韓国のスライス生魚の盛り合わせ

韓国の刺身「フェ」は日本とどう違う?おいしい食べ方や注文方法も紹介

2023/08/31

「刺身って日本と韓国でどう違う?」
「韓国で刺身をおいしく楽しめる食べ方は?」
「現地での刺身を注文する際に注意点などはある?」
韓国人からの人気も高い韓国の刺身「フェ」ですが、日本の刺身との違いがよくわからないという人も多いのではないでしょうか。

この記事では、韓国の刺身「フェ」の特徴や日本の刺身との違いを詳しく解説しています。食べ方や注文の仕方についても紹介しているため、この記事を読むことで「フェ」に対する理解が深められ、韓国を訪れた際には存分に楽しめるようになるでしょう。

韓国の食文化に興味のある人や、旅行先として韓国を検討している人は最後までチェックし、ぜひ機会があれば「フェ」に挑戦してみてください。

韓国ドラマをこよなく愛し、夢は韓国留学すること。好きなジャンルはラブコメ、好きな俳優は多すぎて挙げきれない。

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韓国の刺身は「フェ」

韓国では刺身のことを日本語で「なます」と読む漢字の鱠または膾で表記し、「회(フェ)」と呼んでいます。

「なます」を辞書で引くと3つの意味がありますが、韓国の「フェ」は細かく切った魚や貝、もしくは獣の生肉を表し、それを調味した酢に浸した料理を表す言葉です。

朝鮮半島で漢字が利用されていた頃には、魚介の「フェ」を「鱠」と表し、日本でもおなじみのユッケなどの獣肉の「フェ」を「肉月」と区別していました。

現在の韓国において、「フェ」は白身魚が使われるのが一般的です。刺身屋は「フェッチッ」と呼ばれ、ヒラメ(クァンオ)・タイ(トミ)・クロソイ(ウロッ)の順で人気となっています。

韓国の刺身は生きたままさばいた魚

鯛の準備には、日本のスタイル
stella_photo20/gettyimages

魚をさばいて切り身にするのは日本と同じですが、韓国の刺身である「フェ」は必ず生きた魚を使いその場でさばくという特徴があります。

日本でも生簀を備えたお店はあるものの、1匹をさばいてもらうことに高級なイメージが先行している影響で、切って冷凍されたものが出てくることがほとんどです。

そのため、韓国で「フェ」を食べた際に、魚の弾力や味の違いに戸惑いを覚える日本人も少なからずいると言われています。

韓国の刺身の切り方

韓国の刺身は、切り方と盛りつけ方に豪快さが際立つのが特徴です。

日本で刺身といえば、料理職人がよく研がれた包丁で魚の繊維を潰さない繊細さが目を引くでしょう。しかし、韓国における刺身の切り方は乱雑とも言えるほど粗めで、皿一面を埋めつくすほどの量で盛りつけられます。

観光化されたチャガルチ市場などでは几帳面にさばいてくれるお店も増えているそうですが、地元密着型のフェッチッでは切り方に関してあまり気にしないところが多いようです。

韓国の刺身は味つけも日本と違う

コチュジャン ペースト韓国料理
luknaja/gettyimages

日本では刺身を醤油とわさびで食べるのが一般的ですが、韓国ではわさび醤油以外の薬味も使って食べられています。特に独特なのが、コチュジャンに酢を加えて調味したチョジャンや、韓国味噌だれのサムジャンです。

ただし、韓国のわさびはわさびの栽培技術が発達していないために、西洋わさびを加えて着色したものが一般的に使われています。

日本人が多く訪れるチャガルチ市場などでは日本のわさびを用意してくれるお店もありますが、それ以外の場所ではわさびも日本と異なることに注意しましょう。

韓国の刺身はサンチュに包んで楽しむ

白い背景に分離された緑のレタス
Martin Keiler/gettyimages

韓国は包む・混ぜる文化を持っていると言われ、刺身も野菜や味噌、にんにくを巻いて食べます。日本と同様に醤油とわさびで「フェ」を食べても構いませんが、新鮮感が抜群で弾力がありすぎるため、焼肉のようにサンチュで包んで食べることのほうが多いです。

ただし、この食べ方は白身魚の微妙な味わいがわからなくなると批判する意見もあり、韓国の食品工学の学者の中には野菜と「フェ」を別々に食べることを奨励する人もいます。

韓国の刺身「フェ」の歴史は古い?

魚を生で食べる国は日本ぐらいのものだと思いがちですが、朝鮮半島でも古くから魚を生で食べる習慣が根づいたと言われています。

根拠となっているのは、於于堂・柳夢寅が著述した「於于野談」で、文禄・慶長の役が起こった当時に明の援軍が朝鮮に駐屯している間に、現地の人が「フェ」を食べる姿を汚いと罵ったという記述があるそうです。

また、李芝峰の「芝峰類説」にも同様の記述があることから、李朝の中期前から「フェ」があったというのが韓国の研究者たちの認識となっています。

韓国の刺身の注文方法

韓国で刺身を楽しむ際には、店によってフェッセンター型とフェッチッ型の2つに大きく分けられるため、注文方法も異なる点に注意が必要です。ここからは、それぞれの特徴と注文方法について見ていきましょう。

フェッセンター型

市場の1階で自分が食べたい魚を選び、2階のお店で調理してもらうのがフェッセンター型です。日本のガイドブックでよく見かけるチャガルチ市場や新東亜市場などが、該当します。

魚は1匹単位で注文でき新鮮度も抜群ですが、魚を選ぶ時に相場をある程度知っておかないとぼったくられる可能性がある点に注意が必要です。また、魚代とは別に薬味や調理に代金が発生するため、想定よりも高くついてしまう点にも気をつけましょう。

フェッチッ型

フェッチッ型は、基本的にメニューから選んで注文するスタイルとなっており、完全に独立した1軒のお店が該当します。お店の外に水槽や生簀が置かれているのが目印です。

盛り合わせのモドゥムフェ以外にも、メニューの中に好みの魚があれば魚単位で注文できるのが特徴となります。

韓国の刺身「フェ」の食べ方を理解しよう

韓国の「フェ」の魅力は、とにかく新鮮さと安価である点です。生きた魚を1匹まるごとさばいてもらったり、サンチュに包んで食べたりする点は日本の刺身とはまったく異なっています。

「フェ」は現代の韓国人にも人気の料理です。プサンでは駅の周りや商店街のある地域の至るところに刺身屋のフェッチッがあり、ソウルをはじめ韓国各地に何軒か存在しています。

韓国らしさを感じられるチョジャンやサムジャンを薬味に、サンチュで包んだ「フェ」を楽しんでみましょう。

 
 

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