「はじめるならiDeco?つみたてNISA?」「始めるなら今すぐ?貯蓄ができてから?」老後のお金、ぶっちゃけお得なのはどっち?
2022/08/22
長生きするには一体いくらあればいいの!?食費も光熱費も値上がり続きで暮らしが不安定な今。どの方法がお得か、働き方や備え方へのお金のプロがアドバイス。気になる老後のお金の疑問にお答えします!
<教えてくれた人>
ファイナンシャル・プランナー 井戸美枝さん
社会保険労務士。生活に身近な年金問題や経済問題を、わかりやすく解説。近著に『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください! 増補改訂版』(日経BP)。
私たちが質問!『サンキュ!』読者代表
佐藤さん<仮名>Family
夫(45歳)、妻(43歳)、長女(中学1年生)、長男(小学4年生)
◎Family Data◎
茨城県/住まいは賃貸マンション
世帯年収450万円
妻は、扶養内で働くパートタイマー
コロナ禍で、一時期パートのシフトが減ったことがあり、働き方にやや不安がある。家計は、生活費と教育費が優先で、老後の備えはできていない。
Q 長く働くには、資格とか取るべきorなくても平気?
A 「今の自分」ができる仕事から始めよう資格取得は、必要になったらでOK。
「履歴書に資格を書けたらいいな」など漠然とした理由で資格取得にお金と時間をかけても、就職が有利になるとは限らずもったいないかも。それより今できる仕事で早く働き始めるほうが稼ぐ期間が長くなり、老後資金に回せてお得。資格は働いて必要になったら取れば問題なし。
Q 投資を始めるなら今すぐor貯蓄が十分にできてから?
A 今すぐ!積立投資の肝は、金額よりも運用期間。
緊急時用に半年分の生活費や教育費は預貯金で用意するのが原則。それらが貯まっているなら、洋服や外食など無意識に使っているお金を月数千円、投資に回してみて。積立投資でお金を殖やすには「長期間積み立てる」ことが重要なので、少額でも早く始めよう。
Q 老後の備えは教育費が落ち着いてからor並行して貯める?
A 教育費が落ち着く頃、親は何歳?少額でも今から備えるのが◎。
50代後半~60代で教育費を払い終える場合、そこから老後資金を貯めるのは時間的に厳しそう。通信費などの固定費や何げなく使っているカフェ代などを見直し、少しずつでも同時に貯めるのがお得。
Q 積立投資を始めるなら、iDeCo orつみたてNISA?
A 老後のためならiDeCo。
つみたてNISAは運用期間が20年間ですが、iDeCoは会社員の場合65歳までとより長く運用できます。掛金全額が所得控除の対象となり節税効果が大きいのもメリット。税金が浮いた分を貯蓄したりつみたてNISAに回すこともでき、老後資金を増やしやすい!
国の「資産所得倍増プラン」により、積立投資が、もっとシンプルで使いやすくなります
国の後押しで、iDeCoの加入手続きを簡単にしたり、つみたてNISAの運用益の非課税期間が延長したり、積立投資をより行いやすくなるかも。主婦も、投資を活用すべき時代です。
Q 病気やけがの備えでお勧めなのは貯蓄or保険?
A 60万円※備えられれば貯蓄で賄える可能性も。
入院給付金1日1万円×60日分=60万円
加入する保険によって違いますが、一般的な60日型の医療保険の場合、入院して受け取れる額は最大60万円。同じくらいの額を現金で貯蓄できれば、健康保険も活用しながら、"いざというとき"に備えられるでしょう。
※最低限備えるべき貯蓄額の目安です
不安な人は、がん保険の検討は◎
がんは一生涯で2人に1人がかかる病気。がんになると今まで通り働けなくなるケースもあるので、心配な人は検討してみて。再に備えるなら、再発時も保険金が支払われるタイプを選ぶと安心です。
老後もっと得するADVICE
必要以上に老後を不安がるのは損!もらえる年金を増やして自分で安心を育てましょう。
今すぐ収入や貯蓄は増やせなくても、パート先で厚生年金に入る、iDeCoに加入するなど、今できることで将来の年金を増やすのが得策。何もせず不安がっているより自分で行動して不安を減らそう。
もらえる年金の増やし方(例)
● 少しでも収入を上げる
● iDeCoなどで、"私的年金"を増やす etc.
● 年金受給を繰り下げる
参照:『サンキュ!』2022年9月号「老後困らないのはどっち?」より。掲載している情報は2022年7月現在のものです。監修/井戸美枝 構成/出下真紀 取材・文/神坐陽子 編集/サンキュ!編集部