韓国料理に使われるヤンニョムとは?言葉の由来や他の調味料との違いも解説

2023/08/26

「ヤンニョムって何?」
「ヤンニョムってどういう意味?」
「ヤンニョムは辛いのが苦手でも大丈夫?」
韓国料理に使われるヤンニョムという調味料を知っていますか。

何となく辛いというイメージがあっても、他の韓国の調味料との違いがわからないという人も多いでしょう。

本記事ではヤンニョムの言葉の由来や使われている材料、その他の韓国の調味料との違い、それぞれの伝統調味料の材料と製法についても紹介しています。

この記事を読むことでヤンニョムとはどういう意味なのか、作るための材料、さらにヤンニョム以外の韓国の伝統的な調味料についても知れるでしょう。

韓国料理に興味のある人や韓国の調味料について詳しく知りたい人は、ぜひチェックしてください。

韓国ドラマをこよなく愛し、夢は韓国留学すること。好きなジャンルはラブコメ、好きな俳優は多すぎて挙げきれない。

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ヤンニョムとは?

양념(ヤンニョム)は、韓国料理に使われる合わせ調味料です。様々な材料と調味料を混ぜ合わせて作られ、それぞれの家庭でレシピが異なります。

主に料理の味付けに使われ、ソースやタレとしても使われる韓国料理には欠かせない調味料です。

ヤンニョムの漢字と意味

ヤンニョムは、漢字では「薬念」と書きます。特定の調味料を指すだけでなく、薬味や香辛料、調味料全般の総称としても使われている言葉です。

ヤンニョムの意味や言葉の由来には諸説ありますが、材料に使われる塩が薬と同じく高価だったことや、味わいだけでなく健康と栄養についても考えられている「薬を念頭に置いた」調味料という意味があるとされています。

ヤンニョムと陰陽五行説

複数の食材に調味料や香辛料を混ぜて作るヤンニョムは、陰陽五行説の「五味五色」の考え方が反映されている調味料です。

韓国の食生活には、古くから「薬食同源」という陰陽五行説に影響を受けた思想が用いられており、「辛・甘・酸・鹹・苦」を表す五味と「青・赤・黄・白・黒」を表す五色をバランス良く取り入れた食事が健康に良いとされています。

ヤンニョムに使われている材料

韓国のゴチュジャン(赤唐辛子ペースト)
Nungning20/gettyimages

ヤンニョムはネギやニンニクなどの香味野菜に塩や砂糖、酢などの日本でも馴染みのある調味料と、カンジャンやテンジャン、コチュジャンといった韓国調味料を混ぜ合わせ、さらに梨やリンゴなどの果物を加えて作ります。

様々な材料を混ぜ合わせることで、独特の複雑な風味が出ます。使う材料や配合は料理によって使い分けられ、店や家庭ごとにそれぞれのレシピで作られるのがヤンニョムの特徴です。

ここからは、ヤンニョムに使われる韓国の調味料を2種類紹介します。

カンジャンは韓国しょうゆ

カンジャンは、韓国の伝統的な調味料の1つで見た目は日本のしょうゆと似ています。韓国語で「カン」には塩味、「ジャン」には調味料という意味があり、料理の味を調えたり刺身につけたりと、韓国料理に幅広く使える基本的な調味料です。

伝統的なカンジャンの製法では、冬の時期に一晩水に漬けた大豆をペースト状にした「メジュ」と呼ばれる豆麹を使います。この豆麹を自然発酵させてから数カ月塩水に漬けて熟成させ、圧搾してできた液体をさらに日光によって熟成させたものがカンジャンです。

カンジャンと日本のしょうゆでは風味が異なりますが、料理に塩味と旨味を加える調味料であり、熟成期間によって濃口(チンカンジャン)や薄口(ククカンジャン)があるという共通点があります。

