「オイスターソース」がないときに代用できる調味料を検証!おすすめの組み合わせも紹介【管理栄養士が解説】
2022/07/18
レシピをチェックしていざ料理をつくろうとしたところ、必要な調味料が切れていた……なんてこと、だれしも一度は経験があるでしょう。
でもその調味料、もしかしたら代用できるかもしれません!
今回ご紹介するのは「オイスターソース」の代用アイデア。
東南アジアや中華料理のレシピに使われることが多く、焼きそば、チンジャオロースー、ホイコーローなどの野菜炒め、ガパオライスやチャーハンなどのおいしさをUPしてくれるオイスターソース。スープ、煮物、和え物と幅広く使えるのも魅力的な調味料です。
管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つライターのゆかりさんに、オイスターソースの代用アイデアをレシピつきで紹介してもらいます。
オイスターソースの中身は?
オイスターソースとは、海のミルクとも呼ばれる「牡蠣(かき)」を発酵させた調味料。うま味成分が濃縮されていて、「牡蠣油」と呼ばれることもあります。牡蠣は英語で「オイスター」なので、オイスターソースの名で一般的に知られています。
そんなオイスターソースには、牡蠣以外にも含まれているものがあります。一般的な原材料には、
・牡蠣エキス
・砂糖
・食塩
これらが入っているものが多いようです。メーカーによっては、味・粘度・色の調整のために、水あめや醤油などの調味料、小麦粉、添加物などが使われていることも。
<うま味>・<甘味>・<塩味>をバランスよく含むところが、オイスターソースのおいしさの決め手といえます。
代用できる調味料は?
オイスターソースを使わずに、ほかの調味料で味を再現する方法はいくつもあります。ここからは、筆者の自宅にあった調味料でつくれる代用レシピをご紹介します。
【1】 鶏がらスープの素 × 醤油 × 蜂蜜
【2】 粉末だし × 醤油 × 蜂蜜
【3】 お好み焼きソース × 鶏がらスープの素 × 醤油
【4】 たこ焼きソース × 鶏がらスープの素 × 醤油
【5】 いしる(魚醤)× 醤油 × 蜂蜜
【6】 たこ焼きソース × 粉末だし × 醤油
【7】 ウスターソース × 蜂蜜 × スルメの戻し汁
【8】 アサリの煮汁 × 醤油 × 蜂蜜
持ち合わせていなかったのですが、麺つゆやナンプラーを使うレシピも。また、隠し味に味噌を加えるというのもありますが、今回は材料3つまでのシンプルなものを選びました。
【1】~【6】は地域性や好みにもよりますが、ご家庭で使われやすい調味料を中心としたもの。【7】と【8】はひと手間加える食材も組み合わせてみました。
つくり比べてみた結果……
オイスターソースは、商品によって原材料や製法の違いから、見た目や味に差があります。
一般的に、オイスターソースは黒くてサラッとしたものをイメージする人が多いと思いますが、前述のとおりメーカーによって原材料が異なるため、味だけでなく見た目にも違いが現れます。今回比較したオイスターソースには、基本の原材料以外に醤油、水あめ、酒精などが入ったドロッとしたペースト状のものでした。(写真左端)
上段左から順に【1】~【4】、下段左から順に【5】~【8】と混ぜ合わせたものを並べたのですが、見た目はさまざま。
このなかから個人的に味が気に入り、オイスターソースを使う料理に合いそうと感じたのは、次の3種です!
【1】鶏がらスープの素 × 醤油 × 蜂蜜
醤油の分量が多いとその香りとしょっぱさが際立つので、醤油を控えめにすればGood。鶏がらスープの素がない場合は、中華スープの素でも使える可能性大。蜂蜜を加える前に、スープの素を醤油に溶かしておくと◎。
<配合比率>鶏がらスープの素 …1.7g(小さじ1/2強)/醤油 …9g(大さじ1/2)/蜂蜜 …4.5g(小さじ2/3)
【5】いしる(魚醤)× 醤油 × 蜂蜜
色も薄く、さっぱりとした味だが、優しいうま味がGood。いしるは一般家庭での常備率は低いが、いわしを原料に発酵させた調味料(和製ナンプラー)で、醤油よりも低塩分、さっぱりとした麺つゆ感覚で使いやすい◎。
<配合比率> いしる(魚醤)…6g(小さじ1)/醤油 …1.5g(小さじ1/4)/蜂蜜 …6g(小さじ1弱)
【8】醤油 × アサリの煮汁 × 蜂蜜
あさりから塩味が強く出るので醤油を少なめに加え、蜂蜜で甘味を調えるようにするとGood。アサリの煮方にもよるが、コクがしっかりとしていてうま味を強く感じる(わが家では砂抜き後、アサリが浸るほどの水と料理酒大さじ1を加えて弱火でコトコト)。味噌汁づくりで味噌を溶く前に取り分け、小分けに冷凍しておくと使いやすい◎。
<配合比率>アサリの煮汁 …6g(小さじ1強)/醤油 …6g(小さじ1)/蜂蜜 …4.5g(小さじ2/3)
※配合比率は筆者が試してみておすすめと感じたもので、でき上がり目安は大さじ1杯分となります。調味料のメーカーによって味や風味が異なるので、お好みで加減してみてください。
※蜂蜜は1歳未満のお子さんには与えられない食材ですが、通常1歳未満のお子さんにオイスターソースを使うことはないので、甘味とトロミを加える目的で使用しています。ない場合は、甘味のバランスを合わせるために重量比1.3倍の砂糖で代用できます。
代用オイスターソース作成時の注意点
・代用レシピの【3】【4】【6】【7】で利用しているお好み焼きソース、たこ焼きソース、ウスターソースは、いずれも野菜が主原材料で酢を含んでいることから、フルーティーな風味が混じり、個人的には「代用に向かない」と判断しました。
・代用レシピ【2】で利用している粉末だしは、うま味が強くておいしいが、煮出した汁を使った方が舌触りはなめらかです。溶け切る顆粒タイプを使えばいいが、料理に混ぜるのであれば気にならずに使えそう。だし素材によって味にバラつきが出る懸念があります。
代用オイスターソースの楽しみ方は?
アジア系の料理の味つけだけでなく、マヨネーズと同量を混ぜて生春巻きやサラダのドレッシングにしたり、おでんのスープや唐揚げの下味に使うなど、料理のおいしさを格上げするのに役立つオイスターソース。
結局は個人の好みに合うものや、持ち合わせている調味料でつくればいいのです◎。
また、単体で使うことは少ないからこそ、そもそもオイスターソースにこだわらなくても、この記事で紹介したような調味料を加えたり、レシピの表記よりも増やして使うことで、うま味とコクのある味に仕上げることだって可能!
ぜひ、そういったことも参考に、料理作りに役立ててみてくださいね。