【管理栄養士監修】「梅酒」の賞味期限はいつまで?正しい保存方法も解説
2020/06/10
お酒を嗜まれるかたに、梅酒は人気です。ところで、梅酒の賞味期限がいつまでか、気になったことはありませんか?今回の記事では、梅酒の賞味期限について詳しく解説していきます。気になる保存方法や、傷んだ状態の様子まで記載してありますので、ぜひ参考にしてください。
梅酒は賞味期限が過ぎても飲める?
一般的に、梅酒は賞味期限が過ぎても飲めると言われています。梅酒などの酒類には、賞味期限が事実上はないからです。梅酒のような酒類は保管できる期間が非常に長くなっています。
何十年も昔のワインがいつまでも希少品として飲まれているのがそのよい例です。万が一、梅酒の表面が泡立つなどの変化が見られて不安なときは、80℃くらいでお燗をするとよいと言われています。
賞味期限と消費期限の違い
梅酒はアルコール類のため、賞味期限や消費期限はありません。ワインや焼酎が期限を気にせず楽しめるのと一緒です。なお、賞味期限については、梅の香りや独特の風味が楽しめるくらいまでが一応の期限とされますが、特に厳密な決まりはありません。
梅酒はアルコール度数が10度前後あるため、アルコールの殺菌効果により雑菌が繁殖しにくいとされています。そのため、熟成と味の変化を繰り返しながら、長期間楽しむことができます。
【保存方法別】梅酒の賞味期限は?
次に、梅酒の賞味期限について、保存方法別に見ていきましょう。梅酒の保存は各家庭によってそれぞれ違います。昔は梅酒を物置や縁の下の収納に入れて、暗所で保存するのが一般的でした。
しかし、現在のようにマンションなどの集合住宅での暮らしが中心の家庭では、冷蔵庫や冷凍庫を使用した保存方法が一般的になっています。次に、それぞれの方法で保管された梅酒の賞味期限について開封・未開封も含めて解説していきます。
未開封の梅酒の賞味期限
原則として、未開封の梅酒に賞味期限はありません。特に市販されているタイプの梅酒は抗酸化・抗菌作用をしっかりと保ち続けた状態で徹底した品質管理のもとで密封されています。
合成保存料などが使われていなくても、保存性には問題がありません。ただし保管場所は、日が当たらない場所にしてください。
開封済みの梅酒の賞味期限
開封済みの梅酒の賞味期限は、「びん」か「紙パック」かで期限が違ってきます。びんに入った開封済みの梅酒の賞味期限は数年、紙パックに保存された梅酒の場合は6カ月から10カ月ぐらいが賞味期限の目安と言われています。
紙パックはびんに比べて酸素透過性が高いため、賞味期限が短くなっています。開封済みの梅酒は、見た目の色や香り、舌の先に残る酸味の有無や、表面の泡立ちなどをよく確認してください。問題がなければ賞味期限内だと判断できます。
冷蔵庫で保存した梅酒の賞味期限
冷蔵庫で保存した梅酒の賞味期限は、原則としてありません。冷蔵庫は日光を遮り常に一定の低温が守られている場所なので、梅酒の保存に適しています。
家庭でつくられた梅酒も賞味期限は数十年とも言われていますが、近年の温暖化を考えると、冷蔵庫や床下収納・物置などの冷暗所に入れておくと安心です。梅酒はアルコール度数や砂糖の量によっても賞味期限が違ってきます。
冷蔵庫で保存しておいても、味や匂い・見た目に変化が出たら気をつけましょう。
冷凍庫で保存した梅酒の賞味期限
梅酒を冷凍庫で保存する場合も、賞味期限はありません。梅の実は取り除いたほうが衛生的です。梅酒をびんに入ったまま冷凍保存すると割れるおそれがあるので、フリーザーバックや密閉できるプラスティック製の容器などを使ってください。
フリーザーバッグの場合は小分けにして、少しずつ解凍して飲むこともできます。梅の実は冷蔵保存だとカビが生えるおそれがあるので、冷凍庫に保存すれば、梅酒と一緒においしい梅の実も味わうことができます。
傷んだ梅酒にはどんな特徴があるの?
梅酒は、基本的に賞味期限はありません。しかし、直射日光が当たる・高温多湿の場所での保管など、悪い条件が重なると傷む場合があります。では、傷んだ梅酒にはどのような特徴が出てくるのでしょうか。
特徴1:カビが生える
梅酒にカビが生えるのは傷んでいる証拠です。この場合、カビを取れば大丈夫なわけではなく、梅酒全体が古くなっている証拠なので、飲まないほうがよいとされています。白カビが発生するのは余分な水分が入り込んだ影響です。
梅の実や保存容器のびんなどに水が残っていて、そこに菌が発生したからです。梅酒を移し替える際の容器の水分や、手づくりする際の水気の拭き取りは十分に行うように、ふだんから心がけておきましょう。
特徴2:酸味がある
傷んだ梅酒は、舌にピリッとくる酸味があるのが特徴です。舌に障る酸味やえぐみは、雑菌が入り込んで増えたり、長期間梅の実が入っていたことが原因の可能性があります。梅酒はふんわりとした梅のよい香りと舌に残るまろやかな甘みが特徴であるはずなのに、嫌な気分になるような酸っぱい刺激臭・味がある場合は傷んでいる証拠です。
梅酒自身が「飲まないで」と発しているサインなので気をつけましょう。梅の実から出るエキスで梅酒自体が茶色く濁ることがありますが、これは傷みではありません。
梅酒の正しい保存方法
梅酒は、正しい保存さえ心がけていれば、中身の変質を防いで安心して楽しめる期間を長持ちさせることができます。ここからは、おいしく梅酒を飲むための保存方法についてみていきます。梅酒には、日光と高温が大敵です。
梅酒は手づくりの場合は大きなびんに入れられていることが多いので、保存場所は物置や床下収納・地下室などの冷暗所が一般的です。直射日光が当たらず高温多湿にならない日陰で、風通しのよい場所を選んで保存してください。
冷蔵庫で保存する
現在は、梅酒は冷蔵庫で保存する方法が一般的です。安定した低温と密閉した室内の環境が保てる冷蔵庫は、梅酒の保存にとって理想的な場所です。市販の梅酒は冷蔵庫にちょうどよい大きさにつくられている紙パックやびんが多いので、保存に向いています。
びんのほうが密閉度が高い分、長期の保存に向いているので、紙パックなどに入っている梅酒は、びんに移し替えてから冷蔵庫に保存するとよいでしょう。梅の実から出たエキスで黒い沈殿ができる場合がありますが、その部分は飲まないほうがいいでしょう。
明らかに傷んだ梅酒には要注意!無理して飲まないようにしよう!
梅酒にいくら賞味期限がないからといって、おいしさが減っていく梅酒を無理して飲むのはやめしょう。特に、カビが浮いているもの、舌にピリピリと不快な刺激があるものや、嫌な匂いが発生している梅酒は要注意です。
いくらアルコールといっても、梅酒は食品です。梅の実が入っている場合は、カビが生えることもあり、それを飲むことで食中毒の原因にもなりかねません。おいしい梅酒を、安心して楽しめるうちに飲み切るようにしましょう。