いていて、腐敗が始まっている場合は食べるとおなかを壊すので、缶詰が膨らんでいたり、異臭がする場合は食べないようにしましょう。
賞味期限切れの缶詰の廃棄方法は?
錆などによって缶詰が膨張していたり、缶を押すと凹んだりする場合は中の食品も腐っている可能性が高いため、中の食品を生ごみとして処分し、缶詰は洗ってから自治体のゴミの出し方に沿って処分していきましょう。
必ず缶詰の状態を確認して、中身が入ったまま捨てないようにするなど、適切な方法で廃棄しましょう。
賞味期限切れの缶詰には要注意!無理して食べないようにしよう!
缶詰の賞味期限切れはすぐにわかりにくく、元々の賞味期限が長い分どうしても気がついたら賞味期限切れになっていることも多いです。
しかし、賞味期限切れでも缶に異常さえなければ、中の食品がすぐに腐ったりするわけではないため、しっかりと中身の見た目やにおいなどをもとに判断するようにしましょう。
あくまで賞味期限は味の保証期間であり、食べられなくなる期限ではありません。賞味期限切れの場合でも、状態を十分確認し、加熱するなどして食事の一品に利用してもいいでしょう。