【管理栄養士監修】「焼肉」は太りやすい?気になるカロリーと炭水化物量まとめ
2021/11/16
この記事では「焼肉」のカロリーについて解説していきます。また、ダイエット中などカロリーがとくに気になるときに取り入れたい食べ方などについてもご紹介します。
なお、文中のカロリー値は文末に載せた参考データを元にしています(一部、参考データを元に独自計算をしている場合もあります)。
「焼肉」を食べると太りやすい?
「焼肉」は、今も昔も変わらず幅広い世代で親しまれているメニューの一つです。
一言で「焼肉」といっても、部位によってカロリーは異なります。脂身の多い肉ばかりを選ぶと太りやすい料理といえるでしょう。
できるだけ低カロリーの部位を選ぶことは当然ですが、カロリーを抑えるためにどういったポイントがあるのかも確認していきましょう。
本記事は牛肉について紹介していきます。
「焼肉」100gあたりのカロリー
最近、居酒屋や定食屋ではメニューにカロリーが記載されていることがあります。これを目安の一つとして注文する人もいるでしょう。焼肉店では一人前当たり数切れが皿に盛られて出てきますが、どれくらいのカロリーがあるのでしょうか。
代表的な3つの肉の部位について、100g当たりのカロリーを紹介します。
牛カルビ100gあたりのカロリー
牛カルビ100gのカロリーを確認してみましょう。和牛、輸入牛でカロリーに違いがあります。
●和牛カルビ:517kcal
●輸入牛カルビ:371kcal
カルビは、バラ肉とも呼ばれ、脂質の多い部位です。同じ100gでも和牛と輸入牛でカロリーの差があるのは、脂質量の違いによるものです。カルビ100g中、和牛の脂質は50g、輸入牛は32.9gと大きな開きがあります。脂質は1gで9kcalあるため、和牛カルビのカロリーが高くなるのも当然のことです。
ロース100gあたりのカロリー
ロースは「肩ロース」「リブロース」などを総称したものです。カルビと同じく、脂身の量でカロリーは大きく異なってきます。リブロースはステーキ店などで出てくるものがイメージしやすいでしょう。ロース100gのカロリーは以下の通りです。
●和牛肩ロース:411kcal(37.4g)
●和牛肩ロース(赤肉):316kcal(26.1g)
●輸入牛肩ロース:240kcal(17.4g)
●輸入牛肩ロース(赤肉):173kcal(9.5g)
●和牛リブロース:468kcal(44g)
●和牛リブロース(赤肉):331kcal(27.5g)
●輸入牛リブロース:263kcal(19.5g)
●輸入牛リブロース(赤肉):174kcal(8.9g)
※括弧は脂質量
同じ部位で比較すると、輸入牛は和牛と比べて150~200kcal前後カロリーが低くなっています。また、赤身肉の方が脂質が少ない分さらに低カロリーになります。全体的にカルビよりも低カロリーですが、食品としては高カロリーといえるでしょう。
タン100gあたりのカロリー
「タン」は舌を表す言葉です。100gあたりの牛タンカロリーと脂質量を見てみましょう。
●牛タン:269kcal(21.7g)
牛タンは輸入牛リブロースと同じ程度のカロリーです。脂質も同程度含まれているため、あまりヘルシーとはいえないでしょう。
「焼肉」の炭水化物量は?
炭水化物は大別すると糖質と食物繊維に分けられます。糖質は私たちの体と脳を動かす不可欠なエネルギー源ですが、消費しきれなかった糖質は中性脂肪に変わり、体内に蓄積されてしまいます。そのため、とりすぎには注意しましょう。
上記で紹介した肉の部位には、炭水化物、糖質ともにほとんど含まれておらず、100gあたりの糖質量は、0.1g~0.4g以下と極めて微量です。「焼肉」を食べる際は、タレやご飯、お酒好きなかたであればビールなどに含まれる糖質に注意が必要です。
「焼肉」を食べる際のポイント
代表的な「焼肉」のカロリーなどについて解説してきました。高カロリーとはいえ、「焼肉」を食べたくなることもあるでしょう。ここからは、ダイエット中などでカロリーが気になるかたに向けて、「焼肉」を楽べる際のポイントを紹介します。
脂質の少ない方を選ぶ
肉の部位によるカロリーの違いは、ほとんど脂質量の差によるものです。牛肉であれば和牛よりも輸入牛を、ロースなど同じ部位でも赤身肉を選ぶことでカロリーを抑えられます。
低カロリーの部位を楽しみたいかたは、ホルモンから選んでみるのもいいでしょう。牛には4つ胃袋がありますが、第三胃であるセンマイは100gで62kcal、脂質も1.3gと低カロリーで低脂質なのでおすすめです。
野菜をいっしょに食べる
「焼肉」を食べるときは必ず野菜もセットで食べましょう。野菜に多く含まれる食物繊維には、糖や脂質を体外に排出するはたらきがあります。
あわせて野菜を食べる順番も意識しましょう。できれば肉を焼き始める前に、先に野菜を食べて食物繊維を体内に入れておくと、ご飯やビールなどで糖質を摂取しても血糖値の上昇が緩やかになります。
また、野菜には肉だけでは不足する食物繊維のほか、ミネラルやビタミンなども含まれています。野菜を取り入れることで、バランスよく食べることが大切です。
ご飯の量を調整する
「焼肉」にご飯が切り離せないと考えているかたも多いかもしれませんが、とくにダイエット中であればご飯の量は少なめにしましょう。
ご飯は1膳(160g)で269kcalあり、糖質も58.88gと高糖質な食品です。肉類自体が低糖質といっても、焼肉をおかずにご飯を何杯も食べしまうとカロリー、糖質ともオーバーしてしまうおそれがあるので注意しましょう。
タレを工夫する
焼肉のタレに工夫することもカロリーを抑える手段の1つです。焼肉のタレは、大さじ1杯(17g)で32kcal、糖質量が2.8gあります。肉やご飯と比べるとカロリーの絶対値は多くありませんが、少しでもカロリーを抑えたいかたはレモン汁や塩、コショウなどでいただきましょう。
また、たっぷりとタレをつけることで味が濃くなって食欲が増進する可能性もあるので、下味がついているものにはつけないなど、使用量を控えめにすることも大切です。
「焼肉」を食べるなら量に注意!ほどほどに楽しもう
厚生労働省によると、健康の保持増進を目的とした1日の推定エネルギー必要量は、30~40代の男性は約2700kcal、30~40代の女性は2000kcal前後とされています。
「焼肉」は、肉の選び方によってカロリーが大きく変わるので、高カロリーにするか比較的低カロリーな組みあわせにするかはすべて自分の選択次第です。今回ご紹介した注意点を参考に、食べ方や肉の種類を変え、「太りにくい焼肉」を楽しみましょう。