【管理栄養士監修】賞味期限切れの「チーズ」はでいつまで大丈夫?開封状態に分けて解説
2020/07/22
チーズは発酵食品のため、すぐには傷まないと思っている人もいます。しかし、しばらくチーズを保存していると、賞味期限がすぎてしまっていたということもよくあります。また、チーズは発酵食品なので、腐敗が判断しにくいこともあるので注意が必要です。
チーズは賞味期限がすぎても食べられる?
チーズは発酵食品のため、すぐには傷まないと思っている人は多いのではないでしょうか。あるいは、発酵食品だが乳製品でもあるから危険かもしれない……と考える人もいるでしょう。
賞味期限がすぎたチーズが食べられるか否かは、チーズの状態や種類によって異なるので解説していきます。
賞味期限と消費期限の違い
ここで賞味期限と消費期限の違いについてまとめます。賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「おいしく食べられる」期限のことです。
賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限をすぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。
消費期限とは、賞味期限と同じように保存していた場合、記載されている「年月日」まで「安全に食べられる」期限になります。お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。
もちろん賞味・消費期限とも、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期限にかかわらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。
【種類別】チーズの賞味期限は?
賞味期限は、品質を保っておいしく食べられる目安の期限のことです。そのため、賞味期限がすぎても、すぐに食べられなくなるというわけではありません。
チーズによって製法や原材料が異なるため、同じ名前のチーズであっても賞味期限に差があります。
「ナチュラルチーズ」の賞味期限は?
チーズは、大きく分けてナチュラルチーズとプロセスチーズの2種類があります。ナチュラルチーズは乳酸菌や酵母菌などがチーズの中で生きているため、ナチュラルチーズを合わせて加熱・乳化させたプロセスチーズに比べると、賞味期限は短めとなります。
ただし、ナチュラルチーズでも製造や梱包などでその賞味期限は変わります。そのため、ナチュラルチーズの賞味期限は数週間から数カ月と幅が広くなっています。
プロセスチーズの賞味期限は?
プロセスチーズは加熱して発酵を止めたチーズで、乳酸菌や酵母菌が生きているナチュラルチーズと比べると、プロセスチーズのほうが賞味期限は長めになります。
ただし、プロセスチーズもナチュラルチーズと同様に、種類や製造方法などによって賞味期限の幅は広くなります。プロセスチーズの場合は数カ月から1年ほどが目安となるでしょう。
【保存方法別】チーズの賞味期限は?
パッケージに記載されている賞味期限は正しく保存されていた場合の目安なので、保存方法によってもチーズの賞味期限は変わってきます。
未開封のチーズの賞味期限
賞味期限は未開封の状態で、さらに正しい方法で保存していた場合を想定して設定がされています。そのため、未開封であればパッケージに記載された賞味期限に従うことになります。
チーズは種類によって保存方法は異なりますが、多くのチーズは未開封の状態で10℃以下の環境で保存した場合で、賞味期限が設定されています。
開封済みのチーズの賞味期限
賞味期限は未開封の状態で、さらに正しい方法で保存されている場合を想定して設定されているため、開封したチーズはパッケージに記載されている賞味期限に関係なく、なるべく早く食べきる必要があります。
その目安は1週間ほどですが、チーズの状態や保存方法によっては、さらに賞味期限が短くなることもあるので、食べる前には必ず状態を確認しましょう。
賞味期限がすぎて傷んだチーズの特徴
賞味期限は、品質を保っておいしく食べられる期限の目安です。そのため、未開封で正しく保存ができていれば、賞味期限がすぎたとしても、すぐに食べられなくなるわけではありません。
しかし、チーズの保存状況によっては賞味期限よりも早く傷んでしまうこともあります。もし、チーズが傷んでいれば、いくつかの特徴が見られるようになります。
特徴1:酸味や苦みが強くなる
腐敗したチーズを食べると、強い酸味や苦みを感じることがあります。口に含んだときに、舌がピリピリするような刺激を感じたり、いつもとは違う味だと感じた場合は、飲み込まずに吐き出したほうがよいでしょう。
カッテージチーズやブルーチーズなど、腐敗していない状態でも酸味や苦みのあるチーズもあり、判断がむずかしいことがあるため食べる際には注意が必要です。
特徴2:アンモニア臭がする
チーズにはもともとある程度の匂いがありますが、チーズの保存状態が悪くて、腐敗してしまうと強烈なアンモニア臭がしてきます。
また、チーズを食べた際に、以前よりも苦味を感じたり、舌をピリピリと刺激されるようであれば、発酵ではなく、腐敗が進んでいる可能性があるので食べることはやめましょう。
【日数別】賞味期限切れのチーズはいつまで食べられる?
