バブル世代・貧乏くじ世代・コスパ世代!お金遣いのクセを世代別に大分析!

2021/06/26

世代ごとの収入と貯蓄の傾向を調査してみたら、若いころの日本経済の状況と密接に関係していることが発覚!当時のトレンドが家計にも影響を?貯まる・貯まらないの分かれ道はどこ?それぞれのお金づかいのクセを各界のプロが分析します。

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10~20代のころのトレンドが家計にも影響大!

80年からの40年間、日本経済はドラスティックに変化。それに連動した流行などによって、各世代の消費行動や家計に影響を与えていることは間違いありません。特に91年春のバブル崩壊と、その後のインターネット、携帯電話の普及は、やりくり方法が大きく変わるきっかけになっています。

【世代分析のプロ】トレンド、マーケティング関連の著書多数!牛窪恵さん
世代・トレンド評論家。インフィニティ代表。「草食系」などの流行語を広め、各メディアで活躍。著書に『若者たちのニューノーマル~Z世代コロナ禍を生きる』(日経BP)ほか多数。

若いころのお金づかいのクセが、貯まる・貯まらないの分かれ道

家計相談に来られるかたの世代別の傾向を見ると、青春期のころの環境は少なからず反映されていると感じます。若いころから高い生活レベルに慣れている人はなかなか支出を下げられない傾向があり、逆に学生時代からミニマムな暮らしに慣れている人は貯め上手が多いです。

【家計管理のプロ】延べ2万世帯以上の家計を立て直し!藤川太さん
ファイナンシャル・プランナー。家計の見直し相談センター代表。幅広い世代の個人相談、セミナーなどで活躍。著書に『年収が上がらなくてもお金が増える生き方』(プレジデント社)ほか多数。

昭和(89年1月まで)

◆現・50代の青春期 

【81~85年】バブル予兆期
全国にショッピングセンター、コンビニエンスストアが普及し始めた時期。85年9月の「プラザ合意」によって円高ドル安に。ここからバブル景気に突入。

【86~90年】バブル最盛期
政府の公定歩合の引き下げをきっかけに、土地や株の価値が急上昇。それに伴って、消費需要も加速し、高額商品が飛ぶように売れる好景気に!

平成(19年4月まで)

◆現・40代の青春期

【91年春】バブル崩壊

【91~96年】大不況期
ふくらみすぎた土地や株の価格がはじけて、景気が急降下。日本経済全体が冷え込み、91年以降は「失われた20年」といわれるほどの不景気が継続。

【97~07年】低迷期
97年前半は消費税率引き上げに伴う駆け込み需要があったものの、後半以降は消費が落ち込み、第一次石油ショック以来の大幅なマイナス成長に。

◆現・30代の青春期

【08年秋】リーマン・ショック

【08~12年】第二不況期
アメリカの投資銀行が経営破綻したことをきっかけに、世界規模の金融危機に発展。日本の株価も大暴落し、さらに景気が後退。

◆現・20代の青春期

【13~19年】復興~再生期
12年からの「アベノミクス」政策の効果などに伴い、景気はゆるやかに回復しつつあるものの、消費需要は停滞している状況。

※資料提供/インフィニティ(青春期とは、17~23歳前後を指します)

50代(62~71年生まれ)バブル恩恵イケイケ世代

【昔】高級品至上主義で、自分磨きにもお金をかける

日本中が浮かれていたバブル好景気時代がドンピシャな世代。高級グルメやブランド品に消費しまくったときの記憶が頭に残り、今でも買い物をすることでテンションがアップ!美容や健康などへの投資も惜しみません。現代の消費マーケットは、この世代が担っていると言えます。家計管理は、手書き&現金派。スマホやアプリは得意ではなく、ネット情報に乗り切れない傾向があります。

ブランド品が流行し、"寿退社"が憧れ

就職は超売り手市場。ブランド品を持つことが定番で、旅行といえば海外やリゾート地。3高(高収入・高身長・高学歴)の男性を見つけて"寿退社"する先輩に憧れる人もいた。

当時の流行カルチャー

●カフェバー、ディスコ ●ワンレン、ボディコン
●インポートブランド ●トレンディードラマ
●アッシー、メッシー、ミツグくん

【今】好景気時代の生活レベルが下げられず、焦る人が多数

特に夫が50代後半の場合、年功序列制度が残る世代で、給料は比較的余裕があり、専業主婦率も高め。家や車への高級志向が高く、子どもの教育費などで家計が圧迫されても、生活レベルを下げられずに困って相談に来るかたばかり……。そこで固定費を減らす提案をすると、「変えるのは面倒」などと言い訳して先送りしがち。老後を見据えた収支プランが見えていない人が多く見られます。

買い物は大好き!でも、イマドキやりくりはよくわからな~い!

