人々拍手のコンサート、背面ビュー

妻たちの「推し活」、超えてはいけないラインはどこ?

2023/10/17

いまやすっかり一般的な言葉として定着した感もある「推し活」。サンキュ!読者の中にも、ひとりで、あるいは家族といっしょに楽しんでいる人もいるのではないでしょうか。

しかし、なにごともハマり過ぎには注意が必要。「恋人・夫婦仲相談所」所長の三松真由美さんに、妻として「推し活」の超えてはいけないラインを解説してもらいました。

会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、We...

>>>三松真由美の記事をもっと見る

妻の「推し活」、夫の反応はおおむねポジティブだが……

芸能界、スポーツ界などで活躍する「推し」が、日々の生活の元気の源になったり、辛いときの癒しになったり、仲間との出会いが生まれたりといった人は少なくないと思います。

筆者もセックスレスをはじめとする夫婦関係の悩みに向き合う妻に対して、夫にどっぷり依存せず、夫と関係ない部分で自分自身を癒したり、気持ちを上げたりできる「もの」や「こと」を持っておきましょう、とおすすめしています。

2次元、3次元を問わず、「推し活」によって自分を前向きな気持ちにできれば、夫へのザワツキは減少しますし、家族に笑顔で接する機会も増えるでしょう。

一方で、このような女性の「推し活」に対して、世の中の男性はどのように感じているのでしょうか?未婚女子ならともかく、既婚者である自分の妻が推しに夢中になっている姿に対して、夫はどんな気持ちがするのか。

実際に妻が「推し活」をしている男性に話を聞いたことがあります。

「趣味の一つだと思えば、こちらが口を出すことじゃない」「妻がイキイキして楽しんでいるならいいんじゃない?娘との会話も楽しそうだし」などと、おおむねポジティブな回答が多いのですが、なかには「妻の推し活は夫婦関係においてマイナスだ」という意見も出ました。

夫にとって妻の「推し活」はどこまでがセーフで、どこからがアウトか?

事例をもとに考えてみましょう。

アウトな推し活その1:歯止めのない課金

itasun/gettyimages

「推し活につぎ込むお金がいちばん気になります。都内だけでなく、関西や九州のライブにも遠征しているのを見ると、どれだけお金をつぎ込んでいるのか心配になります。また、グッズの買い方もハンパないです。妻の推しはグループの中のあるメンバーだけなので、彼のグッズだけを集めています。従ってグッズがランダム(=欲しいメンバーを指定できない状態)で販売されていると、推しが出るまで同じグッズを数十個単位で購入し、いらないグッズの段ボールが寝室に山積みになっています。どう見ても推し活に使う金は妻がパートで稼ぐ額は超えているはずで、俺の給料を返せと言いたいです」(48歳夫)

いちばん揉めるのが、やはりお金。この例のような「グッズ購入」「ライブ遠征」だけでなく、転売サイトで高額なチケットを購入するなどの例も聞こえてきました。収入に見合った適切な支出の範囲で楽しむべきというのは、どんな趣味でも同じです。

アウトな推し活その2:過剰なイベント化

屋内でスパークリングワインとグラスを鳴らす人々、接写
Liudmila Chernetska/gettyimages

「嫁がはまっている乙女ゲームのキャラの誕生日が3月にあったんです。あとから写真を見せられたのですが、びっくりするほど盛大に祝っていました。妻は都内のホテルに部屋を取って、そこを推しのポスターやグッズで埋め尽くし、バルーンや花束で飾った祭壇を作っていました。推しの担当カラーのバースデーケーキを特注し、同じ趣味の友人と誕生パーティーをしていました。今月、僕の誕生日がありましたが、『仕事が忙しくて、イベントは無理かも。誕プレ代は出すから、欲しいものを買ってそのレシートを頂戴』と言われ、いっしょの食事もケーキもありませんでした。いくら推しが大事とは言え、現実の家族である自分がここまでおざなりにされるのはショックです。」(42歳夫)

夫婦間で「イベントごと」は大事にすべきポイントです。誕生日をほぼスルーされただけでもショックなのに、推しの誕生日と比べた時の妻の熱量差がよけいに夫にダメージを与えたようです。

推しを祝うなら、同じぐらいパートナーも祝ってあげるよう、バランスを心がけてください。

アウトな推し活その3:夫との比較

アジア人女性は結婚指輪を持って座り、夫と議論した後、真剣に悲しくて悲しいことを考えました。恋人たちの問題は分離しなければなりません。家族の問題、離婚、洗濯、喪失の原因
Nuttawan Jayawan/gettyimages

「うちの妻の推しはアイドルで、30代には見えない童顔。それでいながら体は筋肉質でダンスはバキバキに踊ります。顔も、長い手足も、全身脱毛をしているのかツルツル。一方、僕は脱毛していません。そうすると、妻が『すね毛が気持ち悪い』『肌が汚い』『〇君よりもお腹がたるんでる』などと、自分の推しと僕を比較して、いろいろディスってきます。あっちはアイドルなんだから一般人と差があって当然なのに、不当に僕のことを否定的に言ってくるので、不愉快になります」(35歳)

推しとの比較は絶対にやってはいけないポイント。もし立場が逆転して、夫が自分とアイドルを比べてきたら、「そんなの違うにきまってるでしょ!」となりますよね。

心の中で比較するのは勝手ですが、口に出してパートナーを否定するのはだめです。

夫婦仲のスパイスになるような「推し活」を楽しんで!

「推し活」も人生には必要なことではありますが、お金の使い方、またパートナーとのバランスによっては、夫婦仲を損なう結果にもなります。

夫婦仲相談所に来られたA子さんは、韓流アイドルに夢中になり、韓国旅行に行くことが増え、あぶない金融でお金を借りて……と大変なことになったケースも知っています。また、推しへの投資を、ファンクラブの仲間と競っているうちに貯金が0になった女性も知っています。

「推し」を夫婦円満のためのスパイスにするくらいの「賢い推し活」を心がけてください。



◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。

三松真由美さん最新刊「夫とだけ、感じません」発売中

出典:Amazon

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND