【管理栄養士監修】気になる「干し柿」のカロリーや炭水化物量とは?食べる際に押さえるべきポイントを紹介
2022/01/25
この記事では「干し柿」のカロリーについて解説していきます。また、ダイエット中などカロリーがとくに気になるときに取り入れたい、食べ方などについてもご紹介します。
なお、文中のカロリー値は文末に載せた参考データを元にしています(一部、参考データを元に独自計算をしている場合もあります)。
干し柿を食べると太りやすい?
柿は、季節になれば必ず食べるという人も多いでしょう。そのまま食べられる種類もありますが、干し柿に加工されて食べられるものもあります。
しかし、干し柿にされると水分が減って甘みがとても強くなるので、干し柿は太りやすい食べ物ではないかと不安に思ってしまう人もいます。安心して干し柿を食べるためにも、干し柿のカロリーや食べる際に押さえるべきポイントなどを把握しておくようにしましょう。
干し柿1個分のカロリー
柿のカロリーは1個(166g)で100kcalです。 これに対して、干し柿のカロリーは1個(37g)で102kcalです。
干し柿は干してあるので1個あたりの重量は軽くなりますが、軽くなっても柿1個分には変わりがないため、干す前とカロリー自体に差はあまりありません。
ただし、重量が軽くなっている分、それだけ多く食べてしまいがちで、干し柿であれば2個や3個は簡単に食べるという人も多いです。いくつも食べる場合は、高カロリーになりやすいので食べ過ぎには注意しなければいけません。
干し柿の炭水化物量は?
柿の炭水化物量は1個(166g)で26.39gです。 これに対して、干し柿の炭水化物量は1個(37g)で26.38gです。
カロリーと同様に干し柿になっても、柿1個分ということに変わりはないため、炭水化物量に大きな違いはありません。カロリーの場合と同様に、小さいからといって干し柿をいくつも食べるのは注意が必要といえます。
甘柿と干し柿の違い
甘柿とは、渋抜きしたり干したりせずにそのまま食べられる種類の柿で、富有柿や次郎柿などの品種があります。干し柿は皮をむいた柿を干して、表面にしわが寄るほど水分を乾燥させてつくられます。
柿そのものよりも色が黒ずんだり、白っぽい粉のように糖分が表面を覆ったりすることもあります。このように、甘柿と干し柿では見た目が全然違うので間違えることはないでしょう。
なお、干し柿に使われる柿は甘柿ではなく、一般的にはそのままでは食べられない渋柿が使われます。渋柿には、市田柿や西条柿などの品種があります。
渋さのもととなるタンニンという成分が水に溶けやすい状態で存在する渋柿の場合は、干すことでそのタンニンが水に溶けない状態へ変わり、渋さを感じなくなって食べられるようになります。
甘柿を干した方が、より甘い干し柿ができるのではないかと思う人もいますが、実は甘みの強さだけであれば甘柿よりも渋柿の方が強いのです。そのため、渋柿が干し柿に利用されています。
干し柿を食べることで期待できる効果
干し柿はカロリーも炭水化物量も決して低いわけではないので、食べ過ぎには注意が必要です。しかし、干し柿にはいろいろな栄養素が含まれていて、さまざまな効果が期待できます。
干し柿にはどのような栄養が含まれていて、どのような効果が期待できるのか知っておきましょう。
腸内環境の改善
食物繊維は腸をきれいにし、腸内環境を整えてくれることで有名です。柿にも食物繊維が含まれており、干し柿にすることでより多く摂ることができます。
食物繊維は、食後の血糖値の上昇を抑えたり、余分なコレステロールやナトリウムを排出したりする働きがあるので、肥満や生活習慣病の予防に役立ちます。また、有害物質を吸着して排便をスムーズにするなど、大腸がんのリスクも減らしてくれるといわれています。
美肌効果
