終わりの見えない物価高に苦しんだ24年を経て、新たな年はどうなるのか?家計を取り巻く環境やその乗り切り方をお金のプロと賢者が予測&アドバイス!経済評論家による日本と世界の経済予測も要チェック!
<教えてくれた人>: 経済評論家 岩本さゆみ
経済金融に精通した為替のプロ。お金の流れを軸に世界経済と日本の景気をズバリ予測。本誌の連載「それってうちの家...
- 専門家が25年の日本&世界経済を予測!
- ウクライナ戦争が終結すれば、物価高騰は落ち着くが株価は頭打ちの可能性も
- 「年収の壁」が引き上げられても、税収減は消費税増税の口実に!?
- 「年収の壁」の見直しに備え、どう働くか考えて
専門家が25年の日本&世界経済を予測!
25年の世界経済のカギはトランプ大統領が握っている!
世界的な選挙イヤーとなった24年、日本や先進各国では与党が大幅に議席を減らしたり、政権交代が起きたりしました。「野党躍進の背景には世界的なインフレが。物価高に苦しむ国民の不満が現政権へNOを突きつける結果となっています」。アメリカ大統領選で圧勝したトランプ氏は関税の引き上げや大規模な減税を公約に掲げていて、実現するとアメリカ国内でのインフレや財政赤字が拡大し、金利が引き上げられて円安・ドル高が進むと現状では予想されています。「トランプ氏の前政権時代も当初は同様の流れが予想されましたが、実際には逆の動きに。トランプ氏が高い関税をかける国や製品を限定したことでインフレは起きず、消費者物価指数もほとんど上がらなかったんです。長期金利も落ち着いた状態で、4年間の任期中に為替は円高・ドル安に進む展開に。今回も大方の予想に反し、前政権時代と同様の方向に進む可能性があるのでは?と考えています」。現在は新政権への期待によるご祝儀相場でドル高や株高が進んでいますが、トランプ氏が大統領に就任する1月以降は、中長期的には円高・ドル安方向に進むシナリオも視野に!
ウクライナ戦争が終結すれば、物価高騰は落ち着くが株価は頭打ちの可能性も
トランプ大統領がウクライナ戦争の解決に動いて終結すれば、高騰していた資源やエネルギー価格が落ち着き、世界的な物価上昇にも歯止めがかかると予想されます。「ただし、今のアメリカの株高は戦争特需による面も少なからずあり、戦争が終われば株価が頭打ちになる銘柄も出てくるはずです。アメリカのドル高、株高に過剰に期待して投資商品の選択に偏りがある人は、見直しも視野に入れて」。
「年収の壁」が引き上げられても、税収減は消費税増税の口実に!?
日本は25年に参議院選挙があります。衆院選の大敗で難しい舵取りが迫られる石破総理と個人外交を重視するトランプ大統領の馬が合うとは思えず、経済的な成果も期待薄で、今の与党では惨敗の可能性も……。結果次第では、野田総理誕生も考えられるでしょう。また、国民民主党の『178万円の壁』が実現されれば、一部の人は手取り収入のアップにつながる反面、数兆円単位の税収減が見込まれています。「税収減による財政悪化は消費税増税の口実になりやすいので要注意。ただし、トランプ大統領は他国の消費税を関税と見なして、消費税アップをよく思わない立場。第二次トランプ政権の方向性を見極める間は、日本も消費税を上げにくい状況にあるといえるでしょう」。
「年収の壁」の見直しに備え、どう働くか考えて
ファイナンシャル・プランナー 畠中雅子さん
転職は新たな職場を探す労力や時間が必要で、家庭と仕事の両立を目指す『サンキュ!』世代にはハードルが高め。25年は「年収の壁」の議論の行方を見定めつつ、今後の働き方を考え、準備する年に。
25年から開始される「多子世帯の大学無償化」制度に期待!
お金の年間計画の達人 tomomiさん
子どもが3人いるので、ライフイベントを先読みして準備するのが鉄則。扶養する子どもが3人以上いる世帯の学生に対し、大学の授業料や入学金が減免される「多子世帯の大学無償化」制度にも期待!
ポイ活で楽しく収入アップ&資産運用を!
ポイ活のスペシャリスト 井上ポイントさん
ポイ活で収入やマネーリテラシーが上がれば、資産運用も可能に。今やポイ活は生活に不可欠なサービスで、25年もその形態は進化すること間違いなし。身近なポイ活から実践すれば家計の大きな助けに!
日本株は安定している大型株が◎。業界1~3位を狙って
元証券ウーマンの投資の達人 さぶさん
年末年始に『会社四季報プロ500』で株価が上がりそうな銘柄を10~20社チェック。25年の株式市場は予測できない情勢が続きそうなので、プライム市場(東証の最上位市場)の手堅い株が狙い目!
お金に振り回されず楽しく幸せになれる方法を見つけよう!
FP1級資格を持つ芸人 サバンナ八木真澄さん
円高・円安など経済がどう動いても、一時的に誰かが苦しむことに。だからこそ目指したいのは、お金に振り回されないこと。年収の増減や経済のせいにせず、自分で幸せになる方法を見つけましょう!
薬不足が深刻化。25年は薬に頼りすぎない生活を!
脳神経外科医 菅原道仁さん
原材料を輸入に頼る薬は供給が不安定。さらに、メーカーの不祥事による製造中止などで薬不足が深刻化。薬剤の出荷調整がかかり、お金を出せば薬が手に入る時代ではなくなってきているので注意を!
<教えてくれた人>
経済評論家 岩本さゆみさん
経済金融に精通した為替のプロ。お金の流れを軸に世界経済と日本の景気をズバリ予測。本誌の連載「それってうちの家計に関係ありますか?」での庶民目線の解説も好評。
※情報は24年11月28日現在のものです。
参照:『サンキュ!』2025年2月号「2025年お金の大計画」より。掲載している情報は2024年12月現在のものです。監修/岩本さゆみ(25年日本&経済予測) 構成・文/鹿島由紀子 編集/サンキュ!編集部