子ども1人につき総額198万円!「児童手当」の申請方法&もらえるタイミングを解説
2018/12/28
中学校卒業までの子どもがいる家庭を対象に、子育て支援を目的として国から支給されるお金が「児童手当」です。子ども1人当たり総額198万円にもなるので、もらい忘れないようにしたいもの。申請方法やもらえる時期について、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんに詳しく教えていただきました。
「児童手当」ってどんな制度?
子どもが生まれて成長していく過程では、生活費や教育費をはじめ、とてもたくさんのお金がかかります。そこで、どの家庭も安定した生活を送り、子どもが健やかに成長できるよう、国からお金を支給するのが「児童手当」です。
もらえるのは、0歳から中学校卒業までの子どもがいる家庭。子育て世帯にとっては、とても大きな支えになる制度です。
いくらもらえるの?
3歳未満児は月額1万5000円
「児童手当」の支給額は、子どもの年齢によって異なります。
3歳未満の子どもがいる世帯は子ども1人につき月額1万5000円。3歳〜小学生は子ども1人につき月額1万円(第3子以降は月額1万5000円)。中学生は子ども1人につき月額1万円です。
【「児童手当」の支給額】
子ども1人につき、中学校卒業までの支給総額は198万円(第1子、第2子の場合)。
全額を貯めておけば、高校や大学の入学金・学費の一部として活用することもできます。「児童手当」は使わずに、しっかり積み立てておくのが理想です。
所得制限がある
子どもを養育している人の所得が一定額を超える場合は、「特例給付」となり、子ども1人につき一律で月額5000円が支給されます。
【「児童手当」の所得制限限度額】
共働きの場合は、所得が高いほうの人の所得額で判断されます。
また、「児童手当」は子どもを養育している人が受給者となるため、両親に代わって子どもを養育している人がいる場合は、その人が「受給者」となります。
いつ、どのように申請すればいい?
「児童手当」は、子どもが生まれたら自動的にもらえるというわけではありません。
子どもが生まれたら、なるべく早く申請手続きを行いましょう。
世帯主が健康保険または国民健康保険の人は住んでいる市区町村の役所、公務員の人は共済の窓口(勤務先)で申請をします。
産後15日以内に認定請求をする
出産後15日以内に、「「児童手当」認定請求書」を市区町村(公務員は勤務先)に提出しましょう。認定請求書は役所の窓口でもらうことができます。
里帰り出産の人は、里帰り先ではなく、現住所がある地区町村に届け出なければならないので注意しましょう。
「児童手当」は申請した翌月からが、支給の対象となります。例えば4月に出産し、4月中に申請すると、5月分からが支給対象です。
知っておきたい「15日特例」
「児童手当」の支給は、原則として申請した翌月分からが支給の対象です。
ただし、出産日や転入した日が月末に近い場合、申請日が翌月になってしまったとしても15日以内であれば、申請した月から支給の対象となります。
毎年6月に「現況届」を提出する
「児童手当」をもらい続けるためには、毎年6月に役所に「現況届」を提出する必要があります。
現況届とは、毎年6月1日の家族構成や所得を確認し、引き続き「児童手当」をもらう要件を満たしているかどうかを判断するためのもの。書類は役所から送られてくるので、届いたら必要事項を書いて提出しましょう。
指定の期間内に提出しなかった場合、「児童手当」の支給がストップしてしまう可能性もあるので要注意です。
いつもらえるの?
「児童手当」は、6月、10月、2月の年3回に分けて、それぞれ前月までの4カ月分がまとめて振り込まれます。
4月に出産し4月中に申請したら、いつからもらえる?
4月に出産をして、4月中に「児童手当」の申請をした場合は、5月分からが支給の対象。いちばん早い振り込み月である6月に最初の支給があり、前月の5月分だけが振り込まれます。
● 6月・・・・・・5月分(1カ月分)だけが振り込まれる
● 10月・・・・・・6月〜9月分(4カ月分)が振り込まれる
● 2月・・・・・・10月〜翌年1月分(4カ月分)が振り込まれる
こんなケースでは、もらえる?
「児童手当」をもらっている間に離婚した
両親が離婚または、離婚協議中のために別居している場合は、原則として子どもと同居している親に支給されます。これは一般的に、「同居している大人が、子どもを養育している」と考えられるから。
例えば、母親よりも父親の収入が高い場合、子どもが父親と同居するなら、これまでどおり父親が「児童手当」を受給します。
しかし、子どもが母親と同居することになった場合は、受給者が母親に変更されます。
このようなケースでは、受給者の名義・振込口座の変更手続きなどが必要になるので、忘れずに行いましょう。また、「児童手当」の受給に関して後々トラブルにならないよう、離婚協議中にしっかり話し合うことが大切です。
「児童手当」の申請を忘れてしまった
「児童手当」は、原則として出産後15日以内の申請がルール。
申請が遅れると、申請前の分をさかのぼってもらうことはできません。遅れた場合は通常と同じく、申請した翌月分からが支給の対象になり、いちばん早い振り込み月から支給が開始されます。
まとめ
「児童手当」は子どもが生まれたらなるべく早めに申請をしましょう。そして、受給をストップさせないためには、現況届を毎年提出することも忘れずに。
子どもの教育資金に役立てるなら、「児童手当」には手をつけず、初回からしっかり貯めておくといいですね。
取材・文/有馬未央(KIRA KIRA)