スーパーで買った食品のエコバッグ

円安から家計を守る方法とは?お金の専門家が「今すぐできる円安対策」を解説

2022/05/26

円安が進んでいます。円安になると食材や衣服、家電製品など、輸入に関係するあらゆる商品が値上がりするため、家計にも大きく影響します。

このような「円安時代」に家計を守るには、どのような対策が必要なのか、節約アドバイザーの丸山晴美さんに聞きしました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2022年5時点の取材情報を基にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「家計の円安対策」!

家計の円安対策1:家計&買いもののやり方の見直しが基本に

円安とは日本円の価値が安くなることです。例えば、1ドル=100円の時は100ドルの商品が1万円で買えますが、1ドル=130円の時は1万3000円かかります。つまり、円安になると全ての輸入品が今までより高くなるということです。

2022年初めは1ドル=115円くらいだったのが、4月末には1ドル=130円台になり、円安が進んでいいます。コロナ禍やウクライナ情勢による値上がりに、円安まで加わったわけですから、私たちの生活にとっては大きな打撃。だからこそ、家計を守る対策をしっかり行う必要があります。

最初にやるべき対策は、やはり「家計を見直す」こと。光熱費や通信料、保険料といった「固定費」をもっと減すらすことはできないか、本当にムダ買いをしていないかなど、改めてしっかり見直すことが大切です。

食材を買いに行くときも優先順位を決め、「優先順位の高いもの=必要なもの」から買いましょう。お酒やお菓子などの嗜好品は、必要なものを買ったあとの残ったお金で買うのが基本です。

「円安でさらに値上がりするかも」と聞くと、その前に買いだめしようと考える人もいます。しかし、食材の買い溜めはあまり意味がありません。なぜなら、ほとんどの食材は賞味期限があるからです。

保存できる期間はたいてい半年~1年くらいまでですし、それ以上保存できる商品でも、虫がわいたり酸化したりして、けっきょく捨てることになるケースが少なくありません。非常食にもなる缶詰以外は、買いだめは避けましょう。

家計の円安対策2:フードロスの回避を心がける

現在、さまざまな食材の値上がりが続いていますが、その一方で、相変わらずフードロスも大量に起こっています。商品の価格には、フードロス分のコストも上乗せされますから、企業と生活者の両方でフードロスを減らすことが、実は値上がりを抑えることにもつながります。

スーパーやコンビニエンスストアのフードロスの原因の多くは、賞味期限切れによる廃棄です。それを防ぐには私たち消費者が「手前に並んでいる賞味期限が近い商品から買う」のが効果的と言われています。1人1人がそうするだけで、フードロスを軽減して商品の価格上昇を抑えることにつながるのです。

また、環境省によると4人家族の場合、1世帯につき毎年約6万円相当の食品を捨てていると見積もられています(※1)。つまり、月約5,000円分の食材が、何かしらの原因で廃棄されていることになります。これらのフードロスを減らすことも効果があります。

家庭のフードロスを少なくするには、本当に必要な商品・量を考えて買い、適切な保存をして、しっかり使い切り、食べ残しをできるだけ減らすこと。これからはこうしたフードロス対策も、家計を守る1つのポイントとなっていくでしょう。

家計の円安対策3:そろそろ本気で投資を始める

物価が上がっている今、銀行の預貯金の価値がどんどん減っていることにお気づきのかたもいるでしょう。

現在、大学への進学費用は、学費だけで約500~600万円と言われていますが、10年後、15年後には800~1,000万円ほどになっている可能性は少なくありません。がんばって貯金しても、インフレが進めば学費が足りなくなる可能性もあります。

もちろん上記は仮定の話ですが、そうなってもおかしくないくらい、インフレが進んでいる状況です。だからこそ、そろそろ本気で投資を考えてみることをおすすめします。

私も2018年8月から月2万円ずつ積立投資をしているのですが、現在、円安の影響もあって23.4%の運用益となっています。預貯金ではこのような数字は望めないでしょう。

ちなみに、今のような円安時は、そもそも円の価値が下がっているため、一部資産を海外へ振り分けることも必要でしょう。欧米、新興国、金など日本以外の投資先をバランスよく分散投資をすることで、インフレリスクや日本円を持つリスクを軽減させることができます。

おすすめは「海外ETF(イーティーエフ/上場投資信託)」です。ETFは株価指数など特定の指数に連動させた投資信託の総称です。海外ETFは国内の証券会社から購入することができますので。手数料が安いネット証券の口座開設をおすすめします。

とはいえ投資ですから、景気の影響によっては元本割れをする可能性は常にあります。投資だけで資産をつくろうと考えるのではなく、預貯金と投資の両輪を上手に活用することが必要です。

家計の円安対策4:中古市場を積極的に活用する

新品が値上がりして高いときは、中古品の利用が増えます。その影響で今、中古品市場が活発になってきています。

メルカリやラクマに代表されるフリマアプリもすっかり市民権を得て、利用のハードルもだいぶ下がっています。

今は中古品市場も値上がりし、新品より高い値段で取引されているものもありますが、それはあくまで一部です。多くは新品より安い価格で取引されているので、上手に利用して必要なものを手に入れましょう。

家計の円安対策5:状況やものによってはサブスクもアリ!

新品は高くて手が出ないけれど、人が使った中古品は苦手というかたもいるでしょう。そういう場合は、月々料金を払ってレンタルするサブスクリプションサービス(サブスク)を検討するのも一案です。最近は家電や家具などのサブスクも増えています。

単身赴任などで1年だけ家具が必要という場合や、たまにしか使わない高額家電が欲しい場合なども、サブスクのほうが安上がりなケースがあります。買うのとどちらがお得か、よく計算して検討してみましょう。

このように、景気の状況が変わると、それに対応したサービスもいろいろ出てきます。そういう情報も普段からチェックし、良いサービスは取り入れるなど柔軟に対応することも家計を守ることにつながります。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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