【管理栄養士監修】気になる「ちりめんじゃこ」のカロリーや炭水化物量とは?食べる際に押さえるべきポイントを紹介
2022/07/18
この記事では「ちりめんじゃこ」のカロリーについて解説していきます。また、ダイエット中などカロリーがとくに気になるときに取り入れたい食べ方などについてもご紹介します。
なお、文中のカロリー値は文末に載せた参考データを元にしています(一部、参考データを元に独自計算をしている場合もあります)。
ちりめんじゃこを食べると太りやすい?
ちりめんじゃこは、単体だとさほど高カロリーではないため、食べたからといって太る食べ物ではありません。ただし、塩分を多く含んでいるため、食欲を刺激して結果的に食べすぎてしまうことがあるでしょう。
また、ちりめんじゃこは体を構成する重要な栄養素や、血液をサラサラにする栄養素も含んでいます。
今回は、ちりめんじゃこの具体的なカロリーや炭水化物量といった数値とともに、栄養素や食べ方について解説します。
ちりめんじゃこ1食分のカロリー
ちりめんじゃこ大さじ1杯(5g)のカロリーは、10kcalです。これは、カタクチイワシやマイワシなど、いわしの稚魚を煮た後に乾燥させたもののカロリーになります。
食品分類上では、しらす干しとちりめんじゃこは同じ「しらす干し」として扱われていますが、水分量を70%程度にしたものを「しらす干し」、60~40%のものを「ちりめんじゃこ」と呼びます。
今回参考にしたデータは水分量が46%であるため、ちりめんじゃこのカロリーとして記載しています。
ちりめんじゃこの大さじ1杯のカロリーは高いものではありませんが、塩分が凝縮されて濃い味になっているため、食欲が増進される場合があります。したがって、ちりめんじゃこを食べる場合は、カロリーよりも食べ方に注意するといいでしょう。
ちりめんじゃこの炭水化物量は?
ちりめんじゃこ大さじ1杯(5g)の炭水化物量は、0.03gです。同じ重量に含まれるほかの三大栄養素の含有量は、タンパク質が2.03g、脂質が0.18gとなっています。
タンパク質が一番多く、炭水化物はほとんど含まれていないことがわかります。
「ちりめんじゃこ」と「しらす干し」の違い
前述したように、ちりめんじゃことしらすはどちらもいわしの稚魚を使ったものですが乾燥後の水分量が異なります。生のしらすを塩ゆでしてしっとりとした食感のものは「釜揚げしらす」と呼ばれ、その後、乾燥させたものが水分の多い順に「しらす干し」、「ちりめんじゃこ」となります。
「ちりめんじゃこ」は、干す際に広げた様子が織物のちりめんに似ていることが、呼び名の由来と言われています。
ちりめんじゃこに含まれる栄養素
ここからは、ちりめんじゃこに含まれる具体的な栄養素を見ていきましょう。
ちりめんじゃこには、健康を維持するために必要な栄養素がたっぷりと含まれているため、栄養素の役割とともに詳しく解説します。
カルシウム
ちりめんじゃこに含まれるカルシウムは、骨や歯の構成成分となりますが、この栄養素には神経の興奮を抑え、血液凝固作用を促すなどの役割があります。
カルシウムが足りないと、子どもは骨の成長が悪くなり、高齢の方は骨粗鬆症を起こりやすくなります。さらに、筋肉のけいれんやてんかんの原因になることもあるため、不足しないように注意しましょう。
1日の推奨量は、男性の場合、18~29歳で800mg、30~74歳で750mg、75歳以上で700mg、女性の場合、18歳~74歳で650mg、75歳以上で600mgとなっています。カルシウムの摂取量は不足しやすいため、ちりめんじゃこなどのカルシウムを含む食品を積極的にとり入れることをおすすめします。
ビタミンD
ちりめんじゃこに含まれるビタミンDには、骨格や歯の発育を促し、小腸でカルシウムとリンの吸収を促進させるなどの役割があります。
ビタミンDは、腸管でカルシウムが吸収されるのをサポートする成分です。ビタミンDが不足すると、結果的にカルシウム不足になる可能性があります。そのため、カルシウムだけでなくビタミンDも同時にとる方がよいと言えるでしょう。
これを踏まえると、カルシウムと豊富なビタミンDを同時に含むちりめんじゃこは、理想的な食材と言えます。
ビタミンB12
ちりめんじゃこに含まれるビタミンB12には、葉酸といっしょになって赤血球に含まれるヘモグロビンの生成を助け、神経機能を維持する役割があります。
ビタミンB12が不足すると、赤血球が少なくなったり、逆に巨大な赤血球ができたりする巨赤芽球性貧血になることがあります。動物性食品をあまり食べなかったり、菜食主義の場合は不足しやすいので注意しましょう。
DHA、EPA
ちりめんじゃこに含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は、体内では生成されにくい必須脂肪酸で、正常な血管や血液の維持に重要です。血液流れを改善したり、中性脂肪値を下げ、心臓病・脳梗塞・動脈硬化を防ぐなどの役割が期待できます。
また、アレルギー疾患や高血圧などの予防や改善に役立ち、記憶や言語などの認知機能にもよい影響があると言われます。
ちりめんじゃこを食べるときのポイント
ここからは、ちりめんじゃこを食べる際に押さえた方がよいポイントを見ていきましょう。
ちりめんじゃこは高カロリーではないものの、プリン体や塩分といった点で食べる際に注意が必要です。ここでは、具体的にどういった食べ方がよいかについて解説します。
野菜や海藻といっしょに食べる
ちりめんじゃこの原料となるいわしにはプリン体が多く含まれているため、野菜や海藻といっしょに食べるのがおすすめです。
プリン体は、人間の体内で生産されたり、食べ物に含まれている成分です。体外への排泄がうまくいかなかったり摂取量が多すぎると、血液中の尿酸値が高くなり痛風を引き起こすことがあります。痛風予防のためには、野菜や海藻をいっしょに食べることで、尿酸の排泄を促進させることができるのです。
また、野菜や海藻には食物繊維が多く含まれているため、噛み応えがあります。ちりめんじゃこに含まれる塩分で食欲が刺激され、必要以上にご飯を多く食べてしまう心配がありますが、これらを取り入れてよく噛んで食べることで少量の食事でも満腹中枢が刺激され、食べすぎを防ぐことが期待できるでしょう。
味つけを控えめにする
ちりめんじゃこには塩分が含まれているため、料理に使う際は味つけを控えめにしましょう。
塩分に含まれているナトリウムは、体内の水分バランスの調整、筋肉や神経の正常な働き、栄養素の吸収・輸送などに関わっています。ただし、とりすぎると、むくみや高血圧を引き起こすことがあるため注意が必要です。
また、ちりめんじゃこにはそもそも塩分が含まれており、醤油など塩分を含むもので味つけすると塩分量が増えることもあります。料理の際は、ちりめんじゃこの塩分を生かし、調味料の量は味見をしながら控えめにするといいでしょう。
ちりめんじゃこのカロリーや炭水化物量について知り、食べ方を工夫しよう!
ちりめんじゃこのカロリーや炭水化物量は、さほど気にするものではありませんが、食べ方には注意が必要です。
ちりめんじゃこは、適度に食事にとり入れることで体に必要な栄養を摂取できます。一方で、食べすぎれば、塩分やプリン体をとりすぎてしまうことがあります。積極的に食事に取り入れたい食材ではありますが、量や調理方法には注意しましょう。
本記事で紹介した内容を参考に、健康的な食事を楽しんでください。