【管理栄養士監修】「芽キャベツ」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/12/30
芽キャベツは、キャベツの幼芽やキャベツを小さいうちに収穫したものではなく、別の種類の野菜です。コロンとしたかわいい見た目をしていますが、キャベツよりも栄養素が豊富に含まれています。芽キャベツを使った簡単でおいしく食べられるレシピも紹介していますので、参考にしてみてはどうでしょうか。
芽キャベツの種類
芽キャベツは、キャベツの変種で、「子持ち甘藍(コモチカンラン)」や「姫甘藍(ヒメカンラン)」とも呼ばれています。
キャベツは主軸の頂芽が結球するのに対して、芽キャベツは葉の付け根の脇芽が結球していきます。地上から伸びた茎に60個ほどが鈴のように実り、1個の大きさは一口サイズという言葉がピッタリな20g程度になります。
芽キャベツは高温と湿気に弱いため、収穫時期は11月中旬から3月までの冬が旬の野菜です。
芽キャベツのカロリーと栄養素
カロリーは、ゆでた芽キャベツの可食部100gあたりで49kcalです。
ふつうのキャベツは可食部100gあたり20kcalなので、ヘルシーさでは少々劣りますが、その分、芽キャベツはビタミンK、β-カロテン、ビタミンC、食物繊維、カリウム、とさまざまな栄養素を含んでいます。
芽キャベツの栄養素
・ビタミンK
・β-カロテン
・ビタミンC
・食物繊維
・カリウム
芽キャベツの栄養素1:ビタミンK
ビタミンKは、ゆでた芽キャベツ100gあたりに160μg含まれており、血液凝固を促進して止血する働きがあることから、止血のビタミンとも呼ばれています。
また、骨にカルシウムが沈着するのを助け、骨からのカルシウムの流出を防ぐ働きもあるため、骨の健康のためにも欠かせない栄養素といえるでしょう。
また、新生児はビタミンK欠乏に陥りやすいといわれており、出生後すぐにビタミンKの経口投与が行われているくらい重要な栄養素です。
芽キャベツの栄養素2:β-カロテン
β-カロテンは、色鮮やかな緑黄色野菜などに多く含まれ、人体の免疫機能を正常に維持するために必要不可欠な栄養素です。
β-カロテンは抗酸化作用があり、活性酸素から細胞を守ることで、がんの予防効果が期待されています。また、体内では必要に応じてビタミンAに変換されることで、肌の健康を維持して、美肌効果も期待できるといわれています。
芽キャベツの栄養素3:ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンの生成を補助したり、メラニン色素の過剰生成を抑制するなどの肌環境を整えてくれるといわれている栄養素の1つです。ゆでた芽キャベツ100gあたり110mgのビタミンCが含まれています。
ビタミンCには抗酸化作用もあり、細胞を若々しく保って、老化を防ぐ効果があるといわれています。紫外線が強くなる時期や、日差しを浴びる機会が多い人は、積極的にとりたい栄養素です。
芽キャベツの栄養素4:食物繊維
食物繊維は腸の消化吸収を助ける働きがあり、善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれるので、腸の健康を保つために重要な栄養素です。また、糖の吸収を穏やかにして血糖値の急上昇を抑えたり、コレステロールを吸着して体外へ排出する効果もあります。
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があります。これらはそれぞれ効果が異なっていて、バランスよく摂取することで、効果的に働くとされています。
芽キャベツの栄養素5:カリウム
カリウムは、過剰に摂取したナトリウムを体外へ排泄する働きがあり、生命を維持するうえで欠かすことのできない栄養素です。近年の食生活の変化やナトリウムの過剰摂取などにより、カリウムの摂取は重要視されています。
ナトリウムとカリウムをバランスよくとることで、高血圧やむくみを予防・改善したり、筋肉の働きを正常に保つ働きがあるといわれています。
芽キャベツはダイエットに効果がある?
芽キャベツには食物繊維が含まれているため、糖の吸収を抑えてコレステロールを吸着・排出したり、満腹感を長続きさせることが期待できるので、ダイエットに役立つでしょう。
また、芽キャベツに含まれるカリウムが、ダイエット中に気になるむくみの解消に効果的です。
芽キャベツを使ったおすすめのレシピ
さまざまな栄養を含む芽キャベツなので、できるだけ栄養成分を逃さないようにおいしく食べましょう。しかし、芽キャベツにあまり馴染みがなく、どうやって調理するのか、どんな料理にするとおいしいのかよくわからないかたも多いのではないでしょうか。
ここからは、芽キャベツの下処理やおいしい調理の仕方をいくつか紹介していきます。
芽キャベツのおすすめレシピ1:芽キャベツのゆで方とごま和えのレシピ
芽キャベツは通常、下ゆでしてアクを抜いてから調理します。下ゆでは少し面倒に感じるかたもいるかもしれませんが、このレシピでは調理時間10分以下で簡単に一品を仕上げることができます。
さっと塩ゆでした芽キャベツはそのままでも十分に甘く、少量の調味料を加えるだけで芽キャベツ本来の味わいが楽しめるレシピとなっています。
芽キャベツのおすすめレシピ2:芽キャベツのスープ
芽キャベツがおいしい冬の寒い季節にもぴったりな温かい洋風スープのレシピです。下ゆでをしないので、スープに溶け出した水溶性の栄養素も、むだなくしっかりとれるところがうれしいポイントです。
芽キャベツのほかにも冷蔵庫の残り物の野菜などをいっしょに入れて、さらに彩り鮮やかにアレンジしてみてもよいでしょう。
芽キャベツのおすすめレシピ3:甘くて香ばしい!芽キャベツのバター炒め
食卓にあと一品たしたいというときや急な来客があったときにも、短時間でパパッとつくれる、芽キャベツの食感を生かしたレシピです。
バターを使うことで芽キャベツの苦みが和らぎ、甘みが引き立った食べやすい味わいになっています。
芽キャベツをおいしく食べよう!
おしゃれな肉料理などのつけ合せとして見かけることが多い芽キャベツですが、簡単に調理できる食材なのでふだんの家庭料理にも手軽に取り入れることができるでしょう。調理の際は、芯までやわらかくなるように加熱して、苦みや甘みを上手に利用するのがポイントです。
カロリーはそれほど高くなく、さまざまな栄養素を含んでいるので、いろいろな料理にアレンジしておいしく食べてみてください。
監修者ミニコラム:本能的に「苦味」は危険?苦味をおいしく感じる大人舌の育て方とは?
芽キャベツには、成長するための栄養がぎっしり詰まっていて、苦味成分も多く含まれています。この苦味を好む人は、下ゆでなしでグリルする食べ方がたまらないようですが、そうでない人にとっては下ゆでしても食べにくいことも……。
苦味は、自然界では毒のあるものに多く含まれることから、子どもが嫌う味で「苦い=毒がある」と本能的に判断することが理由と言われています(甘味の1,000倍も敏感!)。
年を重ねて少しずつコーヒーやビールの苦味が気にならなくなるように、苦味は繰り返し慣れていくことによって閾値が下がる味なのです。
芽キャベツの苦味に慣れないうちは、オイル・ハーブ・香辛料などを多めに加えたり、乳製品やトマトを組み合わせてみては?