【管理栄養士監修】気になる「乾パン」のカロリーや炭水化物量とは?食べる際に押さえるべきポイントを紹介
2022/01/22
この記事では「乾パン」のカロリーについて解説していきます。また、ダイエット中などカロリーがとくに気になるときに取り入れたい食べ方などについてもご紹介します。
なお、文中のカロリー値は文末に載せた参考データを基にしています(一部、参考データを基に独自計算をしている場合もあります)。
乾パンを食べると太りやすい?
乾パンは非常食としても使われるため、カロリーや炭水化物量は比較的多い食品だといえるでしょう。そのため、一度にたくさん食べてしまうと太りやすくなる可能性があります。
しかし、食べ方や食べる量によっては、食事を制限しているかたにもおすすめできるでしょう。ここでは、食べるときのポイントなどもご紹介します。
乾パン1食分のカロリー
小麦粉、砂糖、ショートニング、ごま、塩などで作られる乾パンは、1個(3g)あたり12kcalあります。
乾パンは1缶(100g)で非常時の1食分として販売されていることが多く、1食分(100g)のカロリーは、393kcalとなります。
乾パンの炭水化物量は?
乾パンの炭水化物量は3gあたり2.36g、1食100gあたりでは78.8gとなります。食物繊維を除いた糖質の量は、1食100gあたり75.7gです。
主食であるご飯1膳(160g)の炭水化物量は59.36gのため、乾パンは炭水化物量が比較的多い食品だといえるでしょう。
乾パンに含まれる主な栄養素
乾パンは明治時代に軍用食としてつくられ、現在でも非常食として広く浸透しています。袋タイプのものや缶詰タイプのものがあり、非常用備品として保管しているかたも多いのではないでしょうか。
乾パンは非常時の食事代わりとなる食品であり、さまざまな栄養素も含んでいます。ここでは、乾パンに含まれる栄養素について解説します。
たんぱく質
たんぱく質は、筋肉や臓器、皮膚、髪の毛など体のあらゆる組織を作るための主要な構成成分で、その量は体重の1/5程度を占めるほどです。ホルモンや抗体、酵素の材料にもなり、体調節機能としての役割もあるといわれています。
乾パンにはたんぱく質が1個あたり0.29g、1食100gあたり9.5g含まれています。
ミネラル
ミネラルは体を正常に動かすために必要な栄養素であり、体に必要なミネラルは16種類あるといわれています。そして、1日に必要な摂取量によって多量ミネラルと微量ミネラルに分けられます。
乾パンは銅やマンガンをはじめとした、さまざまな種類のミネラルを含んでいます。そのため、災害時の栄養補給に役立つでしょう。
ビタミン
ビタミンは、エネルギーをつくり出したり、体を健康に保つために大切な栄養素です。ビタミンのほとんどは体でつくることができないため、食事から摂取する必要があります。
乾パンには、ビタミンEやビタミンB1などのビタミンが含まれており、血流をよくしたり、糖質をエネルギーへ変えるときに役立ちます。
乾パンが非常食として役に立つ理由
非常食とは、保存性や品質、経済性などのさまざまな条件を満たして、備蓄に適していると判断された食品です。
乾パンが非常食として役に立つ理由には、どのようなものがあるのかご紹介していきます。
調理をせずにそのまま食べられる
非常用の備蓄食糧としての条件に、簡便性が挙げられます。災害時などでガスや電気、水道などのライフラインが機能していない場合には、調理を必要とする食糧は食べられません。
乾パンはガスや電気が不要で調理をせずにそのまま食べられるため、非常食にも適しているといえます。また、調理器具や皿、箸なども使用することなく簡単に食べられる点も、非常時におすすめの理由でしょう。
長期保存が可能
簡便性と同じように大切なのが、長期保存できるかどうかです。災害などの非常時はいつ起こるかわかりません。
乾パンは水分量が少なく、賞味期限が長いのが特徴です。袋タイプのもので約1年、より保存性に優れた缶詰タイプのものは約5年と長期保存が可能なものもあります。
そのため、買い置きしておくことで、いざというときの非常食として役に立つでしょう。
氷砂糖が入っている
缶詰タイプの乾パンには、氷砂糖が入っています。氷砂糖を噛まずに口の中に含むことで、ゆっくりと溶けて唾液の分泌が促され、飲料がなくても水分の少ない乾パンを食べやすくなります。
また、砂糖を加工してつくられる氷砂糖は、すぐにエネルギーへ変わる糖質で占められています。食糧が少ないときのエネルギー補給のためにも、氷砂糖は欠かせない存在です。
さらに、甘味には精神を安定させてくれる働きがあるといわれています。非常時は不安やイライラなど精神が不安定になりやすいため、甘味をもつ氷砂糖は役に立つでしょう。
乾パンを食べるときのポイント
非常用として乾パンを備えていても、賞味期限が近いなどの理由で食べることはあるでしょう。ふだんから頻繁に食べるものではないため、カロリーや炭水化物量を気にせず食べてしまうと、摂取しすぎてしまう可能性があります。
ここからは、乾パンを食べるときのポイントを紹介します。正しく理解して、乾パンを食べましょう。
食べる時間を考える
体の中には生活リズムを調整してくれる遺伝子が存在しており、そのひとつにビーマルワンというたんぱく質があります。このビーマルワンは脂肪の蓄積にも関与しており、ビーマルワンが活発に活動している時間は食べたものを脂肪に変えやすくしてしまうといわれているのです。
ビーマルワンが活発に活動するとされる時間は夜間で、夜遅くに食べたものは脂肪として蓄積されやすくなってしまいます。逆に蓄積されにくい時間帯は日中だといわれています。
乾パンを食べる際に脂肪として蓄積されたくない場合は、日中に食べるように心がけましょう。
一度にたくさん食べない
乾パンに含まれる炭水化物中の糖質は、エネルギー源として体に必要な栄養素。しかし糖質を一度にたくさん食べてしまうと、エネルギーとして使われなかった分は脂肪として蓄積されてしまう可能性があります。
また糖質をとりすぎると、インスリンというホルモンが分泌されます。このホルモンは肥満合成に関わっており、糖質のとりすぎで血糖値が急上昇すると大量に分泌され、血液中の糖を脂肪として蓄積する働きがあります。
そのため、炭水化物(糖質)の多く含まれる乾パンを食べるときは、一度にたくさん食べないことがポイントです。
おすすめは、間食に少量食べることです。乾パンは硬さがあってよく噛む必要があり、それによって満腹感が得られやすく、お腹の中で水分を吸ってふくらんで腹もちもよい食品といえるでしょう。
1日の間食は200kcal程度が適量といわれています。乾パンは1個あたり12kcalのため、間食で食べる場合は15個程度を目安にするとよいでしょう。
乾パンのカロリーや炭水化物量について知り、食べ方を工夫しよう!
乾パンに含まれるカロリーや炭水化物量は、比較的多い傾向にあります。乾パンは非常時の栄養補給ができるなど、さまざまなメリットを含む優れた食品でしょう。その分、非常時以外で食べるときは、カロリーや炭水化物のとりすぎに繋がりやすくなってしまいます。
しかし、食べ方を工夫することで、ダイエット中やカロリーが気になる場合でも食べやすくなります。備蓄していた乾パンを消費する際は、食べる時間や量を工夫し、脂肪として蓄積されないような食べ方を心がけましょう。