【管理栄養士監修】五大栄養素って説明できる?五大栄養素の役割と、バランスよくとる工夫や注意点をわかりやすくご紹介!
2024/07/20
私たちが健康を維持して毎日を送るためには、栄養はとても大切です。
その考え方の基本となるのは「五大栄養素」なのですが、どんな種類があって、何を食べれば補えるのか知っているでしょうか?
この記事では、知っているようで知らなかった「五大栄養素」について、管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持っているゆかりさんにわかりやすくご紹介してもらいます。
栄養のキホンを把握して、日々の食事を整える参考にしてみてくださいね!
五大栄養素には何がある?
五大栄養素には、つぎのものが含まれています。
・炭水化物
・脂質
・たんぱく質
・ビタミン
・ミネラル
ちなみに、炭水化物は糖質と食物繊維の合計です。このうち、エネルギー(カロリー)に計算されるのは糖質の方。
炭水化物が多いからといっても、食物繊維が多ければ実質はエネルギーが少ないといえますよ。
炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質の量から、エネルギーが計算されます。この中で、同じ量でもエネルギー量が高いのが脂質。ほかのものより2倍以上も含んでいます。
そのため、「油っこいものは高カロリー」といわれているのです。
ビタミンやミネラルはエネルギーを含んでいませんが、体の中で効率よくエネルギーをつくり出すときに必要となったり、体の機能を維持するために欠かせない栄養素となっています。
日本人の食事摂取基準という、それぞれの栄養素の必要量を示す厚生労働省のデータ上では、ビタミン13種類、ミネラル13種類が記載されています。
(ビタミン……ビタミンA、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC)
(ミネラル……ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン)
五大栄養素のそれぞれの役割について
それでは、五大栄養素のくわしい役割について見ていきましょう。
炭水化物の役割
炭水化物(糖質)は、一番効率のよいエネルギー源として使われます。
消化のよいものをとるほど、素早くエネルギーに変わるので運動前などに補給するとパフォーマンスが上がることも期待できますよ。
ただし、とり過ぎて使われずに余った分は、中性脂肪として体の中に溜め込まれてしまいます。
脂質の役割
脂質についても、同じことがいえます。
脂質は炭水化物(糖質)よりも多くのエネルギーを含んでおり、同じようにエネルギー源として使われます。また、貯蔵エネルギーとして体の中に多く蓄えられています。
しかし、炭水化物(糖質)と異なる点は、脂質は細胞膜やホルモンなどの材料としても使われるというところ。
たんぱく質の役割
たんぱく質も、炭水化物(糖質)や脂質だけでは足りないときには、エネルギーとして使われます。
それ以外は、体を構成する髪、皮膚、内臓、骨、血液などの材料として必要となるのです。また、抗体やホルモン、酵素などの材料としての役割もあります。
ビタミンとミネラルの役割
そして、こういった栄養素の働きをサポートするのが、ビタミンとミネラルです。
たとえば、炭水化物(糖質)をエネルギーに変えるためにはビタミンの一種であるビタミンB1やナイアシンなどが欠かせません。
また、正常な血液をつくるためには、ミネラルの鉄、ビタミンB12や葉酸などのビタミンも活躍しますよ。
なお、26種類のビタミンとミネラルは、それぞれ働きが違うのです。
骨や歯を丈夫にするもの、血圧を安定させてくれるもの、味覚を正常にするもの、体の酸化を防ぐもの、免疫を維持するものなど、いずれも健康に必須の働きを持っています。
そのため、いずれかが不足しても体の機能に支障が出てしまうため、バランスよく栄養をとる必要があるといえるのです。
食べるときに大切なポイントとは?
どうすれば、まんべんなくこれらの栄養素をとることができるのでしょうか?
それは、できるだけ多くの食品を1日の中でとること。
食品ごとに多く含まれている栄養素の種類が異なっているため、違う種類を組み合わせることで不足を補いやすくすることができるのです。
目安として使いやすいものに、「10品目をチェックする」方法がありますよ。
肉・魚・卵・大豆製品・乳製品・油脂・いも・海藻・緑黄色野菜・果物、これらを1日の中でとり揃えていく、という考え方です。
たとえば、朝食に肉、乳製品、果物をとったら、昼食、夕食で残りの7品目を選んで食べるようにすれば◎。
品目数が多くなるほど、幅広く食品を取り入れやすくなり、栄養の偏りも防ぎやすくなるのです。
バランスをとりやすくするコツについて
1日3食の食事だけで十分にとり切れない場合には、間食を活用するのもおすすめです。
食事で魚をあまり食べない日には、小魚を使ったお菓子をチョイス。
また、大豆製品をあまり食べる習慣がない人は、大豆を使ったお菓子を選んでみるようにしていはいかがでしょうか?
ただし、間食だのみになってしまうと、エネルギーのとり過ぎで太りやすくなることもあるため、あくまでも食事に重点を置き、間食は補食として足りないものを補うために活用してみてくださいね!
また、食材を揃えて調理するのが大変という人は、開封するだけですぐ食べられる「缶詰」や「レトルトパック」、自然解凍や電子レンジ加熱だけで食べられる「冷凍食品」などを常備しておきましょう。
筆者の場合、ツナやサバなどの缶詰、トマトジュース、蒸し豆のパック、冷凍のミックスベジタブル、冷凍のひき肉、冷凍のブロッコリーなどが大体買い置きリストに入っていますよ。
常温保存がきくものは、非常食としても役立ちますので、いくつかストックしておきたいですね。
ただし、注意点も!
とり入れやすいように10品目のチェックリストをご紹介しましたが、チェック項目以外に「主食」をとることもお忘れなく!
主食とは、ごはん、パン、麺などの炭水化物を多く含む食品です。
食事の割合としては、エネルギー比で炭水化物:脂質:たんぱく質=65:15:20くらいが理想のバランスとされています。
このバランスが崩れてしまうと、エネルギー不足で疲れやすくなったり、肥満になったり、体の調子が悪くなってしまうことに……。
そのため、特定の食材ばかりを多くとる、というようなことを避け、まんべんなく少しづつさまざまな食品をとり入れるように意識してみましょう!