【管理栄養士監修】「油そば」は太りやすい?気になるカロリーと糖質量まとめ
2021/09/26
この記事では「油そば」のカロリーについて解説していきます。また、ダイエット中などカロリーがとくに気になるときに取り入れたい調理法や、食べ方などについてもご紹介します。
なお、文中のカロリー値は文末に載せた参考データを元にしています。(一部、参考データを元に独自計算をしている場合もあります。)
油そばを食べると太りやすい?
油そばとは、東京都武蔵野市が発祥といわれている麺料理のひとつです。
ラーメンに近い料理ですが、並々と注がれたスープはありません。スープ醤油だれやごま油などをからめて、お酢などの調味料を加えて食べることから「汁なしラーメン」とも呼ばれることもあります。
スープがない分、普通のラーメンよりもカロリーが低そうなイメージがあるかもしれません。実際のカロリーはどのくらいなのでしょうか。
油そばの1人前あたりのカロリー
焼豚、メンマやねぎ、温泉卵をトッピングした油そば1人前(372.5g)のカロリーは、596kcalです。
スープがない分低カロリーなイメージのある油そばですが、油そばと同様に具材が多く乗っかり高カロリーに見えるチャーシューメンと比較してみるとどうでしょうか。
塩味のスープに脂身が少ない焼き豚10枚を乗せたチャーシューメンと比較した数字は以下の通りです。
●油そば(1人前・372.5g):596kcal
●チャーシューメン(1杯・784g):564kcal
使用する中華麺はいずれも230g(343kcal)で同じです。トッピングによってもカロリーは変動しますが、「スープがないからラーメンよりも低カロリー」という誤ったイメージであることがわかります。
スープが少なくても麺にしっかりとからむよう、ラーメンよりも油が多く使われていることがカロリーが高くなる大きな要因です。
油そばの炭水化物量は?
近年カロリーと同じくらい重要視されるようになった栄養素が糖質です。糖質は、炭水化物から食物繊維を差し引いたものです。さきほどあげた醤油ラーメン1食分の炭水化物と糖質量を比較してみましょう。
●油そば:76.51g(72.71g)
●チャーシューメン:72.6g (69.07)
※括弧内は糖質量
油そばのほうが炭水化物量、糖質量とも若干多いものの、大きな違いはありません。油そば、チャーシューメンとも炭水化物と糖質の大部分が中華麺によるものです。1食分の中華麺230gには炭水化物が67.16g、糖質が64.17g含まれています。
糖質を摂取しすぎるデメリット
炭水化物に含まれる糖質はエネルギー源として重要な栄養素です。糖質が消化されてブドウ糖に分解されると脳のエネルギーとなり、頭がすっきりとした状態で日々の作業ができるようになるといわれています。
しかし、食べすぎてしまうことによるデメリットもあります。そのデメリットについて見ていきましょう。
体重増加
食事をすると血糖値が上昇し、膵臓からインスリンというホルモンが分泌され、血糖量を調節します。インスリンには、余分な糖を脂肪へ変えて体に蓄えようとする働きがあるのです。
血糖値が急激に上昇すると、インスリンが大量に分泌され、脂肪がつきやすくなります。
早期老化
「糖化」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。体内で過剰になった糖質がタンパク質と結びつき、老化促進物質を生成することを指します。そのため、糖質の取りすぎは老化を早める可能性があります。
老化促進物質が細胞にダメージを与えると、皮膚の老化や骨粗しょう症、アルツハイマー症や白内障のリスクが高くなります。糖質は人間が生きていく上で必要な栄養ですが、適度に摂取することが大切です。
油そばを食べる際のポイント
ここからはカロリーや糖質が気になるかた向けに、油そばを食べる際のポイントを紹介していきます。ダイエット中などに油そばを食べたくなった際の参考にしてください。
手作りする
油そばを食べたくなったら手作りしてみましょう。
手作りするメリットは、麺やトッピングの量、種類などを自分で調整できることです。中華麺ではなく、低糖質の麺やこんにゃく麺などで代用するという方法もあります。もやしやキャベツなどの野菜や、きのこ、わかめを多くトッピングすることで、満腹感も得られます。
お酢をかけると、血糖値の急激な上昇を抑える効果があります。油を控えめにして、多めのお酢で爽やかな酸味のある味つけにしてみるのもいいでしょう。
油そばを食べる前に野菜を食べる
油そばを食べる前に、食物繊維を豊富に含むサラダなどの野菜料理を食べましょう。メインの食事の前に野菜を食べると、野菜に含まれる食物繊維が血糖値の急激な上昇を防ぎます。
また、食感が増してよく噛んで食べるようになることから、噛む刺激によって脳の満腹中枢が刺激され、少ない量の食事でも十分に満足できる手助けをしてくれます。お店で食べるときも、なるべく先に野菜を摂取するようにしましょう。
食後には運動をする
油そばと一緒に餃子などをセットで食べてしまった場合は、いさぎよく運動してみましょう。運動は手軽にできる有酸素運動がおすすめです。
有酸素運動とは、酸素を使って筋肉を動かし、体に蓄えられている脂肪を燃やしてエネルギーをつくり出す運動のことです。例えば、水泳やジョギング、ウォーキング、サイクリングなどの長時間無理なく続けられるものがあります。
血糖値が最大になるのは、食後1〜1.5時間後と言われています。この時に軽い運動をすることで、血糖値の上昇を抑える効果を得られるのです。食後すぐに行うと、胃の消化を妨げる可能性があるので注意しましょう。
油そばを食べるなら量に注意!ほどほどに楽しもう
「油そばはスープがない分ラーメンよりもヘルシー」というイメージは誤りであることがわかりました。ですが、麺の量を少なくしたり、トッピングを工夫することで、カロリーを抑えることが可能です。
カロリーが気になるかたでも、たまには油そばのようなこってりした食品を食べたくなるときもあるでしょう。できるだけカロリーや糖質を減らす工夫をしつつ、食べすぎたと感じた場合には運動するなどして、油そばを上手に取り入れていきましょう。