若いときほどの浪費はしないけれど、たまに百貨店で買い物するのが楽しみ!キャッシュレスなど、仕組みがよくわからないやりくりには手を出さない人も。

お金づかいのクセ

●高級志向 ●健康オタク
●百貨店好き ●限定品に弱い
●自分磨きにお金をかける

サンキュ!DATA

老後資金のための貯蓄を月1万円以上している
50代……53%

40代(72~81年生まれ)無個性貧乏クジ世代

【昔】バブル崩壊の余波を受け、共働きの家庭が急増!

バブル崩壊で就職氷河期に突入し、給料は頭打ち……。共働き家庭が7割近くに増加し、賢い節約が家計管理のテーマに。一方、バブル世代の先輩たちの消費行動が残像となり、イベント費などにドーンとお金を使ってしまう「隠れバブラー」も存在します。今後、教育費に加えて、人口が多い団塊世代の親の介護問題ものしかかる可能性があり、まさに「貧乏クジ」を引いた世代と言えます。

「節約」がトレンドに。ファッションもシンプル化

就職氷河期で、派遣などの非正規雇用社員になる人も多数。生活費をセーブする習慣が定着。無印良品、ユニクロなどのシンプルで質のいいファッションが一気に広まった。

当時の流行カルチャー

●ヤンママ ●ポケベル
●エコロジー ●インターネット
●アムラー、コギャル ●負け犬

【今】夫婦別財布家庭のはしり。お互いの収支を共有していない

不況だったこともあり、50代に比べて共働き率がアップ。夫婦別財布で管理する家庭が多く、各自どれだけ使っているか共有できていないため、住宅購入など大きな支出が必要になったときに、「貯蓄がない!」ともめるケースも。また、ふだんはお買い得品をちょこちょこ買っているのに、週末は家族で出かけて外食などで財布のひもがゆるんでしまい、結局貯蓄できていない人も多いです。

住宅ローン、教育費が重くのしかかる……

住宅ローンの残高はまだまだズッシリ!今まさに中・高校生がいる人は塾代、学費が家計を圧迫し、晩婚・晩産の人は教育費と親の介護費用などの備えが重なり、アップアップ状態。

お金づかいのクセ

●お得、割引に釣られやすい
●高価に見える安い物を探す
●ちょこちょこ節約して、ガツンと使う

サンキュ!DATA

毎月の貯蓄額について不満がある
40代……63.2%

30代(82~91年生まれ)コスパ世代

【昔】節約感覚を身につけ、比較検討するのが好き

物心ついたころからずっと不況なので、自然と節約感覚が身についています。インターネットが普及し、手軽に検索ができるようになったこともあり、ただ安いだけでなく、「コスパ」を調べてから買い物するように。デートもワリカンが当たり前だったので、夫と一緒に家計管理する家庭も多く見られます。

ファストファッションが定着。工夫して楽しむ

08年にH&Mが日本上陸。低価格でおしゃれを楽しむのが一般的で、高級車やブランド品などを所有する人が減少傾向に。

当時の流行カルチャー

●写メール
●草食系男子
●ファストファッション
●カリスマ販売員

【今】物ややり方にこだわりがない合理的な貯め上手

50代、40代は、「無駄だとわかっていても手放せない物(=聖域)」が多いけれど、30代は元々無駄な聖域がない人が多くなります。ネットを活用して新しいやりくり情報を試し、自分に合わないことはすぐやめて役立つことだけ取り入れるなど超合理的!堅実に貯めています。

コスパ重視で賢く買う

必要な物は事前に情報収集し、価格比較サイトなどを見てよい物をより安く買う。ポイント付与のチェックも怠らない。少額ずつでも計画的に貯めている。

お金づかいのクセ

●価格よりもコスパ重視
●口コミ情報をチェックして買う
●ポイ活好き

サンキュ!DATA

お得情報はSNSやネット、動画から得ている
30代……67.7%

20代(92~01年生まれ)サブスク世代

【今】「安い物」のその先を求める、新しいお金づかい

30代の「コスパ」から、「タムパ(タイムパフォーマンス)」を重視したお金づかいに進化しています。ネット検索に時間をかけるよりも、SNSで手っ取り早く情報を収集。「フリマアプリで売る」ことを考えて買ったり、サブスクで必要な物だけ使うなど、ムダが一切ありません。

流行カルチャー

スマホ、SNS
インスタ映え
ミニマリスト
LCC航空

お金づかいのクセ

●ぜいたく品には興味なし
●自己投資欲が強い
●「売る」ことを考えて買う

※登場する人物像は、各世代の象徴的なイメージです。

参照:『サンキュ!』2021年7月号「収入と貯蓄」より。掲載している情報は2021年5月現在のものです。イラスト/泰間敬視 構成・文/宮原元美 編集/サンキュ!編集部

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