40代の「食事ダイエット」は間違うと逆効果⁉絶対にやってはいけない食べ方とは?
2024/09/14
40代になると太りやすい……とはよく聞く話ですが、その原因のひとつには食習慣があるそうです。
「30代の頃と同じような食事のままだと、いつの間にか太ってしまう可能性もあります」と警告するのは、管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つ、ライターのゆかりさん。
40代が太りやすくなる原因と、食事を含めた太りにくい生活習慣の工夫について紹介してもらいます。
なぜ、若い頃よりも太りやすくなるの?
若い頃はスラっとした細身体型だった人も、10年ぶりに会ってみたら面影もないほど肉付きがよくなっていてショックを受けたことはありませんか?
「人のふり見て我がふり直せ」ということわざがあるように、他人事ではなく、いつの間にか自分事になってしまう日は誰にでもやってくる可能性があります。
太る原因のひとつに、食べる量(摂取カロリー)に対してエネルギーとして使う量(消費カロリー)が少ないことが挙げられます。消費カロリーは「基礎代謝量」「生活活動代謝量」「食事誘導性体熱産生」の合計で、基礎代謝量が全体の7割を占めています。
基礎代謝量は、脳や内臓などの全身を維持するために生きているだけで使われるエネルギーで、男性は18歳、女性は15歳がピークとされていて、それ以降は加齢とともに低下していくのが一般的。
さらに、更年期に近付くにつれて女性ホルモンの分泌量が低下していきます。女性ホルモンには脂肪の燃焼を助けてくれる働きがあるため、分泌量が少なくなることも太りやすくなる原因と考えられています。
以前と食べる量は変わっていなくても、基礎代謝量による消費カロリーと女性ホルモンが低下していくことで、摂取カロリーが消費しきれなくなると太っていくのです。そのタイミングには個人差がありますが、大体30~40代で自覚することが多いというデータも!
間違ったダイエット方法で逆効果に⁉
摂取カロリーよりも消費カロリーが減ること、中でも「基礎代謝量」が減ることが太りやすい一因と述べましたが、だからといって摂取カロリーをとにかく減らせばいいということではありません!!
単純にカロリーを削ろうとすると、必ず不足する栄養素が発生してしまい、その不足が原因で基礎代謝量が減り、食べたものをエネルギーに変えられなくなる可能性があるのです。また、基礎代謝量を下げないためには、筋肉量を維持しなければなりません。そして、筋肉の素となるタンパク質の不足も絶対に避けなければならないのです。
ダイエット方法の中でも「カロリー制限に特化したバランスの悪い食事法」は、かえって消費カロリーを低下させたり、ホルモンバランスを崩してしまうため、絶対に避けましょう。
理想的な食事とは?
それでは、どんな方法の「食事ダイエット」ならばよいのでしょうか?
それは「基礎代謝量」の維持に必要なタンパク質(筋肉の素)、エネルギー消費に必要なビタミンB群(※)が1日に必要な量を摂れることを前提の食事にすることです。それに加え、通常の食事で不足しやすい食物繊維(余分な糖質や脂質の吸収を抑える)、カルシウム、鉄もまんべんなく摂れることが理想です。
つまり、カロリーの摂り過ぎを避けつつ、各栄養素が不足することのない「バランスの良い食事をする」ことが基礎代謝の低下を抑える方法、ということになります。カロリーの数値だけで選ぶのではなく、偏らないように食品の組み合わせを選ぶことが大切です。
※ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチンの総称。
効果的なポイントとは?
食事の量は習慣的なものもあるので、一気に減らしてしまうと見た目の満足度が下がり、ストレスに繋がる可能性もあります。
そこでここからは、以前よりもカロリーを抑えつつ、満足度を下げずにバランスの良い食事を取り入れる具体的な方法について、いくつかご紹介します。
見た目で満足度を高める方法
単に減らすのではなく、調理法や食材選び、盛り付けによって見た目の満足度を下げない方法を取り入れてみるようにしましょう。
・揚げる、炒めるなどの油を多く使った料理を、煮る、蒸すなどの油をあまり使わない料理へ変える。なお、脂質は腹持ちを良くしたり一部の栄養素の吸収を高めてくれるので、ノンオイルにする必要はありません。
・カロリーが高い食材を減らす代わりに、かさの増える野菜・海藻・きのこを加える。食物繊維も多く含まれるので、適度な食感が加わって噛む回数が増え、満腹感を得やすくなります。
・盛ったときに余白のある大きな器ではなく、小さめの器に盛る。目の錯覚で、同じ量を盛っても多く見えやすくなります。また、料理ごとに器を分けず、ワンプレートにのせることでも同じ効果で、少量ずつでもボリュームがあるように感じやすくなります。
・料理と同系色でない色の器を選ぶ。料理と食器の色が同調すると食事量が少なく見えるといわれていますが、反対色だと逆に多く見えやすくなるそうです。
上記のとおり、調理方法も重要ですが、視覚的にボリュームを感じさせることも食事量をうまくコントロールするポイント。視覚情報による満足感はおいしさにも繋がり、心を満たしてストレスによる食べ過ぎを抑えることも期待できますよ。
栄養素をバランスよく取り入れる方法
栄養素をバランス良く取り入れるためには、難しい栄養計算は不要です。一番大切なことは、偏りを無くすこと。それに加え、いくつか効果的な方法をご紹介します。
1.できるだけ多くの食材を使う(目安:1食10品目以上)
2.赤・黄(橙)・緑・黒(紫)・白がそろうように食材を取り入れる
3.肉、魚、卵、大豆、乳製品などのタンパク源は、3食や間食の中で偏りなく取り入れる(1週間トータルでOK)
4.植物油や魚の脂は減らさない(肉の脂は減らした方がメリットが大きい)
こういったことを意識すると、食材や栄養素が偏りにくくなります。丼物や麺料理などの一品料理ではなく、小鉢や汁物がそろった定食スタイルがおすすめです。ただし、前述したとおり盛り付け方法に関しては食器をいくつも使わない方が◎。
毎回多くの食材を揃えるのが難しい場合は、何種類かの野菜を使いやすい大きさに切って小分けに冷凍保存しておくと、足りないときにサッと解凍しておひたしや汁物の具として加えやすくなりますよ。とくに、あく抜きや下茹でが必要なものは処理をしてから冷凍をおすすめします。
食事を含めた生活習慣のリセットを!
いくつか食事に関するポイントをご紹介しましたが、食生活の改善だけで太りにくくすることは十分といえません。
日頃の生活習慣を見直してみて、もっと体を動かせる機会を増やしたり、短時間でも定期的に継続しやすい運動を取り入れることで「生活活動代謝量」が増えて相乗効果が得られやすくなりますよ。
ぜひ、できるところから日々の生活に取り入れ、習慣化してみてくださいね。