テンジャンは韓国味噌

テンジャンは、韓国の味噌のことです。韓国語で「テン」には固いという意味があり、固い調味料を表しています。日本の味噌と似ていますが、独特なくせのある香りと煮立てるほど風味が強調される特徴を持つ調味料です。

テンジャンの伝統的な製法は、先ほど紹介したカンジャンと同様です。自然発酵させた豆麹(メジュ)を数カ月塩水に漬けて熟成させると、カンジャンの元となる上澄み液と塩味の強い固体に分離します。この固い塊をさらに乾燥させて熟成を進めたものがテンジャンです。

伝統的なテンジャンは大豆から作られますが、市販されているテンジャンには麦など他の原料から作られたものもあります。また、チゲ用など用途に合わせて調味されたテンジャンも販売されており、種類が豊富な調味料です。

ヤンニョムは辛い?

レストランで熱すぎる食事を食べる貪欲な空腹の顧客
nicoletaionescu/gettyimages

ヤンニョムには一般的にコチュジャンや唐辛子が使われているため、辛みのある調味料と言えるでしょう。ただし、使われるコチュジャンや唐辛子の種類、合わせる香味野菜や果物との組み合わせによって辛さのレベルは様々です。

辛さを売りにしている店では赤唐辛子ではなくハバネロを使うなど、それぞれの店や家庭ごとにマイルドな辛さから激辛までそれぞれ異なる辛さのヤンニョムが作られています。

また、コチュジャンや唐辛子などの辛みを入れない場合も、合わせ調味料の総称としてヤンニョムと呼ばれます。

ヤンニョムと他の調味料の違い

韓国料理に使われる調味料はヤンニョムだけではありません。韓国には辛みの調味料が多いため似ているように感じられますが、それぞれ材料や製法が異なります。

ここでは、韓国料理のレシピでよく使われる調味料3種類の特徴とヤンニョムとの違いを紹介します。

コチュジャン

コチュジャンは、茹でた大豆を潰して乾燥させた大豆麹に粉唐辛子やもち米粉、塩、麦芽粉で作った水あめなどを混ぜ合わせて発酵させた唐辛子入りの味噌です。辛みと甘みのバランスが取れた甘辛い味と、炒めるときに焦げやすいという特徴があります。

様々な韓国料理に使われているだけでなく、カンジャンなどの調味料や香味野菜、果物などと合わせてヤンニョムの材料としても使われている、韓国の伝統的な発酵調味料です。

タテギ

タテギは、ネギやニンニクなどの香味野菜を叩いたペーストに唐辛子を合わせた辛みのある調味料です。ヤンニョムとの区別が曖昧ですが、合わせ調味料全般を表すヤンニョムに対して、タテギは必ず香味野菜と唐辛子が入っています。

また、ヤンニョムが肉や野菜の味付けやタレとして使われるのに対し、タテギは一般的に鍋物や麺類といった汁物の味付けや薬味に使われる調味料です。タテギの語源は日本語の「叩き」から来ていると言われています。

ヤンニン

ヤンニンはヤンニョムと同じものです。店やメーカーによって呼び名が違い、ヤンニョンと呼ばれることもあります。全て漢字で書くと「薬念」です。

韓国語で味噌やしょうゆという意味を表す「ジャン」を付けて、ヤンニョムジャン、ヤンニンジャン、ヤンニョンジャンとも呼びます。

ヤンニョムには様々な調味料や香辛料が使われている

ヤンニョムは韓国料理に欠かせない、伝統的な韓国の合わせ調味料です。調味料や香味野菜、果物といった様々な食材を混ぜ合わせて作り、配合によって味が変わるため店や家庭によって違った味を楽しめます。

市販品の種類も豊富なため、料理に合ったヤンニョムを手軽に食卓に取り入れられるでしょう。また、自分でオリジナルのヤンニョムを作るのもおすすめです。万能調味料として使えるヤンニョムが料理の幅を広げてくれるでしょう。

 
 

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