【管理栄養士監修】「柚子(ゆず)」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/12/31
ゆずは、ビタミンCやクエン酸など、さまざまな栄養素を含む柑橘類の1種です。ゆずそのものを味わうお茶や、加工された柚子胡椒など、食べ方もいろいろあります。今回は、ゆずの主な栄養素やおいしい食べ方などを紹介します。食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
ゆずの種類
ゆずは東北地方まで栽培が可能な、耐寒性の強い柑橘類です。
一口にゆずと言っても、大まかに分けて3種類あります。香気高く酸味が強い「本ゆず」、花の香りも楽しめる「花ゆず(一才ゆず・はなゆ・とこゆ)」、酸味が強く加工向けな「獅子ゆず(鬼ゆず・ジャガタラゆず)」があり、大きさや加工の方法もそれぞれ異なります。品種的には、本ゆずのみがゆずで、ほかは近縁種やぶんたんという別の柑橘類の仲間です。
ゆずは、ハウス栽培もされているため通年流通していますが、皮が青くて果汁が少ない未熟な青ゆずが夏、皮が黄色く果汁が多い黄ゆずが秋以降に多く出回ります。旬は、青ゆずが8月、黄ゆずが11月から1月です。
ゆずのカロリーと栄養素
生のゆずの果皮100gあたりのカロリーは59kcalで、果汁100gあたり21kcalです。
ゆず自体のカロリーは高くないですが、ゆずを使ったジュースやお茶など、加工品で摂取する際には砂糖が多く入っている可能性があるため、その場合は食べすぎ・飲みすぎに注意してください。
ゆずの栄養素
・ビタミンC
・クエン酸
・カリウム
・食物繊維
・β-カロテン
ゆずの栄養素1:ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンの生成を補助したり、メラニン色素の過剰生成を抑制するなど、肌環境を整えてくれると言われている栄養素の1つです。紫外線が強くなる時季や、日差しを浴びる機会が多い人は、積極的にとりたい栄養素でしょう。
また、ビタミンCには抗酸化作用もあり、細胞を若々しく保ち、老化を防ぐ効果があると言われています。
ゆずの栄養素2:クエン酸
クエン酸は細胞内のミトコンドリアの中で、クエン酸回路というエネルギーを生み出す反応に関わる成分の1つです。エネルギー代謝を活性化させ、疲れのもとである乳酸を分解してくれます。そのため、疲労回復や筋肉痛を和らげてくれると言われています。
また、クエン酸が持つ酸味によって唾液や胃液の分泌を促し、食欲増進効果もあるとされるため、夏バテ防止などにも役立つでしょう。
ゆずの栄養素3:カリウム
カリウムは細胞の状態や血圧を調節しながら、つねに一定したよい体の状態を維持する役割のある栄養素です。カリウムには、体内のナトリウムの排出を促す働きがあることから、高血圧を防いだり、むくみを解消する役割があると言われています。
また、カリウムはカルシウムを骨に蓄積する効果を高めてくれるため、骨粗しょう症の予防効果も期待できるでしょう。
ゆずの栄養素4:食物繊維
食物繊維は、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えることによって、腸の健康を保ってくれる栄養素です。
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があります。これらはそれぞれ効果が異なっていて、バランスよく摂取することで、効果的に働くとされています。
食物繊維を多く含む食品は、糖の吸収を抑えてコレステロールを吸着・排出し、満腹感を長続きさせるというメリットがあると言われています。ゆずには、ペクチンと呼ばれる食物繊維が果皮に多く含まれており、腸内の善玉菌を増やす整腸作用によって便秘を防ぐ働きがあります。
ゆずの栄養素5:β-カロテン
β-カロテンは、色鮮やかな緑黄色野菜などに多く含まれ、人体の免疫機能を正常に維持するために必要不可欠な栄養素です。β-カロテンには抗酸化作用があり、活性酸素から細胞を守ることで、がんの予防効果が期待されています。
また、体内では必要に応じてビタミンAに変換されることで、肌の健康を維持して、美肌効果も期待できると言われています。さらに、鼻やのどの粘膜に働き、免疫機能を正常に保ってくれるでしょう。
ゆずはダイエットに効果がある?
ゆずには、腸内環境を整えて便秘の解消に役立つペクチンという食物繊維が含まれています。また、むくみを解消する効果があるカリウムも含まれています。そのため、ゆずはダイエットに役立つと言えるでしょう。
しかし、食欲増進の効果があるとされるクエン酸も含まれるため、食べすぎに注意してほかの食材とバランスよく摂取することを心がける必要があります。
ゆずを使ったおすすめのレシピ
ゆずを使った食品と言えば、柚子胡椒やゆずぽん酢などが有名ですが、そのほかにもゆず茶や、お酒、ジャム、ハチミツ漬け、味噌などが知られています。
ここからはゆずを家庭で日常的に活用するために、おすすめのレシピを紹介します。手軽に摂取する方法を把握して、毎日の食事に取り入れましょう。
ゆずのおすすめレシピ1:サーモンのゆずマリネのレシピ
サクで売られているお刺身用のサーモンを使った、簡単なマリネのレシピです。
サーモンに、黄ゆずや玉ねぎの風味をプラスすることで食べやすくなるでしょう。また、数時間寝かせることで味が馴染んでおいしく食べられます。おもてなし料理としても活躍する一品です。
ゆずのおすすめレシピ2:ユズティー
調理時間はわずか5分で、簡単にできあがります。また、茶こしを使って絞ると種も簡単に取り除けます。
ゆずのすっきりした香りと優しい甘みで、気持ちもリラックスできるでしょう。ユズティーは身体も温まり、風邪の予防にもおすすめの一品です。
ゆずのおすすめレシピ3:ユズカルボナーラ
ゆずのさわやかな香りが広がる一品です。ゆずに含まれるβ-カロテンは、油を使った調理で吸収率が高まるので、オリーブオイルとの相性もバッチリです。
皮も果汁も使用するため、ゆずを余すことなく堪能できます。できたてをおいしく食べるためにも、食卓に出すタイミングを見て調理をスタートさせましょう。
ゆずをおいしく食べよう!
ゆずにはさまざまな栄養素が含まれています。また、身近な調味料や薬味はもちろんのこと、お手軽で簡単なレシピも多く存在します。うれしい健康効果もたくさんあるため、ぜひ日々の食卓にゆずを取り入れてみてください。
ご紹介したレシピを参考に、ゆずをおいしく食べましょう。
監修者ミニコラム:余りがちなゆずの果肉を丸ごと活用する方法とは?
ゆずの香りには、350種以上の成分が含まれ、外皮の「ユズノン」が特徴的な香り成分となっています。リラックス効果や保湿効果があり、昔から果実を丸ごと浮かべたゆず湯としても親しまれていますよね。
そんなゆず、果皮や果汁は料理やお菓子に活用されますが、果肉は、薄皮が厚い/種が多い/甘味が少なく酸味が強いことから、あまり使われていません。
栄養成分表にも「果肉」は取り上げられておらず、果皮と果汁だけ使って捨てている人も多いのでは?
食べにくい欠点を補う方法としては、わたや薄皮に含まれるペクチン、果肉にも残るクエン酸を利用してジャムにするのが最適!ミキサーを利用して刻む手間を省くつくり方もあるので、果肉も有効活用してみては?