机の上で通帳を開こうとする若い女性

【高齢出産のお金の悩み】年収600万で50代。お金の話をすると、夫の機嫌が悪くなる

2022/06/22

定年までのタイムリミットが短い晩産家庭!子育てなどの将来への不安はどう備えればいい?お金のプロに、教育費や老後資金、住居費など3大支出への貯蓄のポイントをアドバイスしてもらいました。

<教えてくれた人>
ファイナンシャル・プランナー 竹下さくらさん
なごみFP事務所にて、個人のコンサルティングを主軸に、講演・執筆活動も行う。2児の母。最新著書は『緊急対策 奨学金 上手な借り方新常識』(青春出版社)など。

子ども費がかさむ一方で、貯蓄がなかなか殖えません……。夫と家計の話もできず不安だらけ

【年収600万円台・50代】
西海佳子さん〈仮名〉
(愛知県 50歳)夫(50歳)、長男(14歳)、長女(12歳)の4人家族。結婚16年目。義父母との二世帯住宅。「一時は専業主婦でしたが、6年前から午前中のみのパートで働いています」。

◎MONEY DATA◎
世帯月収(手取り) 40万円
世帯年収(手取り) 628万円
月貯蓄額 5万6000円(保険含む)
年貯蓄額 約147万円(保険含む)
総貯蓄額 ヒミツ

子どもが2人とも中学生になり、想定以上に出費がかさんでいるという西海さん。「食費も増える一方だし、部活費など突発的な出費があると、貯蓄から出すことになり、なかなか思うように殖やせません。夫に家計のことを相談できず、今のままで教育費すらたりるのか、不安がつのるばかりです」。

3大支出への備えは?

【教育費】
1人500万円ずつ貯めたいのですが、貯蓄は特に分けていません
●長男・学資保険 月1万円(満期保険金 160万円)
●長女・学資保険 払い込み済み(満期保険金 50万円)
●児童手当(2人分)年24万円

【老後資金】
保険+貯蓄から捻出する予定
●夫・年金保険 月約9000円 
●夫・終身保険 月約3000円
●妻・年金保険 払い込み済み(満期保険金 200万円)

【住居費】
住宅ローンは、7年後に払い終わる予定。でも、今後家の修繕費もかかってくるので、安心できません。

月3万円ずつ積み立てていますが、教育費用に分けていないので、取り崩しがち……

●今の保険だけでは不足。目的別に貯蓄口座を分け、確実に貯めていくことが大事!

日本の通帳の模倣
takasuu/gettyimages

学資保険は満期金が少ない(特に長女)ので、貯蓄で補う必要があります。生活費の補塡などで使い込むことがないよう、子ども名義の口座に今ある貯蓄を取り分け、さらに毎月1万円ずつでも積み立て額を増やして。老後資金も別口座で積み立て、手をつけないようにしましょう。

1カ月の家計表

<収入>
夫月収(手取り) 32万円
妻月収(手取り) 8万円

<貯蓄>
貯蓄 計5万6000円
・先取り貯蓄 3万円
・自動車学校用積み立て 4000円
・貯蓄型保険 2万2000円

<支出>
住居費 5万円
水道・光熱費(義父に渡す) 4万円
通信費 2万5000円
車関連費 2万円
子ども費 4万8000円
保険料 5000円
互助会会費 7000円
食費・日用品費 7万6000円
医療費 3000円
夫小遣い 3万円
妻小遣い 0円
予備費 4万円

ボーナス(年148万円)の主な使い道

住宅ローン 48万円
固定資産税 7万5000円
特別出費 約12万円

貯蓄 約80万円

通信費や食費など、「かかって当たり前」と思い込まず、削れるところがないか見直してみて!

高校生になると、塾代や携帯電話代などでさらに出費が増えます。今のうちに携帯電話のプランを変更するなど、固定費が下げられないか、見直しを。また、食べ盛りで食費がかさむ時期ですが、実はムダに買いすぎている場合も。買い物内容も見直しして、支出をセーブしておくと安心です。

夫に家計の話をすると、機嫌が悪くなってしまう。上手に話し合うにはどうしたらいい?

●今後の教育費について具体的な数字で見せると説得しやすくなります

戦う老若男女の手
kazuma seki/gettyimages

非協力的な夫には、ただ感情的に「今、家計が厳しい」と言うのはNG!「大学入学時だけで100万円かかるらしいよ」など、具体的な数字を出し、「だから、これだけ貯めておきたい」と話をすれば、関心を持ってくれるはず。そこから、マネープランを話し合うようにしてみて。

結婚前にやっていた投資信託があるのですが、払い戻して教育資金に回すべき?

●長い目で見てそのままキープを。教育資金にするのは最後の手段に

コインスタック屋外オンサンシャイン
stockforliving/gettyimages

現在、保有している投資信託の評価額が下がっているとのことなので、そのまま様子を見ていくのが無難です。まずは、子どもの大学進学まで家計の中から貯蓄を殖やすことを優先して。投資信託は妻が働けなくなったなど、"もしも"のときのために、キープしておきましょう。

妻が「年収130万円の壁」を超える働き方も検討して。受け取れる年金額が増やせます

電話で話すアジアの女性
miya227/gettyimages

現在、西海さんは夫の扶養控除の範囲内で働いていますが、今後転職するなら、夫の扶養から外れる働き方を選ぶのも一案。収入が増えた分を貯蓄に回せるだけでなく、年収130万円を超えて、妻も社会保険料を支払うようになれば、老後に受け取れる年金額が増やせるというメリットがあります。

参照:『サンキュ!』2022年7月号「晩産家庭の家計のリアルをのぞいてみた」より。掲載している情報は2022年5月現在のものです。構成・文/宮原元美 編集/サンキュ!編集部

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