賞味期限がすぎると品質は保てなくなりますが、すぐに食べられなくなるというわけではありません。しかし、保存方法によっては、賞味期限が前後してしまいます。
賞味期限を少しすぎたくらいであれば大丈夫だろうと安易に考えずに、必ず賞味期限をすぎた日数と、チーズの状態から、食べられるかどうかを慎重に判断する必要があります。
賞味期限が1カ月すぎたチーズ
チーズは賞味期限が1カ月ほどすぎていても、正しく保存できていれば食べられることもあります。しかし、保存状態によっては腐敗が進んでいる可能性があります。そのため、メーカーは賞味期限内に食べきることを推奨しています。
チーズの腐敗は判断しにくいこともあるので、賞味期限が1カ月すぎたチーズを食べる場合は状態をよく確認して、少しでも先に紹介したような傷んだときの特徴が見られた場合は食べるのを避けてください。
賞味期限が半年すぎたチーズ
賞味期限が半年もすぎていれば、未開封でも腐敗が進んでいる可能性が高いです。腐敗が進んでいれば、臭いや見た目で判断できる状態になっているでしょう。
多くのメーカーが賞味期限内に食べきることを推奨しているので、無理に食べることはやめましょう。
賞味期限が1年以上すぎたチーズ
ナチュラルチーズのなかには、ハードチーズのように1年以上かけて熟成させるチーズもあります。しかし、それは徹底してチーズの熟成環境を管理して、整えているからできること。
賞味期限が1年以上もすぎたチーズは、安全性の確認がむずかしいため食べないようにしましょう。
チーズの正しい保存方法
賞味期限は正しい方法で保存されている場合を想定して設定されています。そのため、パッケージに記載されている賞味期限までチーズの品質を維持したいのであれば、正しい方法で保存する必要があります。
もし、正しく保存ができていなければ、賞味期限を縮めてしまうことになり、傷みも早くなってしまいます。
チーズの品質を長く保つためにも、正しい保存方法を把握しておきましょう。
冷蔵庫で保存する
多くのチーズは開封・未開封に関わらず、10℃以下で保存します。そのため、チーズの保存には冷蔵庫が適しています。開封後はチーズを乾燥させないように注意しなければいけません。
そのため、ラップに包んだり、ジッパーつきの保存袋や密閉できる容器へ入れて、適度な湿度のある、野菜室で保存するようにしましょう。ただし、ナチュラルチーズの種類によっては、チルド室が適していることもあります。
例外的に、粉チーズは冷やすと固まって使いにくいので、常温保存がおすすめです。開封後はパッケージに記載された賞味期限に関係なく、早く食べきるようにしましょう。
冷凍庫で保存する
使い切れずに残ったチーズが賞味期限をすぎてしまうということはよくあります。そのため、開封後はなるべく早く食べきるようにしなければいけません。
しかし、開封後のチーズは冷凍することによって、1カ月ほど保存することができるようになります。ただし、冷凍したチーズは食感が悪くなってしまうため、解凍せずにそのまま加熱用として使うようにしましょう。
また、食べる前には必ずチーズの状態を確認するようにしましょう。
賞味期限切れのチーズには要注意!無理して食べないようにしよう!
賞味期限は、品質を保っておいしく食べられる目安の期限です。そのため、賞味期限がすぎてもすぐに食べられなくなるわけではありません。
しかし、チーズは、腐敗が判断しにくいこともあり、多くのメーカーは賞味期限内に食べることや、賞味期限が切れた場合は早く食べることをすすめています。