「夫婦仲のギクシャク」に気づいたら?“愛の終了感”を先延ばしにする方法
2022/03/26
喧嘩しているわけでもないけど、なんとなく夫婦関係がギクシャクしている。そんなときの対処方法について、「恋人・夫婦仲相談所」の所長である三松真由美さんに、解説してもらいました。
コロナ禍で増えたギクシャク夫婦
「不仲」と言うほど喧嘩をするわけではない。
「仮面夫婦」と言うほど冷え込んでいるわけでもない。
もちろん「破綻」というほど取り返しのつかない関係になっているわけではない。
でも、なんだかちょっと違和感を覚える、夫婦の関係がギクシャクしている。
筆者の夫婦仲相談所を訪れるかたがたのなかに、こんな感覚を持つ人が増えているように感じます。とくにコロナ禍が始まって以来、増加は顕著です。
外出を控えて家の中で家族とすごす時間が増えたり、在宅勤務になって日中もパートナーと顔を合わせる時間が生まれたり、友達と飲みに行く機会などがなくなって、家族以外の人との関係性が薄くなったり、海外旅行など夫婦仲に刺激をもたらしてくれるようなイベントごとがなくなったり、そして、仕事が減ったことで生活費がたりず心に余裕がなくなったり。
日中離れていれば気にならないパートナーとのわずかな違和感が浮き彫りになり、一度感じた不協和音を、閉じられた家の中で増幅させてしまう傾向があるようです。
では一体、どんなときにギクシャクを感じるかたが多いのでしょう。夫婦仲相談所には、こんな声が寄せられています。
ギクシャク夫婦に漂う「愛の終了感」どう改善する?
「会話をするときに感じますね。夫が私の目を見て話さなくなりました。別にわざとそらしているという感じではないですが、こちらが話しかけても、スマホの画面を見つめたまま『へえ』とか『マジか』とか短い返事しかしません。私の話よりスマホのほうが面白いのだろうなと思います」(いずみさん35歳 仮名)
「食事のときに感じます。うちは毎食、感染対策のつもりはないのに『黙食』になっています。最初はなんか気まずく思って、無理に天気の話題などを出していたんですが、最近ではもうめんどくさくなって黙ってます。妻も黙って食べてるから、向こうにも話したい話題がないんでしょうね」(健太郎さん43歳 仮名)
「話しかけても返事がないときですね。妻は最近、家の中でもずっとワイヤレスイヤホンを耳に入れっぱなしです。最近のイヤホンは遮音性が高いのか、彼女が大音量で聞いているせいなのかわかりませんが、ふつうに話しかけても毎回気づきません。返事がないので『あのさ、○○だよね!』と声を張ると、ようやくイヤホンを片耳外して『え?』と聞き返してきます。タイミングがずれてしまうので、話したい気持ちがそこで萎えるんですよ。だからつい『もういいよ』と話を飲み込んでしまいます」(浩二さん31歳 仮名)
「相手のスキンシップを不快に感じるようになった時かな。体を寄せられたときの体臭や髪の臭いを嫌だと感じるようになって、夫が近づいてくると、さりげなく離れるようにしています。肩や背中にふれられるのも本当は嫌で、さわられると体がこわばってしまいます。だんだん夫も、私に避けられてるとわかってきているかも」(花絵さん29歳 仮名)
聞いていると、決定的な喧嘩ではないけど「愛の終了感」が漂ってきています。
さて、ではこんなギクシャクを感じるようになったときの改善方法にはどんなものがあるでしょうか。
改善方法1:相手のギクシャク、不機嫌を意識しない
相手から距離を置かれていたり、違和感を持たれていると感じる場合は、あまり意識しすぎないことです。
相手も疲れていたり、不機嫌だったりすることもあるので、その態度を気にしてこちらも距離を置いたり、遠慮してしまうと、よけいにギクシャクが増大してしまいます。
ミラー効果と言い、相手が不機嫌だと自分もそうなるのが一般的なので、それを遮断するには不機嫌の真似をしないことです。
改善方法2:悩みを話せる相手を確保
自分一人で抱え込まないことが大切です。同じような悩みを感じている友人もいるかもしれません。友人、兄弟などだれかにぶちまけることで、自分の気持ちを整理できて、不安がやわらぎます。
改善方法3:膝を突き合わせて対話する
しばらく経ってもギクシャク感に変化がないなら思いきって聞いてみましょう。「最近何かあった?」「なんか、怒ってる?」「もしかして、私に言いたいことない?」などと水を向けてみることで相手の本音が出てくる可能性もあり。
改善方法4:自分リセット術を知っておく
自分のほうが、相手に関して距離を取りたい気持ちになったり、違和感を覚えている場合もあるでしょう。相手の気になる点ばかりに意識が集中しがちです。家事分担が不公平だとか、すぐ職場の愚痴を言い出すとか……マイナスポイントを脳が探し出すようになっているので、自分の気持を切り替えることです。
運動をする、一人でお出かけをする、好きな動画を見る、サウナにはいる、ネカフェに行く……自分のリセットには何が効くかを理解しておきましょう。
相手を責めたり、強制するのは逆効果!
もし、うまく話ができそうであれば、相手に自分の気持ちとパートナーへのお願い(やってほしいこと/やってほしくないこと)を伝えてみるのも、関係改善に向かう1ステップです。
その際、相手を責めたり、強制するのは逆効果。100%自分の希望を押しとおすのではなく、相手の現在と自分の希望の間で、納得できる落としどころを50%ずつ見つけるのがコツです。
ギクシャク→口論→無視→破綻→終了
ギクシャクを放置すると破綻につながるのは目に見えています。「うちら夫婦、終わってる」という言葉を唱えないうちに、できることから1個ずつやっていきましょう。
◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。