干し柿には、体内でビタミンAに変わるβ-カロテンも含まれています。ビタミンAは、目や皮膚の粘膜を良い状態に保ってくれる効果が期待できます。また、β-カロテンは抗酸化作用があるので、摂取しておくと肌の乾燥や老化などの対策となります。
ほかにも、干し柿には抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンEも含まれているので、相乗効果が期待できます。
むくみの解消
むくみで悩む人は多いです。そのむくみは、血行不良や塩分の摂り過ぎなどで体内に余分に溜まった水分が原因です。しかし、摂る水分を減らしたからといって、むくみは解消されません。
むくみを解消する方法の一つには、塩分の摂り過ぎを防ぎ、体外に排出する必要があります。干し柿に含まれるカリウムには、その効果が期待できます。
ただし、腎臓が悪い場合にカリウムを摂取しすぎると、不整脈の原因になると言われているので注意が必要です。
風邪や感染症の予防
風邪のウィルスは粘膜から侵入すると言われているので、その粘膜を良い状態に保ってくれるビタミンA(βーカロテン)は風邪予防に繋がります。
また、干し柿に含まれるカキタンニンは強い抗菌作用を持っています。そのため、広範囲のウィルスを不活性化させ、風邪などの感染症の予防に役立ちます。
干し柿を食べる際のポイント
干し柿を食べることでいろいろな効果を期待することができます。しかし、干し柿を食べる際にはいくつか注意すべきポイントがあります。それらのポイントを押さえておかないと、ダイエットに失敗してしまう可能性もあるため注意しましょう。
1回に食べる量を決める
干し柿の表面は白くなっている物がありますが、その正体はブドウ糖です。それだけ干し柿が甘いということです。非常に甘くておいしいので、ついつい食べ過ぎてしまうことがあります。
しかし、干し柿のカロリーは1個で102kcalと決して低くありません。そのため、食べ過ぎには注意が必要です。
干し柿を食べるのであれば、他の食事とのカロリーバランスを考えて、先に何個までなら食べても良いか考えておくようにしましょう。先に食べる量を決めておくことで食べ過ぎを防ぐことができます。おやつの目安としては、1日2個までにしておくとよいでしょう。
食べる時間に注意する
1日の中で午後3時頃が、脂肪細胞へ脂肪を溜め込む働きをするBMAL1というたんぱく質が最も少なくなります。そのことから、その時間におやつを食べるのが最も適していると言えるでしょう。
そのタイミングで少しだけ物を食べておくと、晩ごはんの時間帯に空腹になりすぎず、食べ過ぎを防ぐことも期待できます。
干し柿のおすすめアレンジレシピ
干し柿はそのままでも十分おいしく食べることができます。しかし、干し柿にもいろいろな食べ方があります。そのため、干し柿のいろいろな食べ方を試してみても良いでしょう。
おすすめレシピ1:大根の干し柿なます
なますは、大根などの野菜を甘酢で和えた料理です。大根とにんじんでつくったものは紅白に見えることから、縁起をかついで正月のおせち料理によく取り入れられています。にんじんの代わりに、同じような色をした干し柿を使うと、濃厚な甘味が加わって違った味わいが楽しめます。
干し柿をおやつ以外で食べてみたいときや、さっぱりと食べたいときにおすすめです。
おすすめレシピ2:干し柿ドロップクッキー
干し柿の糖度は高くて甘いので、お菓子にもよく使われます。家で簡単につくれる干し柿を使ったお菓子では、干し柿ドロップクッキーがおすすめです。材料を混ぜて焼くだけなので、意外と簡単につくることができます。
干し柿のカロリーや炭水化物量について知り、食べ方を工夫しよう!
干し柿は甘くておいしいので好きという人は多いですが、干し柿のカロリーや炭水化物量は決して低くはありません。そのため、食べ過ぎには注意が必要です。
しかし、干し柿はいろいろな効果が期待できる栄養素も含んでいるので、食べ過ぎにさえ注意すれば、体に良い食べ物です。適量の範囲内で、干し柿を楽しむようにしましょう。