節約の優先順位を決めるのは楽じゃない。すべてが究極の選択だと覚悟して

2023/03/18

貯蓄ができないのに、スマホのゲーム課金などで月11万円も浪費してしまう夫。そんな夫に節約をお願いするのをいったんあきらめ、相談者のゆかりさんは家計から11万円をひいた金額でのやりくりを決意します。しかし、いざとなると削るのはむずかしい出費ばかりで…。

「田舎なので車2台は必須です。子どもの習いごとも多いほうじゃないし…」

橋本:平均月収は夫婦合わせて手取りで46万円ですが、変動収入の場合は平均より少なめの額で予算を立てます。すると月収40万円-夫費11万円=29万円で暮らすことになりますね。そして優先順位が高いものから予算を確保します。住宅ローンや水道・光熱費、通信費、食費など絶対必要な支出です。すると残り約10万円。ここから進学のための貯蓄をねん出したい。
車関係費が高いようですが?

ゆかり:車2台のローンが月8万円あります。1台は仕事用だし、田舎なのでもう1台ないと生活できません。

橋本:ほかに削れるものは?お子さんの習いごと費はどうですか?

ゆかり:それはずっと悩んでいて。習いごとや塾は行かせた方がいいという声を聞くと削りづらくて…。

親がかけてくれたのと同じように子どもにお金をかけるなんて、思わなくていい

橋本:子どもにはお金をかけてあげたいって思いますよね。でも「人と同じように」と思うときりがないの。他人のお金使いは、我慢している部分より使うところが目につくんです。だから同じような使い方をしたら、絶対オーバーしちゃう。もうね、「親が自分にしてくれたのと同じようにお金をかけてあげたい」と思う必要もないんですよ。時代は違うし、親は削ったところを子どもに見せていなかっただろうし。

ゆかり:優先順位を考えたら、子どものための習いごと費も削っていい、と。

橋本:そう、習いごと費と車費のどっちを選ぶか、ということです。

ゆかり:それなら削るのは習いごと費です。長男ががんばっているキックボクシング以外はやめます。

橋本:こんなふうに、進学費を貯めることが一番大事だよね、そのためにどこを削る?となったときに、目標がないと今のような判断ができないんです。車と習いごと、どちらの支出も必要だし大事。でも払えないなら削るしかない。おぼれている彼女とお母さんのどちらを助ける?というくらいの選択だから。

ゆかり:そうですね。だから時期を決めて、具体的な額まで目標を決めることが必要なんですね(ため息)。だけど私と子どもたちが使えるお金はほぼ生活費のみで習いごともあきらめるとなると、「夫がスマホ課金さえやめれば」ってやっぱり思っちゃいます(怒)。

橋本:本当はね。そうなんだけど、まずゆかりさんがこれだけ考えて、子どもとも話し合って習いごともやめるなど行動したときに、ご主人がどうするか、ということなんです。

ゆかり:あぁ~…。

橋本:ご主人に伝えるときも「私たちはこれだけやってるのに」と責めちゃダメで、ご主人が自主的に「じゃあ俺も何とかするよ」というのを待つ。自分が本気で取り組んだうえで、次にご主人なんです。

ゆかり:なるほど。

頼んで動いてもらうのはあきらめる。自分で先に動く方がいい。

橋本:厳しいようですが、貯蓄したいけれどできなかった、それはゆかりさんもご主人もいっしょ。ゆかりさんの「進学費を調べて、目標額を明確に決めるのが面倒くさい」というのと、ご主人の「スマホの課金をやめればいいとわかってる。でもやめられない」というのは、ある意味同じことなんです。

ゆかり:そうなんですね…。主人は結婚前、結婚資金を1年で100万円貯めてくれたんです。やればできるって知ってるから、私もつい期待してしまって。でも「主人が使う11万円はないものとする」というアドバイスを聞いて、吹っ切れました。私があれこれ悩んでも結局主人が使っちゃうなら、ないものとすればいいんだって。スッキリしたので、あとは自分で予算を見直してがんばれそうです!

橋本:よかった~!ゆかりさんが本気で行動すれば、きっとご主人にもいい影響が及んで何かが変わるはず。応援していますよ!


夫のお金使いに難があっても、まずは自分ができることを見つけて実行する…。数々の家計を立て直してきた橋本先生から、新たな家計マインドを注入されたゆかりさん。それから1カ月後、家計や夫の言動に劇的な変化があったそう!次回、その一部始終をお届けします。

イラスト/髙栁浩太郎 取材・文/神坐陽子 構成/サンキュ!コメつぶ編集部

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